散歩とカメラと私
散歩と私
 天気が良い日に、ぶらぶらする。季節を感じながら、いつも通っている道にも歩くたびに新たな発見がある。そんな散歩が好き です。


カメラと私
1. 前OM期
 私が使ったはじめてのカメラは、KONICA FS-1+40mm F1.8でした。世界初のオートローディング&ワインダー内蔵ということで、かなりの意欲作だったようです。MFでシャッタースピード優先AE機です。
 このカメラは父の持ち物だったのですが、小学生の私によく貸してくれて、私もこのカメラで写真を撮ったりしてました。 そのとき撮った写真も残っていますが、結構、うまく写っているものもあります。
 中学で吹奏楽部に入ってからは、趣味は楽器、日曜も部活という感じで、ほとんどカメラにさわることがなくなりました。 その後もどこかに旅行に行くときに持っていく程度で、生活は吹奏楽部中心でした。
 そんななかで、高校のときくらいだったと思いますが、父がCONTAX T2を買ってきました。カメラに関する知識が ない私は、単なるコンパクトカメラとしてしか見てなかったのですが。その後、父はOLYMPUS CAMEDIA C-2000を買ったため、使わなく なったT2は私が就職により引っ越しすることになったとき気軽にもらってきてしまいました。


2. OMとの出会い
 就職して数年がたち、当時の彼女と旅行に行ったときのことです。彼女は自分の母のPENTAX MZ-Lを持ってきま した。私も実に10年ぶりくらいに一眼レフを使いました。そこで、また一眼レフを使いたいとちょっと思うようになりました。
 そんなときに、出版関係の仕事をしていた彼女が、ちょっと趣味としてカメラをはじめたいと思っている、なんていうもん だから、ますます自分も一眼レフを持ちたいと思うようになりました。で、早速、カメラ屋さんにカメラを見に行ったのですが、金属ボディでMFのカメラとい うと、結構、高いことがわかり、ちょっと躊躇してしまいました。
 そんなときにまたまた良いタイミングで、会社の先輩のW氏が、OM-4を譲ってあげようか、なんていうのです。当時の 私は、中古カメラ屋と骨董品屋の区別がつかないくらいの知識だったので、本当は新品が欲しかったのですが、カメラにあまりお金をかけるのももったいない し、ということで、W氏からOM-4を購入しました。
 このときはカビ付きの50mm F1.8をサービスでつけてもらったのですが、木管楽器奏者でもある私にとっては、カビというのは天敵で、他にもうつる恐ろしいもの、という考えが強く、 このレンズは早々に捨ててしまいました。すいません。>W氏
#ちなみにレンズのカビってやっぱりうつるものなのでしょうか?
 で、写真を撮るには何らかのレンズが必要だということで、そんなにレンズを買いそろえる気はさらさらなかったので、高 倍率ズームがあれば良いだろう、それもできれば新品のが欲しくて買ったのが、Tamron 171A MF28-200mmでした。が、ピントリングがすかすかで、すぐにいやになってしまいました。
 次に買ったのは、じゃ、新しめの純正の標準ズームということで、ZUIKO  ZOOM 35〜70mm F3.5〜4.5でした。これが中古カメラ屋ではじめて買ったレンズでした。
 この間、会社の先輩W氏、M氏ともに、単焦点の方が良いと勧めてくれていたのですが、この方たちは趣味としてカメラを かなりやっている人たちで、ちょっと写せれば良くてレンズを揃える気もない自分とは違うと思い、アドバイスをちゃんと聞いていませんでした。
 そんなとき先輩M氏が、折角、OMを買ったんだから、OMの良いレンズを試してみたら、なんて言って、OMのレンズを 貸してくれました。貸してくれたのは、28mm F3.5、35mm F2、50mm F1.4、MACRO 90mm F2。このレンズを使って、現像してみて、完全に参ってしまいました。
 それからは悔い改め、完全に路線変更して、きちんと単焦点を集めるようになりました。最初、OM-4を買ったときは、 ボディにレンズを合わせて7万以内まで、とか考えていたのですが………全く目論見が違ってきてしまいました。

3. やっと撮る話
 OM本を読みまくり知識を得た上で、レンズも揃え、ボディも新品を手に入れ、撮り始めたのですが………なかなか難しい ですね。

 難しいにしても、小学生のときよりも失敗が多いような気がする。………自分はこんなに写真が下手だったっけ?というほどに失敗が多かったのです。原因 は、FS-1はシャッタースピード優先AEで、絞り優先AEのOMに慣れていなかったため、スローシャッターになりがちで、手ぶれを起こしていたようで す。

