battle19(10月第2週)
 
[取り上げた本]
 
1 「長靴をはいた犬」   山田正紀                        (講談社)
2 「マニアックス」    山口雅也                        (講談社)
3 「漂流街」       馳星周                         (徳間書店)
4 「十三番目の陪審員」  芦辺 拓                        (角川書店)
5 「燃える地の果てに」  逢坂 剛                        (集英社)
6 「大蛇伝説殺人事件」  今邑 彩                        (光文社)
7 「塗仏の宴 宴の始末」 京極夏彦                        (講談社)
8 「猿来たりなば」    エリザベス・フェラーズ                 (東京創元社)
 
 
Goo「おめでとうございます」
Boo「いや〜、ありがとうありがとう! 積年の胸の閊えがさっぱり取れて、今日の私はとてもいいヒトだぞ」
Goo「なんつったって、横浜さんが優勝したのは38年ぶりだそうですからねえ」
Boo「私の生まれる前の話だもんねえ」
Goo「まあ、そういうことにしておきましょう。さ、今日は数が多いんでサクサクいきますよ!」
Boo「ほいほい。で、トップはなに?」
Goo「いきなりヘビーなんですが、山田さんの新作、「長靴をはいた犬」です」
Boo「ああ、「神曲法廷」につづく神性探偵・佐伯神一郎シリーズの第二作ってやつね。これってダンテの「神
  曲」をモチーフにした3部作になるとかで、今回のそれは煉獄篇だそうね。まあ、あいかわらずの勘違いシ
  リーズだけどね」
Goo「ayaさん、今日はいいヒトなんじゃ……」
Boo「そうだよ、とぉってもいいヒト。だけど真実は曲げられないのよね〜」
Goo「やれやれ。……で、お話の方ですが、時を置いて発生した通り魔殺人とその地域に伝わる「犬男」の都市
  伝説。これらが絡まりあいながら進む物語は、「神曲法廷」に比べればずいぶんとボリュームも抑えられて
  読みやすくなっていますね。骨格となっている本格ミステリとしてのアイディアもユニークで、よく考え抜
  かれていると思います」
Boo「そうね、やたら仰々しく重ったるい夾雑物を取り除けば、そういえるかも知れない。でも、やはり相変わら
  ず作者は「本格ミステリ」というものを誤解しているように思えてならないわね」
Goo「というと?」
Boo「うん。作者いわくこのシリーズの狙いは「SFのテーマをミステリでやる」ことだそうだけどさ、そもそも
  作者の考えるSFのテーマちゅうのが良く分からないのが一点」
Goo「そうですかね。「SFのテーマをミステリでやる」ってのも、コンセプトとしては、それほど悪いモノだと
  は思えないけどな」
Boo「どちらにせよそれは本格ミステリにとって「余計なもの」以外の何ものでもないわけよ」
Goo「またまた、コロモ理論?」
Boo「例によってね。しかも作者はコロモがニクだと思っているキライがあってさ。そういう意味では、これは山
  田正紀流の京極風本格なんだろうね。ただし京極のコロモがまだしもミステリと相性がいいのに比べると、山
  田さんのコロモはおっそろしく相性が悪くて、お互いに持ち味を打ち消しあっているのが困りものよね〜」
Goo「う〜ん。たしかに必要以上に仰々しく重ったるい雰囲気はありますけどね」
Boo「神の啓示とイマジネーションで謎を解く「神性探偵」という存在もいっそ「イロモノ」と考えれば面白いか
  もしれないんだけど、困ったことに作者はマジらしくてさ。いろいろな意味で「困った」作品だったりするわ
  けよ、これが」
Goo「う〜ん、確かにね。ミステリにはある種の軽み(軽薄さではない)というか、洒落っ気みたいなもんも大切
