これから初めて山へ行こうとする方へ!

《はじめに》
 

●ウオーキング・ハイキング・登山

 私は、登山はズブの素人であったが、リタイヤして5年間の間に130の山を超える山に登った。山と名の付くものは、たった5mの高さしかないのに有名な「天保山(大阪港から神戸行きのフェリーの発着所)」から3000mを超えるアルプスの峰々まで、日本には5マンと山がある。どれも登山である。

では登山とハイキングとどう違うのか。ハイキングとウオーキングとどう違うのか。私は基本的には同じものと思っています。ウオーキングシューズを履いて歩き出せばウオーキング。グループで歩けば「歩く会」。ウオーキングに勾配のある坂や山を組み合わせればハイキング。一つの山或は複数の山を登ることを目的に歩けば登山となる。問題は歩行時間と体力の差である。

●体力の差と歩行時間

 人は生まれながら、或はその後の生活環境(訓練)により、歩ける体力に差がある。距離を一定にすれば早く歩ける人、時間のかかる人。時間を掛ければいつまでも歩ける人、歩けない人。平な所は平気だが、登りになると動悸が激しくなり耐えられない人。登りは他人並だが下りは膝に堪えて苦手な人。

 一人でカメラをぶら下げ散歩する場合、花があれば立止まり、良い景色に出会えばハイパチリ。芸術写真を撮ろうと時間を費やすことも平気でするが、グループで歩く場合は自ずから制限が出てくる。

 私は時間さえ掛ければ、どんな登山でも目的は達成されるものだと思います。ただグループで歩く場合、計画したコースを計画の時間内で全員が達成できることが「グループ」の意義だと思います。だからグループ内ではなるべく体力に差のない人達で構成されていることが重要となります。

 

 中高年を主体に構成する我々の「山水会」では、大体の体力差を次のように分類して自己申告してもらい、今回は何々から何々クラスの登山だと目安を立て、個々の計画を発表しています。

 A)家族向き3時間は歩ける 誰でも安心して歩ける広い安全な道

 B)初心者向き 4時間 しっかり整備された道、多少の急坂もあるが、転落などの危険は殆どない

 C)一般向き 5時間 道幅はやや狭く、急登降もある。コース中に、ガレ場・崖など転落の危険性のある場所が多少ある

 D)やや健脚向き 7時間 歩程長く、痩せ尾根、鎖、梯子などもある道多少の岩登りの経験を要す

 E)健脚向き 8時間以上

 

●リーダーとサブリーダー

 2、3人で歩く場合はお散歩の延長で良いが、7〜8人とか、20人を超えるグループで歩く場合では状況がまるで違ってきます。リーダーは体力の最も弱い人に基準を合わせ、その日の登山計画を立て実行する。だからその日の登山構成メンバーにバラツキが大きいと苦労します。全員を計画通りに、危険にさらさないように配慮しなけらばならないからです。

小さくても登山の場合、全ての決断はリーダーが行い、全員を計画通りに下山へ導きます。頭とシッポであまりに開かないよう休憩時間を考えます。

常にコースと時間を頭にいれて指示を出しているのですから、参加者は勝手に休んだり、勝手に花を撮りに行ったり、景色を撮りに行ってはいけません。どうしても写真を撮りたい時は申し出てOKを貰うこと。

普通サブリーダーが先頭を歩き、リーダーは最後から全体の状況を見ています。

●地図と時間割り(天候予測と決断)

 山に登る場合、必ず幾つかの登山コースがあります。リーダーは参加者の構成を考慮して登山計画を立てます。どのコースをどの位の時間を費やして登るか。

必ず2万5千分の1位の地図を添付して計画を発表します。1kmは地図の上では4cmです。等高線の細い実線の間隔は10m、実線が5本毎ある太い線は50m間隔を表します。ヒダの集っている所は急で、ヒダの粗い所はゆるやか場所(高原)を示しています。ゆるやかな所の外れにヒダが多くなっている所は落込んでいる崖と思えばよい。

リーダーはどのような天候になりそうか予側し、状況が変れば色々な決断をします。場合によっては中止も決断します。

 次に装備品について述べます。私は登山で一番大切なのは靴だと思っています。靴が悪いと足を痛め歩けなくなります。その次は雨具、山はいつ雨になるか判らないので雨具は常に持ち歩かなければなりません。
 

《装備品について》

●最も重要な靴  先ず履き慣れた靴で歩きましょう。新品をいきなり下ろすのは危険です。靴が合わないとマメが出来ます。ブカブカの靴は爪が全部やられてしまいます。

軽登山ならくるぶしの下だけのウオーキングシューズでも良いが、それ以上の登山では足首までカバーされた靴にしましょう。足首まである靴は下山の時、体重はクルブシ辺りで止まり、爪がやられるのを防ぎます。

低山歩きでは簡易防水機能を備えた軽い靴でもOKですが、2000mを超える山に挑む時は、完全防水で靴底が硬く折れ曲がらない靴にしなければなりません。

水が沁み込むと凍傷にかかったり、ふにゃふにゃの底の靴では岩のデコボコが足の裏に伝わり、足の裏に大きなマメが出来て歩けなくなります。

小さ過ぎても大き過ぎても駄目です。新品を買う場合、つま先まで足を入れてみて、踵側に指が2本ほど入るものに決めましょう。登山ではマメ対策に薄い靴下の上に厚い靴下を重ねて履いたりしますので、中に一寸の遊びがなくてはなりません。
 

●雨具は必携品です

 山では急に天候が変ることがしばしばあります。予報は晴なのに急に雨が降ることは珍しいことではありません。だから常時雨具を携帯して歩きます。

雨になると尾根では大抵突風が吹いています。だからマント式の雨具は不向きです。上着とズボンのセパレートタイプを選びましょう。出来ればゴアッテクスの発汗と防水を兼ねたものがベターです。

