battle22(12月第2週)
 
[取り上げた本]
 
1 「霊名イザヤ」        愛川晶                    (角川書店)
2 「光と闇の誘惑」       貫井徳郎                   (文芸春秋)
3 「夏のロケット」       川端裕人                    (講談社)
4 「黄泉津比良坂、血祭りの館」 藤木稟                    (徳間書店) 
5 「二巻の殺人」        エリザベス・デイリイ             (早川書房)
6 「ひとりで歩く女」      ヘレン・マクロイ              (東京創元社)
7 「クロスファイア」      宮部みゆき                   (光文社)
 
 
Goo「いやぁ、師走ですね」
Boo「なにを今さら! それにしてももう何だか疲れちゃったわねー。温泉とかいきたいねえ」
Goo「いいですねえ、温泉! んもー支払のことも借り入れのことも、何もかも忘れてぼーっとしたいで
  すねえ」
Boo「まー、あんたの場合、貧乏性が染みついてるから、温泉へも携帯とか持っていきそうだけどね」
Goo「……どうしてこう憎まれ口ばっか叩くかなー、このヒトは」
Boo「ま、それがキミの宿命よ。さー、今年はこれでシメでしょ。張りきっていこうじゃないの!」
Goo「はいはい。じゃ、愛川さんの新作長篇からいきましょうか。この人のミステリはいつも前半がとて
  つもなく面白いんですよね。着想がいいのか、演出が巧いのか、ともかく毎回ものすごくわくわくす
  るような「謎」と「雰囲気」を提示してくれる」
Boo「ところが終盤のまとめ方は、毎回あまりいただけないわよねー。おそろしく陳腐になるか、うんざ
  りするような辻褄合わせ必死になるかのどちらかで、なんちゅうか毎回、竜頭蛇尾って印象ばかりが
  残ってしまうのよ」
Goo「うーん。まあ、アラスジいきますね。主人公は園長として幼稚園を経営する傍ら童話を書く兼業作
  家。彼の前にオカルトかぶれの「謎の女」が出現する。一見真面目で有能な幼稚園の教諭である「謎
  の女」による主人公への隠微な嫌がらせが始まり、一方幼稚園の金庫から発見された奇妙な文書が彼
  の心を悩ませる。その文書とはキリスト教の異端の宗派であるカタリ派の聖典であり、早世した主人
  公の母親が書いたものだった。文書に秘められた母親の秘密とは何か。「私を殺した男をさがしてい
  る」という「謎の女」の意図は?……てな感じで、この新作も、やはり前半部のヒキは強烈ですよねー」
Boo「まあ、そうね。ともかく複雑に入り組んだ謎を追ううち、彼は遠い過去に封印されたはずの恐ろし
  い記憶に導かれていくわけよ。で、主人公の身辺では不可解な奇現象が続発し、異端の聖典という
  「いかにも」な小道具や悪夢が配され、ばりばりのホラータッチで読者をクイクイ引きずり込んでい
  く。うん、このあたりはけっこうドキドキもんかも」
Goo「むろんラストでは、これでもかというほどのどんでん返しと共に、合理的な謎解きも行われますし
  ね。思ったんですが、結局、この作品のテーマは「絡新婦の理」や「有限と微小のパン」のそれと同
  じですよね。しかも、あざとさという点ではその2作の上を行くのでは?」
Boo「かもしれないけどさ、いかんせんミステリ的な仕掛けの手際が悪すぎて、どうもそのメインテーマ
  の恐ろしさが十分な効果を発揮していないのよね。たぶんこれは、主人公が「名探偵」どころか一方
  的にいたぶられるだけの弱者であるせいね。キャラクターとして「弱すぎ」て、「真犯人」の壮大な
  「悪意」にそもそも対抗しえず、物語としてひどく一方的なものになってしまっているの。謎解きだっ
  て犯人自身の手で絵解きされるんだしねえ、爽快さっつーもんがないんだわ」
