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線だよ
Rod...
 ロッド購入もしくは作成に関して、チマタでは感度といったファクターを
重視する傾向にある様な気がする。 無論、感度が悪ければ水中の情報を
得にくくなる為に結果的に「使いにくい」と思えるかも知れない。でもそれ
は使い始めの時の話しである。 どんなに伝わりの悪いロッドでも、使って
行くうちに人間の方がそれに慣れて来る。 使いこなすうちに神経が研ぎ澄
まされ、水中の情報がどんどん脳に伝わる様になって来る。 そしてその時
に伝わって来る情報量はどんな「感度の良い竿」と呼ばれているものから伝
わって来る情報量よりもとてつもなく多いのである。 つまり一番大事なの
はロッドの感度が悪いから情報が伝わって来ないのではなく竿を使いこなし
ていないから脳に情報が伝わって来ない、それに気付く事なのだ。

 もちろん、例外はある。 和竿の存在だ。 無論、個人の向き不向きは
あるだろうが、あるるが感じた限りカーボンロッドには無い感覚が存在する。
それは神経と竿の直結感。 ズカズカと竿に伝わった情報が神経に乗り込んで
来る感覚と言えば良いか。 少し乱暴に思える感覚さえ持っている。 自分に
合った和竿に出会い、それを初めて持った瞬間、使いこなしたカーボンロッド
に近い、もしくはそれを超える神経との直結感に出会える。 その感覚は鯨穂
によるモノと言うより、竹によるモノが大きいと思う。
 ただ、あまり和竿を他人に薦められないし、自分も和竿をなるべく封印する
事にしている。 購入しようとすれば値段が高過ぎる。 自分で作るにしても
高くつくし、折ってしまった時の代替が利かない。 竿は折れるもの、そう
考えるとリスクが高過ぎるのである。 年間通して安定しようとすれば、和竿
は封印する必要が出て来る。

 話しを元に戻す。 ロッドは使いこなせば使いこなす程、本人にとっては
使いやすいロッドとなるが、一本のロッドでどんな状況でもOKなんて言える
程カワハギは甘く無い。 穂先が軟らかくないと、どうやっても食い込まない
事もあるし、潮が速くて軟らかいロッドでは支えきれない、なんて事もある。
 そこで複数のロッドを用意する必要が出て来るのだが、人間ってのは凄い
もんで、それぞれのロッドを使いこなせていればロッドを変更してもその場
で対応できるもんなのである。

 だからと言ってもいきなり複数本を使いこなすのは難しいのも事実。
まずは一本、標準的なロッドで使い倒してみてもらいたい。 使っている
うちに視界が広がって行く事を実感できると思う。 そして「こうゆう時に
こうゆう竿がもう一本あったらなぁ」、そう思えたらそれに見合った竿を
一本、新調すれば良いのである。

 ちなみに2004年1月現在、メインで使用しているカーボンロッドは
以下の三本。

 ・Daiwa Analystar KAWAHAGI 210
 ・Shimano 幻風 浅場 180
 ・Alpha tackle CARBON MEDALIST 舟 210

 この三本の中で使った際に糸にまで神経が行き渡る感覚を得るまでになっ
ている竿は一本だけ、「幻風 浅場180」のみである。 また、カワハギ竿の
お勧めを一本、と言われれば同じく「幻風 浅場180」だ。 標準的カワハギ
ロッドに比べると「胴がしなやか」であり、イコール「バレにくい」という
事に特徴がある。 それでいてフニャフニャでは無いのだ。 カワハギ竿に
一番必要な性能に「胴に張りがある」と考えているのだが、最低限ギリギリ
といった所。 これが使いこなせれば大抵、売っているカワハギ竿は使える
と思う。 逆にこれ以上軟らかい胴を持った竿は完璧にフッキングさせる事
は難しいと思う。 そこで「練習用の竿」として最適だと思われるのだ。
高い竿を買うよりこの竿を2本買って欲しい。 そして使い倒して欲しい。

 竿は使いこなせてナンボ、である。

 迷うのも楽しいかも知れないが、一本を使い込む、その事が竿に魂を吹き
込む事になる。 一匹釣ったら魂が入る、そんな幻想は捨てるべきである。


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