今日は会社帰りにスポーツ用品店に寄ってみました。アウトドア関連コーナーにはいろいろなものがありましたが、中にはどのように使うか見当のつかないようなものも目に付きました。道具はいろいろありますが、一気に買うとお金もかかりますし、少しづつ必要に応じて買い足していくのがいいと思って、店の人に聞いて最低必要なものを揃えてきたのです。家に帰ってくると早速部屋の中に閉じこもって今日の収穫を床の上に広げて、改めてそれらを細かく眺めてみました。
まずザックです。といってもちょっとしたハイキングということで進められた小さなデイバッグです。いろんなジッパーがあちこちについていたり、留め具がいろいろとついていて、小さなものですが全部の機能を試すのはなかなか大変みたいです。適当にものを入れて背負ってみました。紐の長さを調節して前のバックルをカチッと止めると、実に背中にぴったりフィットして想像以上に荷物が軽く感じられました。なるほどこれはよく出来ていると思いました。
ハイキングやトレッキングを目的に開発されたザックは少しでも背負う人の負担を軽減出来るようにバランス良く設計されています。同じ重さの物を背負ってもザック次第あるいはパッキング次第で、重くも感じられれば、軽くも感じられるものです。そうであれば軽く感じられることに越したことはありません。楽しい山行も負担を多く感じるならば、しっくり来ないあえぎながらの山行になってしまいます。アウトドアの専門店でしっかりしたものを購入されることをお薦めします。また、ザックにはいろんな大きさのものがありますが、それぞれどういう形態で何泊するかによって必要な大きさが変わってきます。日帰り程度であれば、よほど荷物を担ぎ上げて宴会でもやろうということでもないかぎり、普通のハイキングであればデイバック程度の大きさで充分でしょう。
次は靴です。ハイキングから初めて先々もいろんな所を目指して行きたいということで奨められたのが、革製の軽登山靴です。他にも、トレッキングシューズということでジョギングシューズが頑丈になったという印象のものもありましたが、長く使うには革製のいかにも登山用という様なものが良さそうな感じがしたので選びました。いっしょに買ってきた厚手の靴下を履いて足を入れてみました。実際に野外に出ているわけではないので実のところどうなのかは良く解りませんが、なんとなくワクワクします。
靴は本当に自分の足にあうかどうかが結構難しいです。スポーツ用品店に夕方の足に血が下がったころに行って階段の上り下りをしてみると良いとも言われますが、少なくとも店内を履いてよく歩き回ってみることは重要だと思います。でも結局いくつか靴を買っているうちに好き嫌いも出てきて、好きで履いているとますます足になじんでくるということになります。ただ靴はハイキングの最重要アイテムの一つなのでこだわりたいものです。少なくともビブラム底の様にがっしりと体重を支えてくれて、そこそこ固く、スリップしにくい仕様になっていない靴でないと、転倒やスリップ・捻挫等思わぬ怪我をすることもありますので、新しい靴を買わないにしても履いていく靴は慎重に選びたいものです。
また山で使う靴の種類としては、トレッキングシューズ・軽登山靴・登山靴(冬靴)が通常一般道の登山で使用されます。それ以外に用途によってプラスチックブーツ(冬山)・わらじ、フェルト靴(沢)・クライミングシューズ(アルパイン/フリー)などの特殊な靴も使い分けられています。
そしてもう一つは、レインウエアを買ってきました。山の中では傘はさせないよということで、絶対必要だと言われました。ほとんどすべての製品にゴアテックスというマークがついていました。これは、雨を通さずに、内からたまった蒸気を放出してくれるので、蒸れなくてとてもいいそうです。ちょっと高かったのですが、思い切って買ってしまいました。
山の中で雨に濡れるということは、実は大変なことです。ただでさえ気温が低くなった中で、雨に濡れると急速に体温を奪ってしまい、行動力が落ちて最悪凍死に繋がることになります。また、風があればさらに寒くなります。気温も低く、距離も長く、風も強い山の中のことですから、ちょっと駅まで走って濡れていこうという訳にはいかないのです。そこで雨具は必携ということになります。
では雨を避けるにはどんなものがあるでしょうか。まずは、町でも使う傘です。もちろん山の中だけでなく、行き帰りも雨になる可能性はありますので、傘はなるべく持っていった方がいいと思います。山の中でも、充分な道幅の広い整備されたコースで、樹林帯であれば傘で歩いた方がかえって面倒でなく快適な場合もあります。もちろん藪の中や、岩場、風の強い稜線などは、各々、藪自体が水に濡れていてそれで体が濡れてしまうこと、手が空けておく必要があること、上下左右から雨が飛んでくることまたは、傘をさせる状態ではないことから、傘には不向きです。この場合はレインウエアを着用することになります。