Goo「それはそれで、面白いと思うんですが」
Boo「そうかしらねえ。私なんかにゃ、主人公がどこまでもサディスティックに虐められるだけの話に思
  えて、ひたすらストレスたまってしまったな。なにもつねに「善玉勝利」の物語せえとはいわないけ
  ど、「光あっての闇」でしょう。面白いし、読ませるんだけどね」
Goo「まあ、そのあたりは、この作家の体質みたいなものかもしれませんね。じゃ、次です」
Boo「次は、と……おー貫井さんの短編集か。また、ずいぶん前の作品をもってきたわね。たしか夏ごろ
  じゃないの、これが出たのって」
Goo「すいません。読み落としてたんですよ」
Boo「ふむ。読み落とさずにすんでよかったでしょ」
Goo「そうですねー、己が不明を恥じましたね。これは本年屈指の傑作短編集です」
Boo「そこまで持ち上げるのはどうかと思うけど、まあ、今年でた短編集としてはきわめてクオリティの
  高い一冊よね。せっかくだから、一編ずつ紹介したら?」
Goo「そうですね。じゃ……えっと、収録されているのは4作。いずれも短編としてはやや長めですね。
  「長く孤独な誘拐」はきれいにツイストが決まった誘拐ものサスペンス。重厚な書き振りでありな
  がらきわめてトリッキーという、作者の資質がいかんなく発揮された佳作です」
Boo「あれはいちばん貫井さんらしいかもね。一方「二十四羽の目撃者」は異色作だわね。海外を舞台に
  「私立探偵モノ風」の1人称で展開される謎解きミステリなんだけど、貫井さんとしては珍しく軽み
  やユーモアを狙っているようね。でも、やっぱ基本的にウエットな体質の作者には肌が合わない、
  って感じ。メインの不可能犯罪?&トリックは小ぶりだが悪くないと思うけどね」
Goo「表題作の「光と影の誘惑」は現金輸送の強奪を計画した二人の男をそれぞれの視点から描いた重量
  感あふれる作品。ラストの鮮やかなどんでん返しで読者の肝を抜いてくれます」
Boo「貫井さんらしいといえばこれもそうね。「わが母の教えたまいし歌」。父の死によって暴かれた母
  の過去の秘密を探る話なんだけど、こういうものを書かせると本当に巧い。ラストのどんでんはわり
  と簡単に想像がつくけど、それでもクイクイと読まされてしまったわ」
Goo「我孫子さんが解説で書いている通り、これは長篇にも使えるアイディアかもしれませんね」
Boo「そうね。ともかく全体に粒のそろった、手抜きのない好短編揃いといっていいわね」
Goo「ひゃー、年末だからですか? なんかエラく好意的ですね」
Boo「いいものはいい、と。私だって別に偏屈な人間ってわけじゃないんだからさ。さ、とっと次行きま
  しょ」
Goo「えー、次ですが、第15回サントリーミステリー大賞の優秀賞受賞作品ですね。「夏のロケット」っ
  てやつ」
Boo「げ。またミステリじゃないのが出てきたよ」
Goo「まあまあ。ぼくこれなんとなく好きなんです」
Boo「キミはむかしブラッドベリマニアだったからねえ……うげー、恥ずかしいったらありゃしない」
Goo「たしかにブラッドベリの諸作品……「ロケットの夏」とか……へのオマージュに満ちた作品ではあ
  るけれど、ロケットの歴史やその技術に関しては非常にリアルなデータが盛り込まれているし、描
  写もリアルで、雰囲気はブラドベリのファンタジックで詩的なそれよりもハインラインあたりのジュ
  ブナイルSFに近いと思いましたね」
Boo「よーするにSFなんでしょ。あたしゃ知らん」
Goo「うーん、SFというか、ファンタジィというか、青春小説というか」
Boo「いずれにしたってミステリじゃないじゃん」
Goo「ま、ね。ともかくアラスジだけでも。えー、宇宙開発事業団の施術者、非鉄金属メーカーの技術者、
  そして一流商社マンに有名ミュージシャン。高校時代、天文部ロケット班と称してひそかにモデルロ