  ですからねえ」
Boo「山田さんの、いつもマナジリ決してる感じが鬱陶しくて仕方がないのよね」
Goo「肩の力を抜いて書いていただくと、いいかもしれませんね。じゃ、そろそろ次です」
Boo「ふむ。山口さんか」
Goo「本格ミステリの極北から前衛への道を突き進む作者の最新短編集!ってやつですね。タイトル通り、蒐集家
  たち、映画狂たち、再び蒐集家たちの3部に分けて7つの短編が収められています」
Boo「後書きで作者が書いているように、これはいわば「ミステリーズ」の姉妹編とでも言うべき作品集よね。
  「ミステリーズ」のミステリに対して、こちらはホラーもの……モダンホラーものが数多く含まれているわ。
  本格ミステリは……残念ながらないわねえ」
Goo「密室ものが1つあるじゃないですか!」
Boo「ここまでひねっちゃうとねえ。やっぱ、これもホラーの方に含めるべき作品じゃない? 作者いわく「今あ
  えて(密室物を)書くとしたら、こうなる」そうで、その結果がこれというのは、やはりもうこの方もストレー
  トな本格らしい本格は、もう書いてくれないんじゃないか、というような絶望感に襲われるわね」
Goo「じゃ、逆にホラーとしてはどうでしょうか」
Boo「う〜ん、「モダン」ホラーであることを強く意識してらっしゃるのはよく分かるんだけどね。やはりもう一
  つ食い足りないというか」
Goo「そうかなあ。ぼく的にはですね、この作品集は、作者が自分のテクニックや手法を試している……実験作と
  いう趣が非常に強い気がするんですね。それだけに、心理サスペンス風だったり、思いきりSFホラー風だった
  り、ブラックコメディっぽかったり……いろんなスタイルが愉しめました」
Boo「装幀も含めて非常に「お洒落な」一冊であることは確かよね。まあ、ファン向け・マニア向けの一冊という
  べきなんだろうな」
Goo「……なぁんか、ちいともいいヒトじゃないような気がしますけど」
Boo「これでもセーブしてるんだよ。さー次いこ次」
Goo「はいはい。じゃ「漂流街」いきましょう。「夜光虫」に続く馳さんの新作です」
Boo「こちらの舞台は新宿ね。主人公はブラジル帰りの日系三世のちんぴら。デートクラブの用心棒兼運び屋をやっ
  ていた彼が、どうしようもないドン詰まりに追い込まれる。あら〜、どっかで聞いたような話だわね〜」
Goo「そのあとが全然違うじゃないですか。逃亡資金を作るため、主人公はマフィアとヤクザの覚醒剤取引現場か
  ら金と覚醒剤をいただこうと企む。で、彼の計画を嗅ぎつけ、ヤクザの女房である売春婦とその義弟、そして
  ヤクザ崩れの男が集まって、全く信頼関係のない強奪グループができあがる」
Boo「で、まーいろいろありまして、結局は血と硝煙の匂いを振りまきながら破滅への道を転がり落ちていく、ト」
Goo「たしかにこれも転落と破滅の物語ですけどね」
Boo「細かく見ていけばいくらでも違いはあるんだけどさ、結局のところ「全員が自分のことしか考えない悪党」と
  いう世界観は同じだし。これじゃ同工異曲といわれても仕方ないんじゃない? そもそも暴発する暴力とセッ
  クス!というアクの強いお話なだけに、間を置かずに読むとさすがにうんざりしてくるのよね」
Goo「普通の読者は、どちらか1冊読んでおけば十分かも知れませんね」
Boo「私のお勧めは「夜光虫」の方。だけどさあ、馳さんって創作の引き出しの少なさが早くも顔を出しているよう
  な気がするのよね。いささか前途多難って感じ」
Goo「でも、筆は走ってると思いますよ。イキオイがあるっつーか」
Boo「まあ、それは否定しないけれども」
Goo「結論を出すのは早すぎますよ」
Boo「だわね。じゃ、次」
Goo「次は芦辺拓さんの新作ですね。「十三番目の陪審員」。おなじみ森江春策シリーズの新作長篇で、現実の日本
