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第一段階


 それでは実際にやってみましょう。まず、紙とトランプだけでは、何をどう初めて良いものか分からないと思いますので、まずは多少のルールをご用意しました。まずは専用シートを一枚ずつ、目の前に置きます。そして五枚ずつ手札のトランプを配り、残ったトランプは二つに分けて山札として、各々の専用シートの宝箱が中央に書いてある枠に置きます。これで開始です。(*この暫定ルールは慣れるまでのものですので、慣れてからはご自由にトランプを配置して下さい。)

 まず最初はゲームをするというより「マイスナー将軍という架空のゲームで遊んでいる演技をアドリブでする」と考えて一通りやってみましょう。たとえばババ抜きのように相手の手札を抜いてみたり、ポーカーのように山札を何枚かひいてみたり、七並べのようにトランプを並べてみたり。思いついた事をとりあえずやってみるのです。もちろん相手の行動にリアクションする事を忘れてはいけません。「しまったあ」とか「その手があったか」とか「ふふ、ひかかったな」とか。この際演技力は問わず、三文芝居でも構いませんので、恥ずかしがらずにやってみましょう。対戦相手も同じ事をしているのですから誰に引け目を感じることもないのです。また、注意点としては、決して笑わないようにしないといけません。打ち合わせ無しのアドリブですから、相手がどんな予想外の行動をとるか分かりません。しかしどんな面白い行動をされても、そこで吹き出してしまっては雰囲気が台無しです。なぜなら、ゲームをしているという演技なのですから、相手の行動はその架空のゲームのルール通りのはずです。ルール通りの事をしているのに笑われる筋合いはないのです。ここはぐっと笑いを我慢して、真剣な顔で相手を睨んでおきましょう。

 しばらくやってみてゲームらしい雰囲気になってきたら第一段階はクリアです。頃合いを見計らってどちらかが負けを認めましょう。なぜ”勝ち”ではなく”負け”なのかというと、いくら演技とはいえ一方的に勝ちを宣言されるのは、負けにされた相手にとって気分のいいものではありません。ここは紳士的に負けを認めるという方法でけりをつけるのが最善の方法でしょう。しかしいきなり負けを宣言するのも困りものです。せっかくここまで雰囲気を作り上げてきたのですから、負けるときもそんな雰囲気を作ってから負けましょう。たとえば相手の手に「くそっ」と悔しがったのちに、悩んだあげくに不安そうにトランプを引く。そのカードをめくってみると最悪のカード(別に何のカードでも良いのですが)。もう打つ手無しという顔をして、「だめだ、もう勝てないや」といって負けを認める、といった感じです。


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