  ケットの打ち上げをしていた仲間たちが、十数年後の今になって再び何か企てているらしい。新聞記
  者であるぼくは、過激派のテロ活動の取材を進めるうち、懐かしい仲間たちの不審な行動に気がつく。
  やがて明かされた彼らの計画とは、彼ら自身の手で「本物のロケット」を打ち上げようというものだっ
  た!」
Boo「はいはい。ま、オトコノコ好みってやつ? ミステリのカケラもないわよね」
Goo「ま、そうなんですが、国家や会社の後ろ盾もなしに「本物の」ロケットを打ち上げるというムチャ
  な話を、それなりに説得力あるストーリィに仕立ててしまっているのですから、この作者、力はある
  と思いましたね」
Boo「だけどさー、なぜサントリー「ミステリー」大賞なのか! どう考えても「賞」を間違えていると
  しか思えないのよね。出す方も出す方だけど、入賞させる方もどうかと思う。作品の良し悪しは別に
  して、こういう作品もOKという前例を作ってしまうのは、ゆくゆく「賞」自体の性格を歪めかねない
  と思うんだけどねー」
Goo「う〜ん」
Boo「まー、そんなもんとっくに歪んでるという気もしないわけじゃないけどさ!」
Goo「はいはい。じゃ、この作品については、これくらいにしときますよ」
Boo「今度は、じゃあ何? げげ。藤木稟の新作かよー。これって完結してないじゃん! あ、あんたも
  騙されたクチ?」
Goo「ええ、まあ。古本屋で買ったんで帯とかついてなくて……本体には、上巻とか第一部とかそういう
  こと書いてなかったもんで……」
Boo「帯にかいてあったかなあ。私も覚えてない。が、ともかく最後まで気付かなかったわよ。これが
  「謎解き抜き」の上巻だったとは、私もね」
Goo「それでも、前作の時あれだけ文句言ってたのに、やっぱ読んだわけですね」
Boo「まーねッ。読むのはもう止めようと思いつつも、半ば義務感に駆られて手を伸ばす。この作者の作
  品については、それが習慣になってしまったみたいなんだわ。さて、今度は「館もの」ってことよね」
Goo「はいはい。え〜、鳥も通わぬ異界めいた山奥の山頂近く、2000坪の敷地に広がる豪壮奇怪な疑似
  洋館「血祭りの館」。3階建ての本館と7階建ての塔屋を持つこの館には、その土地の支配者として
  絶対的な権力を振るう天主家一族が住まっている。血の混交を繰り返し、呪われた伝説に彩られた、
  この一族のなかで、やがて始まるのは血みどろの殺人劇だった!」
Boo「東西のオカルティズムのありったけに、呪い、伝説、幽霊譚が脈絡もなく詰め込まれた、どうにも
  収拾のつかない極彩色の殺人曼荼羅というところよね。むろん不可能犯罪、奇現象もしこたまあるけ
  ど、あまりにも目先の奇抜さを追いすぎて、とーってもこれが論理的に解決できるとは思えないわ」
Goo「千人かかっても動かない巨石を動かし、けっして鳴らない鐘を鳴らす、と」
Boo「まあこれもいつものことだからねえ。ともかく下巻での作者のお手並み拝見というところかしら。
  明石散人さんが大層な言葉で「よいしょ」してるけどダマされちゃダメ! ともかくちょっとでも期
  待しちゃダメなのよ〜!」
Goo「……そこまでいわんでもいいと思うんですが、まあ、たしかにきちんとした評価は下巻待ちですね」
Boo「期待するなよ〜」
Goo「……んじゃまあ、これはこれくらいにして、次は海外、行きましょうかね。これもポケミスの復刊シ
  リーズの1冊、「二巻の殺人」です。エリザベス・デイリイって作家、ご存知でした?」
Boo「噂だけは聞いたことあったけど、読むのはこれが初めてね」
Goo「1940年代に活躍した本格派だそうですから、黄金時代の作家ということになるのですが、ぼくもこ
  れが初見。噂なども聞いた記憶がありませんでした」
Boo「余計な予備知識なしの白紙の状態で読めたんだから、それはそれでラッキーっだったんじゃないのお?」
