蠱雕(こちょう)

蠱雕

●澤更の水(中略)に獣有り、其の名は蠱雕。其の状は雕の如くして有角、其の音は嬰児の音の如し。是人を食らう。【南次二経】


 南山の鹿呉山から流れ出る川、澤更の中に住む獣。
 雕(尾が大きく羽の長い、鷹のような鳥。一説では鷲)のような姿ですが角があり、人間の赤ん坊が泣くような声で鳴くといいます。人を食らう妖怪です。

 姿形についての説明を読む限りでは、蠱雕は獣というよりも鳥に分類した方が良いように思われます。
 しかし現存している『山海経』の図録では、蠱雕は鷹の羽のような模様の毛皮を持つ「獣」として描かれています。「獣有り」の語を原典として重視したか、所謂「伝言ゲーム」で絵を描いたためでしょう。

 ちなみに、小野不由美著『十二国記』では、鳥の姿の蠱雕が登場しています。

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