01年4月中旬の世迷い言


2001/04/11

 少し前に話題になった「銃・病原菌・鉄」(上下)ジャレド・ダイアモンド(草思社)[bk1で購入]ようやっと読了。
 これは要するに「文明の発達に必要なのは飼育栽培可能な動植物である」「飼育栽培可能な動植物を入手できるかどうかは地理的条件によって(偶然に)決まる」「大陸が東西に延びている場合、飼育栽培可能な動植物は速やかに遠方に伝達される」ということを基礎として、現在のヨーロッパ人が覇権を握っている世界を説明したものである。
 その論考の過程などは非常に面白いのではあるが、文章が難渋で非常に読みにくい。なんだかんだで読むのに一ヶ月近く掛かってしまった。同じようなことを繰り返し書いている部分もあるので、書き方を工夫すれば、2/3程度の長さに収まるのではないだろうか。
 なにはともあれ、読んでおいても損はない珍しいベストセラーではある。


2001/04/12

 今日は地球人類が初めて第一宇宙速度まで加速した日からちょうど40周年の記念日である。
 この40年の発展の速度は決して満足の行くものではなかったかも知れないが、いつかは火星に人類の足跡が印される日もきっと来るに違いない。
 その日その時くらいまでは生きて、中継画面を生で観てみたいものである。

 それはともかく、今日はこれまでの鼻水に加えて頭痛が症状として出てきて、いよいよ風邪らしくなってきたのである。
 らしくなってもちっとも嬉しくないのだが。


2001/04/13

 なんだか良くわからないうちに過ぎてしまった一日。
 そういえば、2000年位前に、新興宗教の教祖が刑に処された日らしい。
 そんなこととは関係なく、なんとなく風呂に入ってみたり(シャワーではなくちゃんと湯船にお湯をためて、ということ)。
 いつの間にやら10MBytesを切ってしまっていたSystemがインストールされているパーティションのファイルを整理してみたりなんかしたり。


2001/04/15

 昨晩は眠れない一夜を久々に過ごした。
 F1サンマリノGPの予選が一時間ずれて放送されたり(しかもその前にやってるスポーツニュースで結果だけ放送されるという……)、その後にうっかりNHKにチャンネルを回したらハッブル宇宙望遠鏡の番組をやっていたりなど、いろいろと原因はあるのだが、私は基本的には宵っ張りな人間なのである。
 宵っ張りな人間が不眠症で悩むというのもおかしな話ではあるかもしれない。
 しかし、翌日に予定があったりすると、気にしないわけにもいかない。
 眠くなるまで、と思ってSFマガジンの今月号のオマージュ短編を全部読み、朝の5:00を迎えて外が明るくなったことを確認し、もう一回睡眠薬を飲むことを決心する。
 そんで目が覚めたら13:13。
 約束は13:00だったのである。なんだかなぁ。多少の遅れは問題にならない類いの約束だったので良かったのだが。


2001/04/16

 最近、自分の身体の扱いを少々しかねている。
 いつまで経っても花粉症による鼻炎はよくなる気配を見せないし(市販の鼻炎薬を飲んでいると液状の鼻水に多少粘性が加わり、鼻をかむ頻度がかなり下がる程度の効果。もっとも、飲まないよりはずっとマシなのも事実だが)、相変わらず喉も痛い。
 食べる量を極端に減らした結果(花粉症の症状が薬を飲んでいる状態でも明らかに悪化するので、なるべく外に出たくないのが直接原因。生活リズムが無茶苦茶なのが二次原因)、腹痛をともなう下痢は小康状態だが、体力はそれにあわせて落ちていっている。
 相変わらず朝は起きれないし、夜は眠れない。とはいえ、21:00頃になると発熱をともなう身体のだるさから、しばらく横になっていないといけない。それは23:00から24:00くらいまでで解消してしまい、却ってこの時間からの就寝を阻害しているように思える。
 夜眠れないと読書が進んでいい、という話もあることはあるのだが……。

 まずは生活リズムを世間様に顔向けできるようなものに改善するのが第一歩か、やはり。


2001/04/17

 うぉぉぉ、格好良い
 こういう飛行機なら税金を使って開発してもいい。いや、どんどんやれ。専守防衛には爆撃機なんかいらんなどという寝言はぶっちぎって開発すれ。

 積ん読状態だったマンガの消化も進んできて、いよいよ、もっと混沌とした状況を作り上げている、文庫、ハードカバーの鉱脈に取り掛かりはじめた。
 まずは一番上にあったという適当な理由で、瀬名秀明「小説と科学」(岩波高校生セミナー8)[bk1で購入]
 これは、岩波書店が高校生向けに開いているセミナーの内容を収録したもので、全編が公演口調になっている。そういう意味では著書と言えるのかどうか微妙な本だと思う。
 内容は、高校生向けを意識したせいなのか、それともセミナーという場の性質のせいか、いまいち薄い。
 「小説と科学」というタイトルから想像していた内容とはだいぶん異なり、教科書の内容が絶対正しいとは限らない、とか、理系でも文系でも文章を書く能力は必須である、とか、創作の源は綿密な調査であるとか、そういう内容。最後だけちょっとタイトルと関連があるか。
 高校生向けの本であるわけだから、あんまり高度なものを期待しても仕方ないのだが、ちょっと「銃・病原菌・鉄」の次に読む本じゃなかったかもしれない。

