雷祭殺人事件 1998年6月24日第一刷
天樹征丸 マガジンノベルス 760円 ISBN4-06-324329-X

小説版・金田一少年の事件簿、第6弾。
今回は、単行本タイトルの中編一本と短編二本の三話構成です。

「雷祭殺人事件」
ワンアイデアものですね。今までの小説版金田一に比べると物足りない感じがします。導入部や「雷祭」などの描写は雰囲気上々で好きなんですがぇ。これからというところで終わってしまうような感じなんです。結末も読めてしまうしなぁ。
この話は小説よりむしろコミックの方が合っているように思うぞ。

「共犯者X」
うーん、どうしたんだろう。
アイデアは面白いんだけど、こんなの金田一君の推理に頼るまでもないと思うぞ。
うまく話を進めてはいるんだけど、どうしたって不自然です。
これはコミックにしたらもっと不自然さが際立ってしまうような気がする。

「迷い込んできた悪魔」
サイコミステリー調の導入部、そして文字通り吹雪の山荘、と魅力的な設定だったんですが、短編ということもあり、あっけない結末。
ページ数増やして各人物を掘り下げてもう少し盛り上げてくれれば、かなり面白かったと思うのだが・・
ラストで明かされる、ある登場人物の本名には大笑いでした。

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