●怪水ここより出で、東流して憲翼の水に注ぐ。其の内に玄亀多し。其の状は亀の如くして鳥首キ尾、其の名を旋亀という。其の音は木を判くが如し。之を佩すれば聾せず、以って底を為するべし。【南山経首】
南山の[木丑]陽山(ちゅうようざん)にいる獣。
[木丑]陽山の川・怪水の水中にいる、鳥の首(頭)とマムシの尖った尾を持つ黒い亀です。木を割るような声で鳴くといいます。
旋亀を身につけていると、聴覚障害を防ぐ事が出来、また手足にできたタコを治すのに都合が良い(一説では、病を治す事ができる)とされています。
前者の効能は何に由来するのかは分かりませんが、後者を「タコを治すのに都合が良い」という解釈にした場合、現在なら風呂場の軽石を使うような感覚で、当時は亀の甲羅がヤスリとして使われていた事がうかがえます。