●鳥有り、其の状は鴟の如くして人手、其の音は痺の如し。其の名は[朱鳥]。其の鳴は自ら號するなり。見すれば則ち其の縣に放士多し。【南次二経】
南山の[木巨]山にいる鳥。
鴟(シ、トビの意)のような姿ですが、人の手を持つ(足が人の手のようである)とされています。
痺(ヒ、未詳)のような声で、「シュ、シュ」と鳴きます。この鳴声が、[朱鳥]の名前の由来となったと考えられます。
この鳥は、誰かが追放される前兆であるとされています。
[朱鳥]が現われた地方では、遠からずそこの士人の誰かが、無実かどうかに関係なく追放されてしまうと信じられてきたようです。