Goo「そう、ともいえますね。さて。探偵役は、古書籍研究家のヘンリー・ガーマジ。彼の元に、ある旧家
  に起こった奇現象の調査の依頼が持ち込まれます。百年前にその旧家から忽然と失踪した若い家庭教師
  が、百年後の今になって突如帰還してきたという。財産狙いのペテンだと決めつける一族とは逆に、当
  主はすっかりその「不幸な」女性に同情し、遺産を分け与えかねない勢いで、それを慮った一族が「名
  探偵」にペテンを暴いて欲しいと依頼してきたわけですね。ところがいざ捜査を始めた矢先、当主が毒
  殺されるという事件が発生します……」
Boo「D・カー風のオカルティックな設定で、カーならばそれこそ「これでもか」というくらい奇跡・伝説・
  怪現象をてんこ盛りにしてくるところだけど、実はそういう要素は皆無なのよね」
Goo「そうですね。基本的には非常に地味な謎解きミステリですよね。きちんと伏線も張られ、謎解きもある」
Boo「どこがー! 錯綜した人間関係と複雑に縺れたストーリィに加えて、こりゃあやっぱ訳文古すぎ! 一
  部意味の取れないところさえあるのには、閉口したわあ」
Goo「雰囲気的には、クレイグ・ライスあたりの洒落た軽いユーモア推理のセンを狙っている気配があります
  よね」
Boo「かも知れないけど、なにしろ読みにくい! こればかりは全面的に改訳しないと、商品としての価値を
  見いだしにくいわねー」
Goo「きっついですね〜」
Boo「だあってさー、あんなの読まされる若い人の身にもなってごらんよ。ますます古典が嫌いになっちゃう
  よ」
Goo「ま、そうかもしれませんね。じゃ、気を取り直して次へ行きます。次はこれまたお懐かしや! ヘレン
  ・マクロイの「ひとりで歩く女」ですよ」
Boo「まぁた、ずいぶん前に出たのを持ってきたわね〜!」
Goo「すいません。読むの遅くて。まあ、マクロイといえば「暗い鏡の中で」でしたっけ、ドッペルゲンガー
  ねたのオカルティックなサスペンスで、じつに面白かったという記憶があります。で、この作品はそれに
  先だって書かれた彼女の代表作の一つ。ってことはサスペンスだろーと思ってたんですが、これって読み
  ようによっちゃ立派な本格ですよね。いや、まあ「立派な」といっちゃ語弊がありそうですが」
Boo「タワケたこといってないで、とっとと内容の紹介をしなさい」
Goo「へへーいっと……物語は「私が変死した場合のみ、読まれるものとする」という奇妙な書き込みのある
  文書の紹介から始まります。その文書は身の危険を感じているある女性が、警察署長に「保険として」書
  き残したものでした。休暇先からワシントンに帰国しようとしていた彼女は友人から届けものを頼まれ、
  それをもって客船に乗り込みます。ひょんなことからその預かり物が十万ドルの現金であることを知り、
  しかも彼女にそれを預けた友人は死んでしまい、彼女はにわかに身の危険を感じはじめます。いずれもひ
  と癖あり気な乗客達に、不審な行動を繰り返す船員、生物学者が持ち込んだ毒蛇の逃走劇。不審な事件の
  連続の果てに……」
Boo「そして文書はぷっつり途切れ、今度はその文書を読んだ警察署長が主人公として登場するのよね。で、
  彼はその客船で起こった「女性の変死事件」の捜査を始める。しかし、死んだ女性は「文書の書き手」と
  は別人だった……。なかなかに魅力的な設定ではあるけど、まあこれは大金の争奪戦をメインにした、少
  々古風なエスピオナージュ風サスペンスだわね」
Goo「んーでも、周到に伏線が張られてるし、結末まで読むと大胆などんでん返しも用意してある。作者は本
  格ミステリとして書いたんじゃないかなあ」
Boo「まあ、そう読んで読めないことはないけど、サスペンスとして楽しんだ方が賢いと思うわね。そもそも