  とはちょっとだけ違う、いわばパラレル日本を舞台にしたシリーズ。今回は「陪審制」が復活したという仮想
  の元に展開される法廷ミステリです」
Boo「作者の仕掛けはそれだけじゃないのよね。そう、「被告自身が仕組んだ冤罪事件」とでもいうのかな。面白い
  こと考えるものよね〜」
Goo「本格としても法廷ミステリとしても二重三重にひねりを加えた、意欲作といえるでしょうね」
Boo「ライターをめざす失業中の若者に、出版者の編集者が奇妙な誘いを持ちかける。それは架空の殺人事件をでっ
  ちあげ、わざとその容疑者として逮捕されて冤罪の恐怖を実体験し、臨場感溢れるノンフィクションを書け、と
  いうものだった。その計画に乗った主人公はまんまと容疑者として逮捕されたが、思いも寄らぬ陥穽が彼を待ち
  構えていた……と」
Goo「作者いわく「逆本格」というこの奇妙な設定は、バークリーの「トライアル&エラー」あたりを連想しますよ
  ね。どんでん返しが続く法廷シーンは「おきまり」といいながらもかなりのリーダビリティですし、DNA鑑定に
  まつわる大掛かりなトリックなどもよく考え抜かれていてなかなか面白かった」
Boo「でもさ、司法制度への批判などの社会派推理風のメインテーマが顔をのぞかせると、いささかボリューム(4
  00頁弱)の方が物足りなくなってきちゃうわね〜」
Goo「テンポはいいし、クイクイ読ませてくれるんですけどね」
Boo「メインテーマのスケールの大きさに比べるといかにも食い足りないのよ。せっかくの豊富かつユニークなアイ
  ディアが十全に活かされていないっていうか。犯罪事件そのものもとびきりスケールが大きいんだから、焦ら
  ずにじっくり書いてほしかったわね」
Goo「この内容なら2倍の分量があっても冗漫ということはなかったかも知れませんね。本が意味なく分厚くなって
  いく現状にあっては、この薄さはいっそ潔いといえるのかもしれないんですが……」
Boo「まあ、この人は好きよ。なんとなく誠実な書き手って気がする」
Goo「お褒めの言葉が出たところで次に行きましょう。「燃える地の果てに」。逢坂剛さんの新作長編です」
Boo「う〜ん。スペイン&ギターものは、なんか久しぶりという感じがするわ〜」
Goo「今回は2つの別々のストーリィが並行して語られ、それがラストで交錯するというスタイルですね。1つは
  1966年にスペインで起こった核搭載機墜落事件を背景にしたエスピオナージュ風の物語。もう一つは現代のお
  話で、美貌の英国人女性ギタリストと秘められた過去を持つ酒場のマスターによる、伝説的なギター製作者の
  探索行」
Boo「メインストーリィは最初の方の物語かしらね。えっと……スペインの小さな村に伝説的なギター製作者を尋ね
  た日本人ギタリストは、彼にギターの製作を依頼する。ギターが完成するまでの間、村で暮らし始めた彼だった
  が、数ヶ月後、空中給油中の米軍爆撃機と給油機が事故を起こして村に墜落。搭載されていた核兵器の1つが行
  方不明になる。大挙して村に押し掛けた米軍、そして暗躍するスパイ。冷戦真っ只中の国際政治力学が、村と主
  人公の運命を大きく狂わせはじめる」
Goo「やがて、時を隔てた2つの物語は伝説的なギター製作者の行方という一点によって結ばれ、ラストには驚天動
  地のどんでん返しが!」
Boo「たしか去年だったかに公開された映画「ブロークン・アロー」も、この事件が下敷きになっていたはずよね」
Goo「スペイン、そしてギターという、作者にとってはお馴染の世界だけど、相変わらず抜群に巧いですよね。厚み
  のある人物造形、巧緻を極めた構成、じっくりとしたそれでいてテンポの良いストーリィテリング……完璧です」
Boo「単行本で700頁を超える大作だけど、読みはじめたら止められなくなるわね。読みごたえもたっぷりだし。た
  だし、帯にある「驚天動地のカタストロフィ!茫然自失の大終局」というのはちょっと大げさすぎるんじゃない