 花粉症と梅雨の時期以外は、休みの日、といっても、仕事と楽器練習のどちらもないのは月に1日か2日程度なのですが、散歩にカメラを連れて行くようにな りました。そこで、今度はカメラバッグの追求が始まってしまったのですが………。

 ちなみに私のカメラ熱の発端を作った彼女は、今では妻になったのですが、仕事上、プロカメラマンと一緒に行動することが多く、自分でもカメラを持って いって撮ったりしているためか、全く私では相手になりません。

 機材はこっちがOMで、向こうはOLYMPUS L-5とかだから、機材の値段的にはかなりの開きがあるのですが、写真というのは機材の値段ではないことがよくわかりました。それにしてもL-5もよく写 りますね。あれでマグネシウムボディにでもして、塗装も黒にして、高級感も出したら、もっと売れるのではないかと思いました。


4. OM-4Ti BLACK購入
 結婚したときに何か長く残るような記念となるものを買おうと細君と決めました。私は、前に父所有のニコノスは、仲間か ら結婚祝いに送られたものだ、という話を聞いてたこともあり、私もカメラにしようと思いました。

 で、どのカメラを買うかというと、やっぱりOMのボディだと思いました。長く使えるという意味では、メカニカルシャッターのOM-3Tiの方が良いかと 思いましたが、当時は既にOMシステム販売中止後で、OM-3Tiは市場に無く、またAEも付いていないマニュアル機を使いこなせる自信も無かったため、 まだ在庫のあったOM-4Ti BLACKを購入することにしました。

 しかしちょうどOM-4Tiも品薄になっていた時期で、ポイントカードが使える店には在庫が無く、何件かカメラ屋に電話をしてやっと1台見つけ、早速、 買いに行きました。

 店に行くと「これがホントの最後です」みたいな張り紙があり、1台だけOM-4Tiの在庫がありました。もちろん、すぐに購入したのですが、その後、 OM-4Tiの流通が増えて、その1台は全く最後の1台ではなかったということは、あえて伏せておきたいと思います。

 このように購入したOM-4Ti BLACKですが、OM-4で不便に思っていた電池が持たないという問題も解決されており、その後は私の散歩のお供に欠かせない愛機となったのでした。


5. ポジに挑戦
 OMで趣味として写真を始めた当初から、やっぱり趣味でカメラをやるならポジが良いという話を、先輩W氏、先輩M氏に ついでに我が細君からも聞いてました。

 しかし、私にとっては未知な恐ろしい世界。露出は難しいと言うし、ルーペやライトボックスも必要だというし、だいたい、フィルムを出すときはなんて言え ば良いんだ?なんて考えて、なかなか踏み出せずにいました。

 それがアサヒカメラのベルビア100の紹介記事を見て、おっ、これは良さそう、なんて思って、ポジの撮り方を書いた本を買ってきて読んで、これはちょっ とやってみるかと思ったら、いても立ってもいられない。ルーペはプロ=我が細君も仕事で使っている堀内カラーのもの、ライトボックスは薄型でスライドも 作っているキャビンのもの、で、もちろんフィルムはベルビア100ということで、あっという間にポジに移行したのでした。

 初ポジは、折角だからどこかに出かけて散歩しながら撮ってこよう、と選んだのが、鎌倉。それも真夏。今年は冷夏でしたが、あの日は35℃くらい気温があ りました。

 そこへLoweproのオムニトラベラーを担いで、汗をかきかき、えっちらおっちら歩きながら撮ってきました。

 ヨドバシにフィルムを出すときも、ちょっと緊張しながら、細君に習った通りに、「スリーブでお願いします!」。ほとんど「はじめてのおつかい」状態でし た。

 で、その結果は………出来としてはまずまず。だったのですが、感動しましたね。ライトボックスに乗っけたポジの、光の強さ、美しさ。それからは、ポジに どっぷりとはまっています。

6. OM-1購入
 OMのボディでは、OM-2SPと、OM-1も所有したいと思っていました。OM-2SPはデザインがなかなか良いと 思っていて、OM-1はOMの初代だしメカニカル機のためいつまでも修理できるというところに魅力を感じてました。

 で、前から中古カメラ屋さんでチェックしていたのですが、OM-2SPは結構、人気があるのか、出物が少ない上にちょっと高めでした。OM-1の方はプ リズムが腐食しやすいという弱点を持っているそうで、なかなか状態のいいものがありませんでした。

