電脳山荘殺人事件 1996年4月15日第1刷
天樹征丸 マガジンノベルス 800円 ISBN4-06-324311-7

小説版金田一少年の事件簿、第三弾。
原作であるコミック版を読んでいなくとも楽しめますが、読んでいればなお楽しいこと請け合い。もちろんストーリーは小説オリジナルです。

「吹雪の山荘」ものであるというだけで私的に評価高い上、そこに集まるのがパソ通上で知り合ったハンドルネーム以外何も知らない者達というこれまた私好みの設定。
綾辻氏の「十角館の殺人」では同好会のメンバーがニックネームでお互いを呼びあう設定だったけど、実はちょっと違和感あったんですよ。こちらの場合は私もパソ通やっているもんで違和感なし、というか自然に感じてしまう。もちろん、そういうのをやっていない人がこのミステリーを読んだら信じられないだろうと思うなぁ。
特にわざわざ山荘に集まったのに、別々のコテージでパソコン使ってチャットするなんて理解不能だと思うぞ。

さてストーリーはというと、吹雪の山荘で起こる連続殺人事件。犯人の「本名」はわかっていて、終盤「読者への挑戦状」付きとサービス満点の構成であります。

ただ、さくさくと面白く読めるんですが、犯人の意外性という点では前述の綾辻氏や他の本格物作家のミステリーを読んでいると驚きは少ないです。登場人物がハンドルネームを使っているということで、いろいろと想像できてしまうもんなぁ。しかも、金田一と七瀬はこの場合犯人ではないだろうから、探偵役が犯人という手法も使えないしねぇ。
でも、私はコミック版よりも小説版の方があうみたいなので、他の小説版金田一も読んでみよう。(^^)

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