レインウエアですが、材質はゴアテックスが一番いいようです。これはもちろん外からの雨を防ぎますが、それと同時に体の中からでてくる汗等による水蒸気を放出してくれます。塩ビ等のレインウエアは、中で大汗をかいてしまうことになり、体がとても濡れてしまいます。体が濡れてしまうことは、前述しましたように、山では最も避けなければいけないことの一つなのです。ゴアテックスのレインウエアといっても、厚手の一枚物や、薄手の外布に対し、内側がネットになって二重になっているものなどがあります。私の感じでは、厚手の一枚布の物のほうが、重量は重いですが、丈夫で防寒性能もあり、メンテナンスがしやすい様に思えました。また、レインウエアはきっちり整備すれば長く使えますが、結構消耗品的ではあります。色は好みですが、将来雪の中をあるくことなども考えれば、保護色になってしまう様な色は避けるべきで、赤や黄色などどこからでも目立つ様な色を選ぶべきです。
さて、ザックと靴と雨具がそろいました。大物の必須道具という意味では普通の日帰りハイキングならとりあえずこれでそこそこ行けるはずです。あとは、適宜コンビニ等で買えるもので、なんとかなるでしょう。そして、いろんな経験の中で道具を揃えていくことになると思います。道具を選び、またこだわりを持つこともまた楽しみの一つかもしれません。
さて、待ちに待った週末がやってきました。さっそく買ったばかりのザックに荷物をつめこみます。といっても、今回は買ってきたレインウェア以外には、タオル、ティッシュペーパー、カメラ、地図とガイドブックくらいです。そして新しい靴をはいていざ出発です。途中コンビニに立ち寄って、おにぎり2個と缶ジュースを買ってまっすぐ登山口に向かいました。期待通りのいいお天気で、ウキウキと心が弾みます
さて、本当は食糧は何を持っていくのがいいのでしょうか。おにぎり2個と缶ジュースで良かったのでしょうか。答えはちょっと心許ないですが、このコースであればまぁいいでしょうといったところでしょうか。
食糧は、山に登るという日常よりも激しく熱量を消費する行動を行う訳ですから、それを補給できる程度の物を持っていく必要があります。空腹のまま歩くと、著しく消耗しバテに繋がることもあります。日常食べる程度+αくらいを携行した方が良いでしょう。主食以外には、あめ玉など休憩の時や長く歩いている途中などでなめたりするとなんとなく疲れた気分も変わるものです。あとは自分が普段から良く食べる、好きな物を持っていくというのが一番無難だと思います。
もう一つは非常食です。どこかで道に迷って下山できないというケースを想定して1日分くらいはカロリーを補給できるようなものを持っていく必要があります。といっても、たくさん持っていくと重いので、例えばカロリーメイト1箱、キャラメル1箱、板チョコ1枚等、どれか好きなものをザックに偲ばして置くと良いでしょう。一応何度でも使えますが、特に包装が劣化してくるので時々食べてしまって入れ替えて下さいね。
水分の補給も山では重要な問題です。ここであげた缶ジュースというのは、山に持っていくにはちょっと向かないものです。それは、一度開封すると全部飲まないと行けないことや、ゴミがかさばることなどが理由です。山の中でとる水の量は季節によってかなり違います。夏場などは汗をかくので1日2リットルくらい飲むことも稀ではありません。逆に冬場はあまり消費しません。最近はペットボトル飲料がたくさん出回るようになったので、大変便利になりました。日帰りの山では、夏は1〜2リットルくらいの量を持っていけばいいのですが、趣向を変えて500mlのボトルを何種類か持つのもいいと思います。冬場はどうしても暖かいものが欲しくなります。ペットボトルは500ml1本くらいにして、テルモス(小さなマホービン)に、紅茶でも入れて持っていってはいかがでしょう。特に寒い時は単なるお茶よりも、砂糖でも入っていた方が、カロリーも採れますし、元気が出るようです。
山での食事はガスコンロや鍋・フライパンを持っていって、山中で少しでも手を加えるとどんどん幅が広がります。最初は、カップラーメンやうどんを作る程度からはじめて、ごはんを炊いてみたり、焼き肉や鍋をやってみたりといろいろ幅が出てくると、またハイキングも一層楽しくなってくるでしょう。