今日の新聞、一般紙、スポーツ紙含めて一面が『田中外相更迭』で埋め尽くされたのにも関わらず、ただ一紙、トーチュウこと東京中日スポーツだけが『プロストGP消滅』を一面に持って来ました。
…そもそもトーチュウというのは、F1をはじめとするモータースポーツ情報を毎日欠かさず掲載する事をウリとしている新聞で、シーズンオフの今でさえ、F1車のテスト走行タイムを毎日載せたりして情報の発信に余念がありません。
そんな新聞だからこそ、例え世の中でたいへんな出来事があろうが、F1絡みで何かが起きると平気でそっちを一面に持って来て『大事件による全新聞一面の独占』をことごとく阻止してくる『新聞界のテレビ東京』の道を突き進むという宿命を背負ってしまっているのです。
…かつて、元F1ドライバーがルマン24時間レース用の車のテスト走行中に事故死してしまったという事があったのだが、その時、例によってトーチュウはこれを一面に持って来たのです。
…たしかに、F1に詳しい人であれば、元フェラーリドライバーで、その後も『ミケーレおじさん』の愛称で親しまれてきた彼の死は多少なりともショッキングではあるが、F1知らない人にとってみればどうでもいい事です。それでもトーチュウはこれを一面に載せて、『日本のモータースポーツファン』という非常に小さい読者層を離さないよう頑張っているところに深い感銘を受けてなりません。
…この件、朝のテレビ番組での新聞一面を紹介するコーナーで、よく事情のわからない解説者が困って「あー、…えーっと、…ミケーレ・アルボレートという人が、車の走行中に死亡したそうです」というぞんざいな解説しか出来なかった事が印象的でした。