天牢

 正方形ブロックを集積した形状の盤面と、四つ石製の駒を用いた卓上ゲーム。主に2名の対戦形式で行われる。

発祥:
 明代初期。羅漢中作の『三国志演義』が通俗小説として発表されるにともない、古代戦を模したテーブルゲームが多数考案された内の一つ。「天牢」という名称の出典は戦国時代の兵法書『孫子』に見られる。三方を山に囲まれた地の意。各駒は兵ではなく、戦地で流転する勢を表現すると言われている。

使用素材の変遷:
 駒は考案された当初から軟石、あるいは陶製と現在とほぼ変わらないが、盤面に使用されてきた素材は時代によって変化している。考案された当初は駒、盤面共に陶製がスタンダードであったが、駒に軟石が使われるようになると、盤面は青磁、竹、籐などと、様々な素材が使われた。しかし清代に日本に伝わり、日本で製作が行われ始めると、現在のような木製の盤面が主流となった。中国製との大きな違いは、盤面素材にツヤが無く、陶器や竹などのように光を反射しないことである。それにより「地智」を行えなくなり、日本特有の「座頭伺い」という技が考案されるに到った。

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