 続けて、京極夏彦・多田克己・村上健司「妖怪馬鹿」(新潮OH!文庫)[bk1で購入]読了。
 これも(くだらない)対談と京極夏彦作のパロディマンガ(とても上手い)で進む、気楽な本。
 ここ最近のメフィストで京極夏彦が書いている「多々良先生行状記」シリーズの妖怪蘊蓄部分が楽しく読める人なら楽しく読めるだろう。
 真面目な妖怪談義を期待すると裏切られる。馬鹿の看板には偽りがない(主に馬鹿なのは編集者な気がしてならないのだが)。馬鹿話の合間には、ちゃんとした妖怪研究のネタも散見されるのだけど。


2001/04/18

 MacOS Xがいまいち信用できない。
 どうしてかといえば、インストール作業や起動ディスクの選択など、全体的なディスクスキャンが掛かると、マウスカーソルは動いて、アクティブウインドウの切り替えは出来るのだが、それ以外の操作は一切効かない、という状態に良くなるからである。
 カーネルは生きているのだろうが、ユーザからの入力を受けつけない状態では動いていてもなんの意味もない。当然のごとくリセットするしかない。
 色々やっているうちに、どうもCD-ROMドライブに何がしかの関係があるらしいことは判った。CD-ROMドライブにディスクが入っていると、起動時にずっとディスクチェックをやっていて起動しない。あまつさえそのままHDDが休止状態になってしまう。
 私の使っている初代のPowerMacintosh B/Wのマザーボードは、IDEコントローラに問題があって、本当は1つのバスに1つのHDDしかつけられない筈なのだが(少なくともAppleは保証していない)、2台つけて動かしていたりするので、文句を言う筋合いではないのかも知れないが、1台しかHDDをつけていなかった頃でも、System9のCD-ROMから起動できないなど、怪しげな挙動は示していたのだ。
 OS9ではあまりシビアな要求がされていなかったので問題が出ていなかったのが、OS Xになって顕在化したとか、そういうことなのかも知れない。
 色々やってるうちに、USBデバイスを認識しなくなる(つまりマウスが動かなくなる)という症状まで出てきてもうどうしようもない。この時ばかりはWindowsのキーボードで全てのオペレーションが可能という仕様が羨ましくなる。何故かといえば、キーボードはADBで接続しているからなのだ。……そうか。マウスもADBのものをつけておけばいいのか。なんか後ろ向きな対応だけど。
 というわけで、OS Xに振り回された一日なのであった。本来やりたかったこと(Darwin1.3のpppdをなんとか導入してみる)が全然出来なかった。

 ところで、OS Xの「ウインドウがアプリケーションとは独立してアクティブになる」という仕様(詳しく説明すると、他のアプリケーションが動いている状態で、Finderの複数開いているうちのとあるウインドウをクリックすると、今まではFinderのウインドウが全て前面に出てきて、クリックしたウインドウがアクティブになっていた。ところが、OS Xではクリックしたウインドウは前面に出てきてアクティブになるが、その他のFinderのウインドウは相変わらず他のアプリケーションのウインドウの後ろにあるのである)を私は殊のほか気に入っていないのだが、他の人は気にならないのだろうか。ものすごい不便だと思うのだけど。


2001/04/19

 目が覚めると鼻が詰まっていた。
 なんか花粉症(というかアレルギー性鼻炎)が悪化するようなことをやったっけ? ……もしかすると、ちょっと部屋の空気を入れ換えたのが拙かったのか?

 週末に身内(じゃないけど、知人同士)のMagicの大会に久々に参加することにしたので、Deckをすごく久しぶりに組む。
 とはいえ、まずは発想に使えるカードを手持ちのカードから探し出すことになるわけだが、今日はこれだけで疲れてしまった。
 などと書くととても情けないように読めるが、4時間ほど集中してやった結果なのである。何故にそんなことになるかというと、なにせカードの数が多いのである。そのうえ、しばらく手を触れていなかった(新しいエキスパンションが出ると取り敢えず買うが、積んどく状態)ので、判ってないカードの文面を読み進めながらの作業になるので余計に時間がかかる。
 というわけで、手持ちのカードの半分くらいから120枚ほどを選んだ時点で力尽きる。というか目が疲れて熱を持つような状態になったので止める。続きは明日。


2001/04/20

 取り敢えず、かき集めた使えそうなカードのうちからうんうん唸って40枚を厳選し、20枚の土地とまとめてDeck完成(仮)。
 Deck前日調整のために泊まりに来いという調布の友人宅に向かう。

 行きの車中+αで、野尻抱介「ふわふわの泉」(ファミ通文庫)[bk1で購入]読了。
 とてもファミ通文庫とは思えないSF。主人公はもうちょっと読者受けを狙ったキャラ造形をしてもいいんじゃないかという余計なお世話な感想を抱いたり。
 後半の展開とオチ(というより結末か)に至るシーケンスはちょっと唐突な印象。
 高度に発達した知性に関する基本アイデアが「太陽の簒奪者III」と同じなのは、これが決定版だと思っているからなのか。
 読者としてはちょっと違う球が欲しいところではある、とか偉そうなことを言ったり。
 私はSF者としては失格なことに「楽園の泉」を読んでいないので、早急に読まなければいけないのであった。

 話は戻ってDeck調整も早々に、夕食兼飲み会に移行。ちょっと飲み過ぎた。頭痛で眠れなくて困った。(他の要因もあるのだが、武士の情けで書かないでおいておくことにする)


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