 そんなときに、たまたま見た中古カメラ屋さんで、状態は結構良さそうなOM-2SPが、他の店の2/3くらいの価格で並んでいるのを見つけました。

 そこで、防湿庫の肥やしになっていた、Tamron 171A MF28-200mmを売ったお金でOM-2SPを買おうと思い立ちました。善は急げでネットで買い取り価格を見てみると、結構良い値段で売れることがわ かりました。

 こんなこともあるかと、元箱はもちろん、レンズが入っていたビニールから、値札から、ぜーんぶ取ってあったので、それを棚の奥から出して、レンズも防湿 庫の奥から出して、クリーニングして箱に詰めてカメラ屋に持っていきました。

 今回、初めて買い取りをお願いしたのですが、査定をしてもらうのは、結構、どきどきしますね。売るときは天井のライトに透かしてチェックする店員さんも 買い取りとなるとペンライトを持ち出して丹念にチェックしてました。で、待つこと5分で査定が出たのですが、見事、美品として評価が高かったらしく、予想 していた買い取り額の1.5倍のお金で買い取ってもらえました。

 で、見つけておいたOM-2SPを購入しようと置いてあるお店に行ったのですが、思ったより状態が良くなくて、OM-2SPはやめてしまいました。

 そのお店はOM-1の在庫がたくさんあったので、状態良いOM-1はないかと見たところ、なかなか良さそうなOM-1がありました。何台かチェックした うちの1台は、ファインダーもきれいだし、露出計も合っているようだし、外観もきれいだし、シャッターも良さそうということで、他のOM-1より割高だっ たのですが、購入を決めてしまいました。

 中古ボディをお店で初めて買うということで、緊張気味のまま、お金を払って持って帰ってきて、家で見てみたら………モルトが駄目になっていました。お金 を払うとき「委託品だから保証は付かないし返品はできないけど良いですね」と店員さんに念を押されたのですが、店員さんはこの状態に気づいていたのか なぁ。

 ということで、OM-1は早速、修理に出さなければならないことになりました。OM-1はモルトの腐食によるプリズムの腐食というのが弱点ということで すので、中身もしっかりと確認してもらった方が良いかな、と思い、ついでだからオーバーホールをしてもらうことも検討中です。


7. Bessaflex TM シルバー +Topcor 58mm F1.4購入顛末
 アサヒカメラを買ってきて、家でぺらぺらめくって見ていたら、ガツンと来てしまいました。それは、COSINA製の Bessaflex TM シルバーに復刻版Topcor58mm F1.4の紹介記事だったのですが、格好良い!………しかし10万は決して安くはないし、OMの充実に注力をしたいし、ということで、しばらく考えること にしました。

 その日からは、紹介記事を開いたままのアサヒカメラを居間に放置し、テレビを見ながらながめ、夕飯を食べながらながめ、さらにカメラ屋で既に発売されて いたBessaflex TM ブラックをいじって、と悩んだのですが………やっぱりあのスタイルにやられてしまい購入することにしました。

 早速、ヨドバシカメラに行って、予約を入れて待つこと1ヶ月………発売日の前々日にヨドバシから電話がありました。発売日はまだなのになんで???と電 話に出たら、なんと既に入荷したとのこと。その日は楽器の練習があったのですが、それまでにはまだ時間があったので、すぐに引き取りに行ってきました。

 その日の練習が終わったらそそくさと家に帰り、箱を開いてみて………良いですねぇ。思っていたとおりの質感です。空シャッターを切ってみると、さすがに OMに比べてしまうと落ちますが、なかなかの操作感でした。

 ところが………ここで問題が………。実はまだ細君に買うことを言ってなかったのです。細君も練習に行っていて、あとから帰ってくることになっていたの で、まぁ、ひとことふたこと言われることを覚悟して、そしらぬ顔をして居間の机に置いておきました。

 で、細君が帰宅したのですが、机の上のカメラに気付き、「あっ!またカメラ買ったんだ!!」と始まりましたが、次の言葉は………「かっこいい!私も欲し い!!」

 まさかそうくるとは思いませんでした。もう1台買うとか言い出すので、さすがにこのカメラ、このレンズをもう1組揃えるのはどうかと思って、「マニュア ルのカメラが欲しいなら、OMを買ったら?OMならレンズもたくさんあるから貸せるし、ボディを買うのに援助もしてあげるよ」と説得し、中古カメラ屋に見 に行きました。

 でも、どうもBessaflex TM シルバーが良いらしく、もう1台買うと言ってやみません。で、最終的にどうなかったかというと………私のBessaflex TM シルバーをそのまま譲ることになってしまいました。まさか購入3日目でこんなことになるとは………。

