多少でも笹島で儲けてる者なら、山の手とか武蔵野のほうに出張ってくるのが普通だけど、この泥野から一歩も出てこない大手さんがいる…という話をよく聞いていた。
泥野に出入りしてる人は何故か口を濁すし、泥野へ入る”渡る道”の最初のハブは県境の扱いで、通り抜けてくる携帯のデータからは個人情報の類が削除されている(今、婦警が時間を稼いでるのも多分その処理のためだろう…)から、松戸を通ってくる携帯でリレーされるデータでは、念入りにチェックしても『やたら先読みが上手い笹持ちがいて、この十年で資産を十倍にしたらしい』位しか分からない。
交差笹の相場は安定していて、泥野には大金の使い道がない。つまり…