●獣有り、其の状は羊の如くして口無く、殺す可からざる也。(気を稟けて自ずから然り也)其の名は[羊患]。【南次二経】
字形参照:[羊患]
南山の洵山にいる獣。口のない羊のような姿をしています。
この獣は、天地の気を受けているため、死ぬ事はなく、殺す事もできないとされています。一見超自然的に思えますが、[羊患]にとっては、それが普通で自然な事のようです。
中国の古代思想では、天地の気は巡り続け、留まる事がないとされています。この自然のサイクルとリズムに逆らう事は、寿命を縮めて死に近づく事であり、逆らわないようにする事が養生長命の秘訣であるとされていました。
[羊患]は、生まれつきその循環に全く逆らっていないため、天地と等しい寿命(つまりは無限の寿命)を得ていると考えられていたのでしょうか。