 それから、Bessaflex TM シルバーは、細君の仕事に同行したり、一緒に散歩にでかけたりと、かわいがられているようです。

8. フィルムスキャナー購入
 うちにはスキャナーが2台あります。1台は細君が使っていたEPSONのスキャナーで、透過原稿は使えないもので、今 は押し入れの奥にしまわれていて、近いうちに私の妹の家にもらわれていく予定のモノ。もう1つはCANONのCanoScan 8000Fで、透過原稿もOKでほこりとかごみが写らなくする処理機能も持っているモノです。

 カメラを持ち歩く様になって、仲間の写真とかを撮ると、写っている仲間に写真をあげる、という工程が生まれるのですが、実は面倒くさがりの私は焼き増し するのが面倒で、焼き増ししたとしても配るのが面倒で、うっちゃっておくことが多いので、これではいけないと思い、フィルムをスキャンしてネットで配ろう と思いました。

 そこで細君も素材を取り込んだりするのに良いスキャナが欲しいということだったので、CanoScan 8000Fを新調したのですが………フィルムのスキャンがいまいち。これは納得行かない!ということで、Bessaflex TM シルバーも取られてしまったことだしと、フィルムスキャナーの購入を考えたのでした。

 候補にあがったのは、コニカミノルタのDiMAGE Scan Elite 5400と、NikonのCOOLSCAN V ED、そしてちょっと高いけどSUPER COOLSCAN 5000 EDも比較対照としました。

 しかしフィルムスキャナーというのは、なかなかその性能がわからない。数値性能は仕様に載っているのでわかるのですが、ホントにどこまで良い絵が取り込 めるのかわからないし、そもそも現品が全部展示されている店も少ない。

 で、いろいろな店でどんなもんか聞いてまわったのですが、フィルムスキャナーに詳しい店員なんてほとんどいないし、ホームページもいろいろと見てみたの ですがよくわからないし、という状態でした。その中で、COOLSCAN V EDは原低のためかとても安っぽい外装が気に入らず、候補から落ちました。あとはElite 5400か、COOLSCAN 5000 EDかですが………いましたね。フィルムスキャナーに詳しい店員が。

 ビックカメラの店員さんですが、自分も写真を撮るらしく、フィルムスキャナーに非常に詳しい。「COOLSCAN 5000 EDは高いけど、レンズは良いし、その値段分の価値はある!」という言葉に納得して、予算はオーバーしていましたが、COOLSCAN 5000 EDを購入してしまいました。

 このフィルムスキャナーは、ちょっと高かったけれど、良い買い物をしました。

 画像のきれいさももちろんですが、読み込みの速さが素晴らしい。前はフィルムをセットしたら、しばらく本を読んで待っていたものですが、どんどんと読み 込んでくれます。

 あと、このスキャナーには、35mmフィルムをマガジンにセットすることなく直接スキャナに突っ込めるローディング機構が付いているのですが、これがま た便利です。今までは神経を使いながらマガジンにセットするのですが、フィルムに曲がりぐせがついていてなかなかうまくセットできなかったりしていらいら したりしていたのですが、そういう作業を全くしなくて良いというのは助かります

 と、このようにどんどんスキャンできるので、前まではスキャンが終わったらもう疲労感以外は残っていないという状態だったのですが、このスキャナを買っ てからは精神的余裕も生まれる、というものです。

 それがそのまま良い写真につながると良いのですが………写真の腕はそうは簡単にはあがらないようです。

9. OM-1修理
 中古で買ったOM-1。外装はなかなかきれいだったのですが、モルトは駄目になっていたので、修理に出さなければなら ない状態でした。

 折角、修理に出すのだから、ぜーんぶ見てもらおうと、関東カメラサービスにオーバーホールということで出すことにしました。

 ついでにOM-1の暗いスクリーンを、明るい2-13に換えてもらえないかと相談したところ、2-13の現品をもってきてもらえれば付け替えますよ、と のありがたいお言葉。スクリーンの交換もお願いしました。

 待つこと2ヶ月。きれいになって帰ってきました。動きもばっちり、ファインダーもさらにクリアーになりましたし、スクリーンは明るいし、シャッターの切 れも良いし、音も良い。

 それにしても30年も昔のカメラが、きちんと動くんですからすごいですね。これからはこのカメラもどんどん使って行きたいと思います。

 ………ところが、使っていて3ヶ月目に、セルフタイマーの基部にある丸いカバーが割れてとれてしまいました。ガビーン。



(続く………かな?)



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