プリンセス・クエスト


「ウルティマ」タイプのRPGゲームではあるが一風変わっている。

やたらに広いワールドマップや覚えきれないほどの町の数、迷宮にはいると3Dダンジョンになる点などは「ウルティマ」そっくりであるが、やはり本家には及ばない。
なぜか・・
それは食糧問題が深刻だからである。
常に食糧不足に悩まされるので本筋のストーリーにのめり込めないんだな。しかも迷宮に入ろうものなら食料のほかに「たいまつ」の心配までしなければならないので、とてもじゃないがゆっくり探索している暇はないのだ。
リアリティを演出したかったのだろうが、この常に追い立てられているような設定が大失敗だったと思うぞ。
これがなければ人物設定の細かさや様々な種類の魔法をはじめ良質のRPGと言えたかもしれないが残念。

もう一点の残念な点は序盤でキャラクターを育てるのが非常に辛い点である。
前述の食糧問題に加えて何をするにもお金が足りない。満足な武器や防具が買えないものだから戦闘が辛い。窮余の策で城内や町にある宝箱を開けたり、お金を盗んだりしたら城内の戦士や衛兵が攻撃してくるようになってしまう。
それでも貴重なアイテム等が手に入るのでつい宝箱を開けてしまい必死になって逃げている図はとてもこの世界を救うために動いているパーティとは思えません。(笑)
これもこのゲームのリアリティの一つであるといえるがこれも失敗ではないだろうか。

この序盤を乗り切りパーティがある程度成長してくれば食糧問題以外は楽にはなるのであるが、ここまででめげてしまった人もけっこういたのではないだろうか。

このゲームは壮大な物語の第一章であるとマニュアルに記載されているが、その後続編が作られなかったのは商業的にあまり成功しなかったのかもしれない。
FMシリーズのみの発売で当時からかなりのシェアを誇ったNEC88や98シリーズ版がリリースされなかったのが原因かな。

このゲームでは使えない二章以降のアイテムが登場したりするので構想は十分練られていた筈なのに残念である。





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