日本征服計画番外編

初秋の赤城山中に徳川埋蔵金の幻を見た!
*註:タイトルはハメコミ合成であり、実際の内容と異なる場合がございます。
 第1章:夜明けの迷走
 SunNet大宮というパソコン通信の仲間で赤城山までツーリングをするのだという。この話が巡り巡ってわたしに声が掛かった。
 ツーリングといえば昔、わたしのMINIだけ行方不明になって顰蹙をかったことがある。付いていけなかったのである。しかし今回は、他にも何台かMINIが来るそうで、「んじゃ顔を出してみっかな。」ということにした。

 実施日は平成8年10月20日。そう。衆議院議員選挙投票日である。混迷を深める日本社会の明日を担う若者達が、政治に無関心を装い、投票所にも行かずにツーリングなんぞにうつつをぬかしていていいものだろうか?
 いや、いいに違いない。

 明けて10月20日。前夜の雨風雷地震をものともせず、空はカラリと晴れ上がっていた。集合場所は、埼玉県熊谷市の先、利根川沿いの国道17号をちょいと外れた新上武大橋パーキングにAM10:00である。こっちの方はほとんど行ったことがないので、余裕をみてAM7:00に千葉県柏市を出発する。

 旧水戸街道を東進し、16号線に乗り換え、とりあえず柏IC手前のGSでMINIにハイオクを奢り、ついでに近くのコンビニで自分の朝食を調達する。サンドイッチをぱくつきながら16号を回り、17号との交差点で右折。北上する。

 自慢じゃないが休みの日にこんなに早く起きたことはない。既に陽は高く昇り、空は高く澄み渡り、のどかな風景が続く。当然眠い。途中で危うく犬をひき殺すところだった。だがちょっと待てよ。何かおかしい。なぜこんな所に茨城土木事務所が?
 そういえばちっとも知っている地名が出てこない。大宮すら見た記憶がない。結城市って、どこ?

 そう。まぬけなことに私は県道17号で曲がっていたのである!

 あろうことかわたしは茨城県にいたのであった。さっき越えた橋はてっきり荒川かと思ってたら、なんと利根川だったのだ。その時既にAM8:30。16号まで戻っている暇はない。あわてて地図を繰ると、国道125号を使って国道17号に出れそうだ。MINIをUターンさせ、125号に乗り、再び利根川を越える。越えたところで加須方面へ。

 加須市は正しい関東北部の表情を見せた正しい町であった。黄色くなりかけた畑は広がり、木々は繁り、倒壊しそうな木造建屋があり、鳩は国道上で戯れ、雲はあくまでも白く、空は限りなく高い。市の中心部付近で鼓笛隊が通り過ぎた。何があったのか。関係ないが加須市立小学校はやっぱり通称「カス小」と呼ばれるのだろうか?とかなんとかバカなことを考えているうちに国道17号に、やっと到達する

 ところで国道17号というのは、実は1本ではない。鴻巣あたりで枝分かれした道が両方17号である上に、その2本が錯綜し、なおかつ後で聞くと、別にもう1本あるのだそうだ。埼玉県人は、観光客が群馬県へ入るのを阻止しようとしているのに違いない。あ、国道だから埼玉県は関係ないか。ま、それはともかく、17号(国道ね)が錯綜している上に、集合場所の「新上武大橋」なるものは、わたしの持っている5年前のマップルには載っていないのだ。これでツーリングに参加しようというわたしも無謀だね。とにかく「新」のない「上武大橋」なら載っているので、その近くにあるのに違いない。てなワケで、「ここらへんだろ。えいやっ!」っと17号を降りて利根川があると思われる方向へ突っ込む。ほーら、堤防があった。堤防沿いにMINIを進めると、前方に立派な大きな橋が弧を描いて利根川の上に掛かっている。これが「新上武大橋」に違いない。既に時計はAM9:45を指している。なんとか時間に間に合いそうだ。と、思ったら道は橋の下を通り抜けてしまった。ランプ(傾斜路)があるからもっと川の手前から橋に乗らなくてはならなかったのだ。「アウチ!」今来た道を引き返し、橋に続く道を見付ける。何のこたあない。さっき降りた17号を真っ直ぐ走っていればよかったのだ。三度目の利根川越えに続き、集合場所のパーキングを発見し、駐車場に突っ込むと何やらMINIの集団が。
 よしゃ、間にあった。

つづく。。。


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