[此/魚]魚(せいぎょ)

●チョウ水(中略)中に[此/魚]魚多し。([此/魚]魚は狭頭にして長頭、大なる者は尺余。太湖中に今も之おおし。一名刀魚)【南次二経】

字形参照:[此/魚]、セイ/チョウ


 南山の浮玉山から流れる、チョウ水の中にいる魚です。(チョウ字は草かんむりに召)
 別名は刀魚(とうぎょ)。大きな物は体長25cmを越えると記されています。チョウ水の他に、太湖(現在でも蘇州市の西方に広がる湖)にも生息しているようです。
 この魚は、正確には「異形のモノ」ではありません。実在するカタクチイワシ科の魚で、和名はエツ。日本では有明海の一帯に多く見られる魚です。

 …記憶が定かではないのですが、非常に細長く鋭い頭部を持ち、高速で泳ぐ(海上を飛んでくる事もあるらしい)ため、かなり危険な魚だったように思います。海上の船や泳いでいる人と衝突し、船に穴を空けたり、人に刺さって大怪我をさせたりする事もしばしばだ、と聞いた覚えがあるような、ないような…

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