ザック全体を覆うザックカバーとスパッツも必携品です。シッカリした小型携帯傘も時には便利です

●下着・シヤッツ・ズボン

 登山では歩き出しは寒くても直ぐに汗をかきます。直ぐ暑くなるのですから歩き出しから厚着はしない方がよろしい。一方寒い時期では止まって休憩をすると汗がひんやりしてきてその内寒くなります。この調整は上に羽織るものの着脱で頻繁に行うことが大切です。

夏は汗のかき通しですが、夏も冬も肌着は速乾性のものを着ましょう。その上に着るものは長袖の襟ありシャッツが適当です。長袖は紫外線除けになったり、草や木の枝から肌を守ります。

冬期ではその上にセータやブレーカー(防風防寒着)を着て寒さを防ぎます。ズボンは雨さえ降らなければ木綿でもよいが、木綿は水を吸収するので登山用は化繊の混紡か毛のものを着用します。濡れると寒くなり、寒いと体力を急激に消耗させます。
 

●あとどんな物が必要か

 登山計画書(ガイドブック)、地図、コンパス、時計、高度計、筆記用具、健康保険証の写、タオル、帽子、サングラス、ラジオ、ホイッスル、残雪用アイゼンetcが無雪期の軽登山で数えられますが、次のザックの大きさとの関連して述べるものにも注意をして下さい。

●ザックは何Lが良いか

 食糧と水と雨具は必携品ですが、水は十分に用意して下さい。副食品の他非常食として一日に付き一食分。救急薬としては外傷薬、内服薬(常用薬)、バンドエイド、湿布薬、虫よけスプレー、日焼け止め。水溶性のトイレットペーパー。

手袋は低山では軍手でもよいが、2000m以上になると毛のもの、更にオーバー手袋も欲しい。

山小屋ではなく、避難小屋泊まりでは懐中電灯(ヘッドランプ)の他コッヘル一式と食糧原料が必要となる。

 大雑把に日帰りなら25L〜30Lでよいが、一泊山行では35L位が適当。大は小を兼ねるが、サブ・ザックを兼ねるような2種類あった方が便利である。

ガムテープやヒモ類が意外と役立つ時がある。ザックカバーが強風で飛ばされそうになったり、接着タイプの靴底が剥がれた時など威力を発揮します。

ポリ袋、ゴミ袋になる他、雨に遭うとザックの隅々まで雨が浸透しているもの、そんな時全ての物をポリ袋で覆い雨の進入を防げます。

●ストックについて

 ストックは上手に使えば楽ではあるが、場合によっては邪魔にもなったり、事故に繋がったりするので注意。

登りには体重を預けて楽であり、下りではバランスを保つため使うのは良いが、余り体重を預けると継ぎ目が急に縮んで墜落事故が起きている。

長短長さを変えて杖に出来るのがミソだが、思わぬ時に継ぎ目が急に変る可能性のあるものだということを十分認識しながら使わなければなりません。登りの岩ばかりの道ではこんな邪魔なものもありません。
 

《伍して歩くために》
 

●付いて歩ける事

 グループ登山では皆さんに付いて歩ける事が重要です。二日酔気味で歩けなくなるなどは論外、最高の体調になるよう2、3日前から気をつけましょう。

●荷は出来るだけ軽くしよう

 上述装備品を全部揃えたら大変は重さになります。当日の登山計画を見て必要最小限になるようトコトン吟味して下さい。カバー付き地図さえカバーを置いて行く位吟味して下さい。

●自分の事だけ考えればよい
 
 よく同行者が喜ぶからとか他人のための副食物を沢山詰込む人を見かけますが、それで自分が疲れて歩けなくなれば余計他人の重荷になるのです。

●体重を減らそう

 太っている人は自分の体重を10kg減らすことが出来れば、10kgの荷物を置いて行くことに匹敵します。日頃鍛えて余分な体重はなるべく減らして置きましょう。

●カメラは結構重い

 立派なカメラは結構重いもの、それに三脚を携帯すると大変です。そのような山行は「写真山行」に切り替え、グループで行く時は遅れないようコンパクトカメラで我慢しましょう。

 
《事故・責任・保険》
 

 会の定例山行では、大抵一回500円程度の傷害保険に強制加入して参加しますが、事故発生の時は会として適切な処置をとり、極力援助はするが、一切の費用は事故者の負担となります。

500円程度の傷害保険ではヘリコプターの出動費用はカバーしておりませんので個人負担は巨額になる可能性があります。飽くまで全ては自己責任ですから注意して下さい。

同好会のリーダーやサブ・リーダーは大抵がボランテヤでやっており、登山の帰着まで全責任は負っていますが、事故の責任までは負っていません。そこまでやらせるならリーダーになってくれる人はいなくなります。

 

《会の山行を楽しいものにするために》

 我が「山水会」では、年間8回程度の年間計画を年度始めに発表します。内一泊山行は2回程度で夫々の山行リーダーとサブ・リーダーも同時に発表。

4ケ月に一度の割合で「交流会」を開き、終了山行の報告、と近い将来の具体山行計画を発表して質疑を行います。写真の交換やら雑談やらで、帰りにはビールを12杯呑んでお開きにします。

 山水会ではパソコンでやりとり出来る「掲示板」を持っており、山行が終れば皆さんが得意の写真を公表し合って楽しんでいます。ご興味があれば下記「シニヤステージ」の17番目「山水会」を開いて見て下さい。以上

http://senior60.hp.infoseek.co.jp/
 
 

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