  の〜?」
Goo「ん〜、でもとびきりのどんでん返しじゃないすか」
Boo「それにしてもここまでいわれると、逆にちょっと引いてしまうわあ」
Goo「まあ、あざとい「どんでん」ではありますけどね」
Boo「で、次は何?」
Goo「えっと「大蛇伝説殺人事件」。今邑彩さんの新作長編です」
Boo「じつに「地道に」昔ながら本格ミステリを書き続けている作家よね。てんで目立たないんだけど、私はじつはこ
  のヒトを贔屓してんの。新作は見立て殺人テーマの長篇ね」
Goo「じゃ、ざっくりアラスジを……取材旅行中の画家が取材先のホテルから姿を消し、翌日バラバラにされた身体が
  出雲各地に点在するスサノオを祭った神社で発見される。ヤマタノオロチ伝説を中心とする日本古代神話のエピ
  ソードが色濃く影を落とす奇怪な事件の真相を追って、名探偵・大道寺倫子が活躍する!」
Boo「ヤマタノオロチ伝説にバラバラ殺人と、一見いかにも派手めな装いだけど、読後感は実に地味。メイントリック
  が小ぶりで、先例があったような気がするせいかしら? 今回ばかりはストーリィやキャラクターの古臭さがい
  ささか鼻につくのよね」
Goo「パズラーとしてはとても丁寧に作られているんですけどね」
Boo「安心して読める本格ではあるんだけどね……新鮮さや驚きというものに欠けるのよ。少々流して書いているよう
  な印象といったら言い過ぎかしら」
Goo「どうやらこのシリーズのような本格ものよりも、もう一方の流れである心理サスペンスの方が作者の持ち味が活
  かされているような気もしますね」
Boo「でも、この人には本格ものを書いてほしいし、書ける、と思う。ここは一つじっくり構想を練ったマスターピー
  スとなりうる大作、冒険作を期待したいわね」
Goo「じゃ、そろそろ、アレ、行きますか」
Boo「京極さんね? いいわよ」
Goo「まあ、毎度のことですが、京極堂さんはなかなか動いてくれないんですよね。例によってしこたま妖怪蘊蓄の議
  論なんか繰り広げるばかりなんですが、今回は妖怪蘊蓄の総決算風の趣があってかなり読ませます。「妖怪」存在
  そのものへの考察というか……このあたりの蘊蓄の面白さ・考察の切れ味、やはり当代唯一といっていいんじゃな
  いでしょうか」
Boo「さらにいえばさ、今回は名探偵たる京極堂自身についての分析・考察が繰り広げられるのも、読みどころの一つ。
  つまり京極流名探偵論が読めるわけよね……なぜまた、こんな贅沢な「おまけ」がついているのかというと……」
Goo「それは、これが「京極堂自身の事件」だったから」
Boo「それはまあ、終盤になってようやく明らかにされるわけだけど。ともかくそれだけに、てんでんばらばらに放り
  だされていたいくつもの謎が一点に収束し、派手なアクションシーンでぐりぐり盛り上げてくれるわよね〜」
Goo「なんと「モリアティ教授」まで登場!するという賑やかさですからね〜。なんちゅうか、ファンサービスの総決
  算みたいな作品です」
Boo「ただ、そのあまりの賑やかさに、肝心の謎解きとどんでん返しがいささか以上に貧相なものに見えてしまったのも、
  また事実」
Goo「う〜ん。でも真相そのものは、なんとも人を喰った、面白いネタだと思うんだけどなあ」
Boo「まあねえ。でもなにせ例によって「コロモ」が厚くて厚くて。で、またこのコロモがとてつもなく美味しいときて
  いるのだから、たちが悪いわよ」
Goo「いうなれば「本格ミステリとしては如何なものか」という議論を力づくで押さえ込み、ついには「本格ミステリ」
  というジャンルそのものを自らの中に取り込んで血肉となし、「京極ワールド」という一つの世界を作り上げること
  に成功しているんじゃないかと。うん、文字通りの総決算ですね」
Boo「それはともかくさ、モリアーティ登場は第二期のスタートを告げるものだと思うんだけど、それはとりもなおさず、
