●凡て[昔隹]山の首、招搖の山より以って箕尾の山に至るまで、凡て十山、二千九百五十里也。其の神の状は皆鳥身にして龍首。其の之を祠る禮には毛をなし、一璋玉を用いてうずめ、ショに[禾余]米を用いる。一璧と稲米、白菅を席と為す。【南山経首】
[昔隹]山(招搖山から箕尾山までの山岳地帯)に棲む山神。
この神をなだめ、まつるための祭祀方法が、ここでは同時に指南されています。それによれば、供え物として毛(けもの)と璋玉(しょうぎょく)、もち米、うるち米、璧玉(へきぎょく)を地中に埋め、神の降りる座として白い菅(すげ)でムシロを作るように、と記されています。
(或いは、「供物を置く座として白菅のゴザを使う」とも解釈可能)
人々は有用な植物や鉱物などを採るため、神々や精霊の棲む山に分け入る時には、このようにして供物を捧げ、主である山神の許しを請うてから入山したのではないでしょうか。