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potential

いつも同じ仕掛け・道具で釣りをする、自分の釣りを確立する上で非常に大事な事だと思う。 ここではそんな話しを。

道具の使いこなし

Webなんかでも、魚を一匹釣った時点で「その竿に魂が入った」とする文言をよく見かけるのだが、書いた人が深い考えを持ってなかったにしろ、その表現はどうかと思う事がある。 サーキット一周走っただけでその車の挙動を完全に把握した、そんなイメージだろうか。

何を隠そう、今使っている竿(DAIWA Analystar Kawahagi 210)には苦労させられた。 冬の間は良かったのだが、春になって食い込みが浅い状況が多くなると途端にバラシが増えたのである。 バラシが多いと言ったレベルでは無いかも知れない。 22〜23cmの中型以上は全てバラシていたのである。 これには相当悩んだ。 多少重いといった些細な欠点を除けば、竿の調子・使いやすさ・使っているリールとのマッチング。 どれを取っても自分の理想に近い竿である事は間違い無い。 しかし、現にバラシてるのだ。 理由はその竿にあった釣り方が出来ていない、それは判っていたのだが、克服できないと竿を変えたくなってくるのは必然であった。 竿を標準的なカワハギ竿に持ち替えると釣れた、その事実が余計、その考えを加速させていた。

そうして悩んでいる時、親父から「竿交換禁止令」が出された。 竿を使いこなせずに乗り換える、調子の変わった竿でまた悩む、また竿を乗り換える、そんな「ダメ竿交換スパイラル」に陥っていては何時まで経っても上達はしないぞ、それよりもその竿を使いこなしてみろ、そういう事である。

流石にその効果が出るまでには時間が掛かったが、半年掛かってやっと竿に合った釣り方ができる様になって来た。 そればかりか、どっかから魚を拾って来る集魚力、竿を持つ手に無理な力が入らず同じ調子で釣りが出来る体力が身に付いた。 当然、釣果はアナゴ昇り ウナギ昇りである。

無論、その効果は竿のみの使いこなしによるモノではない。 エサもその時々によって品質や大きさにバラツキが出やすい生アサリを封印し、自作冷凍アサリを使い続けている。 エサが違ってくれば釣り方も違って来ると考えているからだ。 冷凍アサリを使った時に結果が出ないのは冷凍アサリでの釣り方をしていないからである。 同じモノを使って、って言う意味では針(種類・大きさ)も然り、ハリスの種類、仕掛けの寸法、集寄も然り。 ちなみにハリスは3号、幹糸との連結は直結でやる事にしている。 デカいカワハギを獲る、今後そういった目標を少しでも持つのであれば今のうちにそれに対応した仕掛けで慣れておく、当然の備えであろうと思う。

果敢に新しい事に挑戦する事も時には大切かも知れない。 ただ、それは「自分の釣りはこう」と言った基本があって初めて結果が判る話しである。 それ無しに工夫が成功したのか、単に活性の良い日だったのか、その判断を下すのは非常に難しいかと思う。

自分のイメージする釣りをするにはどんな道具が最適か、その辺の事を慎重に見極めた上で入手し、その道具のポテンシャルを最大限に引き出せる様に努力する。 道具の良し悪しを判断するのはそれからでも遅くないハズだ。


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