空の支配者
ジャン=クリストフ
(1960〜)

 五岳興アマ世界大会では常連のヨーロッパ実力No.1。旧ソ連、現在のベラルーシに生まれ、幼い頃はチェスを兄から習い、年齢別の大会では地区優勝の経験もあった。15歳の時にヨーロッパ伝統系の混沌之庭に出会いその魅力に取り憑かれ、やがて世界的に競技人口の多い五岳興を主戦場に選んだ。

 軍隊経験からその身体能力には定評があり、高い跳躍力を生かした空中戦は、背の低い東洋人にはとても対処できるものではなく、アマ大会でも大物食いとして大変警戒される人物である。特に1999年の15回大会の三回戦、タイ代表の実力派、「狂わぬ機械」ガミーニャ・チョーソとの対戦は歴史に残るものであった。緻密な展開でゲームを組み立てるガミーニャに対し、ジャンは早い段階で上三段を押さえ、堅固な守りの上からお構いなしに打ち込む陰陽札は、観客の中にまで怪我人が出るほど凄まじかった。結局勝負時間の5時間を使い果たしても勝負はつかず、数量規定によりガミーニャが勝ち上がったのだが、満身創痍のガミーニャの姿に、多くの人がジャンの恐ろしさを胸に刻む結果となったのである。

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