  サスペンス作りのために意表をつく展開ばかり繰り返してるから、純粋な本格ミステリとして読むにはい
  ささか無理が多いのよね。緻密さに欠けるって感じ。真犯人もすぐ想像つくし」
Goo「サスペンスだと思えば腹もたたん、と」
Boo「そうそう。そう思えばさ、これはすごく上出来な作品よ」
Goo「ともかく面白さという点では抜群ですからね。ayaさんが言うとおり真犯人を当てるのはさほど難しくあ
  りませんが、それが分かったうえで読んでも十分楽しめるし、満足できる作品だったと思います」
Boo「ちゅうことで、今年のシメは何?」
Goo「はいはい。お待たせしました。「クロスファイア」、宮部さんの新作長篇です」
Boo「……せめて、本格でシメたかったわね〜」
Goo「まあまあ、そういわずに。これもいい作品じゃないですか」
Boo「う〜。ミステリでさえないような気もするんだけどね〜」
Goo「はいはい。ともかくドンドン行きますね。えー、これは宮部さんとしては珍しい続編ものですね。短編
  「鳩笛草」のヒロイン・青木淳子のその後を描いたSFサスペンス」
Boo「前作同様「念動発火能力」を備えた超能力者であるヒロインが、その能力を活かして悪に挑むつうお話ね」
Goo「普通、「超能力者」ものというと、「追われる者」である場合がほとんどだけど、本作のヒロインはあく
  まで「追うもの」なんですよね。そこが異色っつーか。第一かっこいいですよね、「装填された銃」である、
  と自らを規定するヒロインなんて。でもまあ、だからといって異能者/異質なるものである彼女の悲劇が回
  避されるわけでは無論ないわけで。人を狩り続けること、殺し続けることによって、彼女の内面は否応なく
  荒廃し、崩壊していくわけですが」
Boo「そ、珍しく暗い話よね。まあ、作者はさすがに巧くて。それでもクイクイ読ませてくれるんだけどさ、ストー
  リィが直線的に過ぎて、膨らみに欠ける印象だわ。「おばさん刑事」やヒロインと因縁で結ばれた刑事や「お
  ばさん刑事」などの魅力的なキャラクターも活かされていないし、ヒロインと同じ能力を持つ少女の登場な
  どもエピソードの域を出ないし」
Goo「エンタテイメントと割り切れば、この一気読みの面白さは捨てがたいなあ」
Boo「まあ、これは好みの問題もあろうけれども、全体に筆が走りすぎ、先を急ぎすぎているような気がするのよ」
Goo「エンタテイメントとしてのスピード感を出すために、内容が犠牲にされているんでしょうかね」
Boo「だいたいさあ、超能力者を主人公にした逃亡・追跡ストーリィといえば、やはりキングの諸作(もちろん「ファ
  イアスターター」や「デッド・ゾーン」あたり)が思い起こされるわけだから、ここは一つそれらに負けない
  重量感を持った作品に仕上げてほしかった気がする。第一、キングファンなんでしょ、このヒト」
Goo「らしいですね。まあ、キングの最盛期の作品と比べられたら、どんな作家もツライとは思いますが」
Boo「宮部さんには、それだけの実力があると思うから、あえて言わせていただいたわけよ」
Goo「なるほどなるほど」
Boo「しかし、今年はこれで打ち止め? なあんかずいぶん取りこぼしたような気がするけど」
Goo「まあまあ。それは年明け早々にでも落ち穂拾いするということで」
Boo「本格ベストの方はどうなの?」
Goo「けっこう集まってますよ。これもランキングが固まったところで、GooBooスペシャルとして発表する予定です」
Boo「なるほど。じゃ、トーゼン、それ見て好き勝手言っていいわけね」
Goo「え? でもそれは……」
Boo「その方が断然面白いじゃんよ〜! はい、決まり!」
Goo「う〜、なんか早くも不吉な予感がしてきたんですけど」
 
#98年12月某日/某ロイホにて
 
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