●獣有り、其の状は人の如くしてテイ鬣、穴に居して冬は蟄す。其の名を滑カイといい、其の音は木をきるが如し。見すれば則ち縣に大ヨウあり。【南次二経】
南山の尭光山にいる獣。
人間のような姿ですがイノシシのような毛を生やしており、木を切る音のような声で鳴くといいます。
また、ふだんは穴の中に住んでおり、冬には冬眠するとされています。
この獣が姿を見せた時には、その地方の民に大きな労役が課されると言われています。
また一説では、「大ヨウ」のヨウは労役の意ではなく、「揺れる」の意であるともされています。
これを加味して考えると、滑カイが現われるという事は、大規模な労役が課せられるために、その地方が乱れる前兆であると言えるでしょう。