  いよいよ強力にキャラクター小説へ傾斜していく証明のように思えるのよ」
Goo「う〜ん。まあ、面白ければいいのかなって気もするけど」
Boo「冗談じゃない! といってもまあ、もうこの作家は自分の世界を作り上げちゃってるからね。外野が何いっても仕
  方ないか」
Goo「さすがに、疲れましたか?」
Boo「あきらめはしたけど、「認め」はしないわ!絶対にね」
Goo「恐れ入りました。じゃあ、今回のラスト。唯一の海外作品です」
Boo「エリザベス・フェラーズの「猿来たりなば」か。懐かしいというより、ほとんど忘れられた作家って感じだね、こ
  のヒトは」
Goo「ぼくもたしか大昔に「私が見たと蝿は言う」って作品を読んだんだけど、内容はほとんど覚えてないですねえ。た
  しかマザーグースものだったと思うんですが……」
Boo「解説によれば黄金時代末期に登場し、40年以上の長きにわたって活躍した女流本格派の重鎮なんだとか。で、この
  作品は素人探偵トビー&ジョージと称するシリーズものの一冊。もちろん初読だったわ。とりあえずアラスジ行って」
Goo「誘拐事件発生の報を受けて英国の片田舎の村にやってきたトビー&ジョージ。だが、誘拐されたのは2匹のチンパン
  ジー。やがてその1匹が無残に殺された姿で発見される。どこか奇妙でエキセントリックな住人たちは、誰もが秘密
  をもち、どこか疑わしい。誰が、なぜ、無害なチンパンジーを殺したのか?」
Boo「事件というほどの事件は起きないし、のどかな雰囲気といい英国風のひねくれた笑いといい、オフビートな軽本格だ
  ろうと思って読んでいたら……」
Goo「ラストで鮮やかな背負い投げを食らわされた! なんというか久方ぶりに一本取られた!という感じです〜」
Boo「そうね、確かに。実際、読者に突きつけられるのは、なぜチンパンジーは殺されたか、というじつにシンプルきわま
  りない謎なのよ」
Goo「そうそう。しかも大掛かりなトリックを使っているわけでもないし……それどころか、むしろ手がかりはあからさま
  なくらい読者の面前に突きつけられているんですよね。にもかかわらず、ラストの謎解きでは完全に意表をつかれてし
  まう」
Boo「じっつに見事なミスリードテクニックというしかないわ。トリックらしいトリックも使わずに、巧妙きわまりないプ
  ロットワーク一つで、ここまで鮮やかな「論理的どんでん返し」を実現するとは、この作者タダものではない」
Goo「脱帽、ですか?」
Boo「う〜ん、そうねえ。嘗めすぎてたのは認めるしかないでしょうね」
Goo「ふふ。そうそう、それからもう一つ。注目すべきは名探偵コンビの設定ですよね。この2人、捜査の主導権を握って
  次々推理を展開する名探偵然としたトビー(語り手)よりも、風采の上がらない目立たぬ脇役ジョージの方が、明らか
  にアタマがいい」
Boo「つまりこの2人、「名探偵のフリをしているワトソンとワトソンのふりをしている名探偵」なのよ。なんちゅうひねっ
  たコンビ設定でしょ。このあたり、バークリーなんかにも通じる、本格派黄金時代への批評精神を感じるわね」
Goo「そうですね〜。ともかく、日本では前述の「私が見た」以外はほとんど未紹介で、この作品が久しぶりの邦訳という
  ことになるわけですが、じつは長編だけでも71冊!もあるとかで、う〜む、これは楽しみなことになってきましたよ
  ね」
Boo「毎度のことながら、欧米作家の層の厚みというか、懐の深さには驚かされちゃうわよ」
Goo「てな感じで、「人狼城」は次回ということでよろしいですね」
Boo「ようやく読み終わったから、いいよ。いつでも」
Goo「あと、乱歩賞。どうします?」
Boo「う〜ん」
 
#98年10月某日/某北の家族にて
 
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