上の句（かみのく） ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・下の句（しものく）

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秋の田のかりほの庵（いほ）のとまをあらみ	春過ぎて夏来にけらし白妙の	下の句を選択してください ながなし夜をひとりかも寝む 衣ほすてふ天の香具山 わがころもでは露にぬれつヽ 白きを見れば夜ぞ更けにける 声聞く時ぞ秋は悲しき 富士の高嶺に雪は降りつつ わが身世にふるながめせし間に 世をうぢ山と人はいふなり 三笠の山に出でし月かも をとめの姿しばｈしとどめむ 人には告げよ海人（あま）の釣船 知るも知らぬも逢坂（あふさか）の関 わが衣手に雪は降りつつ 乱れそめにしわれならなくに 恋ぞつもりて淵となりぬる 夢の通ひ路人目よくらむ からくれないに水くくるとは まつとし聞かば今帰り来む 有明の月を待ち出でつるかな みをつくしても逢はむとぞ思ふ 逢はでこのよを過ぐしてよとや 紅葉の錦神のまにまに わが身ひとつの秋にはあらねど むべ山風をあらしといふらむ いつ見きとてか恋しかるらむ 今ひとたびのみゆきまつたなむ 人に知られでくるよしもがな 暁ばかり憂きものはなし 置きまどはせる白菊の花 人目も草もかれぬと思へば しづ心なく花の散るらむ 流れもあへぬ紅葉なりけり 吉野の里に降れる白雪 雲のいづくに月宿るらむ 花ぞ昔の香ににほひける 松も昔の友ならなくに あまりてなどか人の恋しさ 人の命の惜しくもあるかな つらぬきとめぬ玉ぞ散りける 末の松山波越さじとは 人知れずこそ思ひそめしか 物や思ふと人の問ふまで 身のいたづらになりぬべきかな 人をも身をも恨みざらまし 昔は物を思はざりけり くだけて物を思ふころかな 人こそ見えぬ秋は来にけり 行方も知らぬ恋の道かな さしも知らじな燃ゆる思ひを 長くもがなと思ひけるかな 昼は消えつつ物をこそ思へ 今日を限りの命ともがな いかに久しきものとかは知る なほ恨めしき朝ぼらけかな 雲隠れにし夜半の月かな いまひとたびの逢ふこともがな 名こそ流れてなほ聞こえけれ まだふみもみず天の橋立 かたぶくまでの月を見しかな いでそよ人を忘れやはする 人づてならでいふよしもがな よに逢坂の関はゆるさじ けふ九重ににほひぬるかな 花よりはかに知る人もなし 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ あらはれわたる瀬々の網代木 龍田の川の錦なりけり 恋しかるべき夜半の月かな かひなく立たむ名こそ惜しけれ かけじや袖のぬれもこそすれ 蘆のまろやに秋風ぞ吹く いづくも同じ秋の夕暮 あはれ今年の秋もいぬめり はげしかれとは祈らぬものを 外山の霞立たずもあらなむ 幾夜寝覚めぬ須磨の関守 われても末に逢はむとぞ思ふ 雲居にまがふ沖つ白波 ただ有明の月ぞ残れる 乱れて今朝は物をこそ思へ もれ出づる月の影のさやけさ 憂しと見し世ぞ今は恋しき 山の奥にも鹿ぞ鳴くなる 憂きに堪へぬは涙なりけり 霧たちのぼる秋の夕暮 かこち顔なるわが涙かな 閨（ねや）のひまさへつれなかりけり 濡れにぞ濡れし色はかはらず 忍ぶることの弱りもぞする みをつくしてや恋ひわたるべき あまの小舟の綱手かなしも 人こそ知らね乾き間もなし 衣片敷きひとりかも寝む ふりゆくもはわが身なりけり わがたつ杣（そま）に墨染のそで ふるさと寒く衣うつなり 世を思ふゆゑに物思ふ身は みそぎぞ夏のしるしなりける 焼くや藻塩の身もこがれつつ なほあまりある昔なりけり
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の	田子の浦にうち出でて見れば白妙の
奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の	かささぎの渡せる橋に置く霜の
天の原ふりさけ見れば春日なる	わが庵は都のたつみしかぞ住む
花の色は移りにけりないたづらに	これやこの行くも帰るも別れては
わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと	天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ
筑波嶺の峰より落つるみなの川	陸奥（みちのく）のしのぶもぢずり誰ゆえに
君がため春の野に出でて若菜つむ	立ち別れいなばの山の峰に生ふる
ちはやぶる神代も聞かず龍田川	住の江の岸に寄る波よるさへや
難波潟（なにはがた）短き蘆のふしの間も	わびぬれば今はた同じ難波なる
今来むといひしばかりに長月の	吹くからに秋の草木のしをるれば
月見れば千々に物こそ悲しけれ	このたびは幣（ぬさ）も取りあへず手向山
名にし負はば逢坂山のさねかづら	小倉山峰のもみぢ葉心あらば
みかの原わきて流るるいづみ川	山里は冬ぞ寂しさまさりける
心あてに折らばや折らむ初霜の	有明のつれなく見えし別れより
朝ぼらけ有明の月と見るまでに	山川に風のかけたるしがらみは
久方の光のどけき春の日に	誰をかも知る人にせむ高砂の
人はいさ心も知らず古里は	夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを
白露に風の吹きしく秋の野は	忘らるる身をば思はず誓ひてし
浅茅生（あさぢふ）の小野の篠原忍ぶれど	忍ぶれど色に出でにけり我が恋は
恋すてふ我が名はまだき立ちにけり	契りきなかたみに袖をしぼりつつ
逢ひ見ての後の心にくらぶれば	逢ふことの絶えてしなくはなかなかに
あはれとも言ふべき人は思ほえで	由良の門を渡る舟人梶を絶え
八重葎（やえむぐら）しげれる宿のさびしさに	風をいたみ岩うつ波のおのれのみ
みかきもり衛士（えぢ）のたく火の夜は燃え	君がため惜しからざりし命さへ
かくとだにえやはいぶきのさしも草	明けぬれば暮るるものとはしりながら
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は	忘れじの行末まではかたければ
滝の音は絶えて久しくなりぬれど	あらざらむこの世のほかの思ひ出に
めぐり逢ひて身しやそれともわかぬ間に	有馬山猪名の笹原風吹けば
やすらはで寝なましものを小夜更けて	大江山いく野の道の遠ければ
いにしへの奈良の都の八重桜	夜をこめて鳥の空音ははかるとも
今はただ思ひ絶えなむとばかりを	朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに
恨みわびほさぬ袖だにあるものを	もろともにあはれと思へ山桜
春の夜の夢ばかりなる手枕に	心にもあらでうき世にながらへば
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は	さびしさに宿をたち出でてながむれば
夕されば門田の稲葉おとづれて	音に聞く高師の浜のあだ波は
高砂の尾上の桜咲きにけり	憂かりける人を初瀬の山おろしよ
契りおきしさせもが露を命にて	わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの
瀬を早み岩にせかるる滝川の	淡路島かよふ千鳥の鳴く声に
秋風にたなびく雲の絶え間より	長からむ心も知らず黒髪の
ほととぎす鳴きつる方をながむれば	思ひわびさても命はあるものを
世の中よ道こそなけれ思ひ入る	長らへばまたこのごろやしのばれむ
よもすがら物思ふころは明けやらぬ	嘆けとて月やは物を思はする
村雨の露もまだひぬ槇の葉に	難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ
玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば	見せばやな雄島のあまの袖だにも
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに	わが袖は潮干に見えぬ沖の石の
世の中は常にもがもな渚漕ぐ	み吉野の山の秋風小夜ふけて
おほけなくうき世の民におほふかな	花さそふ嵐の庭の雪ならで
来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに	風そよぐならの小川の夕暮は
人もをし人もうらめしあぢきなく	ももしきや古き軒端のしのぶにも