01年7月上旬の世迷い言


2001/07/01

 起床は9:00。その前に4:00頃目が覚める。暑かったので、エアコンを入れる(他人の家だというのに)。
 朝食は近所のロイヤルホストのモーニングセット。寝不足のせいか、頭が回っていない。
 ビデオを観たり、DC版Magic:the Gatheringを見物したりしてのんびり過ごす。

 昼食は近所の喫茶店で。
 相変わらず頭が回っていない。

 昼食の帰りにLOWSONに寄り、友人の奥方がチョコラザウルスを買ったところ、バージェスモンスターであるオパビニアが出る。
 どうしても出ないものだったので、少々無理を言って譲ってもらう。Lucky!

 適当にだらだらしてから、例によって群馬に帰る後輩の車に便乗して大宮へ。
 夕食はサイゼリヤ。PSO Ver2の話で盛り上がりまくり。Ultにはまだ挑戦していないので、間接情報のみで対応。こういうことは良くあるのだが。

 ビデオに撮ってあったF1フランスGPの予選を観る。
 ウィリアムズが相変わらず無茶苦茶速い。ミシュランタイヤ絶好調みたい。
 マクラーレンもウィリアムズとフェラーリ(というかシューマッハ)には及ばないものの、速さを取り戻してきているようだ。
 プロストエイサーのアレジがいまいちなのが気になるといえば気になるが、決勝が楽しみ。

 続けて決勝。
 フォーメーションラップでハッキネンのマシンが動かず、そのままリタイア。マクラーレンはLCSに未だに問題を抱えているようだ。
 PPのR.シューマッハが独走体制を整えるかに見えたのだが、1回目のピットストップからスピードが伸びず。タイヤのセッティングに問題があるようだ。同じミシュランでもハードを選択したモントーヤは、安定した走りを見せている。が、マシントラブルでリタイア。勿体ない。速さではフェラーリ、ウィリアムズには劣るものの、他のチームよりは全然速いクルサードが途中まで3位をキープしていたのだが、ピットロードの速度違反でペナルティ。マクラーレンにとっては今シーズンは悪夢以外のなにものでもない。
 結局、M.シューマッハが余裕の走りで1位。2位はR.シューマッハで3位に久々の表彰台のバリチェロ。予選順位からすれば、バリチェロは大躍進。後半のクルサードとのバトルもなかなか見せてくれた。
 途中のHONDA勢とJaguarのアーバインのバトルなどは面白かったのだが、アーバインも途中、エンジンブローと思われるトラブルでリタイア。うーん、マシンの戦闘力は確実に増しているのに、勿体ない。
 ザウバーはライコネンの方にどうしても目が行ってしまうが、実はハイドフェルトの方が順位は上の方が多いようだ。なんか地味に6位とかにいる感じ。いぶし銀とでも言うべきか。


2001/07/02

 攻殻機動隊2を読んで、買い物をしたら終わってしまった一日。

 攻殻機動隊は、クラッキングシーンを台詞でごまかさないできちんと視覚的にやってくれていない点が手抜きだと思った。
 そんなことをすると、ページ数が今の2倍以上になりそうだが、プロットをちょっと単純化してやればよい。お話としては極単純なものに、色々なケレンを利かせて複雑そうに見せているだけなのだから。
 遺伝子操作豚の部分はごっそり落しても特に展開に問題は出ないはずだし、他の部分でも、台詞のみで説明されている箇所が多すぎる。昔から士郎正宗にはそういう傾向があったが(欄外の書き込みもその変形と見做すことができる)、この作品ではマンガという枠を無意味にするほど、その傾向が強くなっていると言えるのではないか。

 行きつけの書店に行き、YOUNG KING OURSを探すが、見つからない。
 ふと棚の前で立ち読みをしている邪魔なことこの上ない馬鹿者の手元を見ると、なんと最後の一冊を読んでいる最中ではないか。
 一瞬、そいつを殴り倒してOURSを奪い取り、レジに持っていこうかと思ったが、そんなリスクを冒してまで立ち読みされた雑誌を入手する事はないと思い直し、他の書店で入手。しかし、発売直後と言っても差し支えないくらいの日付なのに、最後の一冊とは、OURSも出世したものである。

 (極一部の)巷で評判の「ガンダムエース」入手。
 安彦版ガンダムは確かにリファインされた1stガンダムだが、ザクに内蔵武装があるのはどうかと思う。ガンダムもあの位置に新規に武装を付けなければいけない必然性は薄いように思う。
 いくら工事区域とはいえ、コロニー内でMSを使った運用実験をしていたら、絶対住民にバレると思うのだがどうか。
 他のマンガはもっとつまんないので、言及する価値を認められない。介錯ってこんなにデッサン下手だったっけ?


2001/07/03

 昨日か、それ以前に入手したような気がする「あずまんが2」は、公式には7/4発売らしい。
 どうりで他の店では見かけないと思った。そんなことでいいのか?>ジュンク堂書店

 ガンダムバトルオンラインを(オフラインで)やっていたら、いつのまにやら日付が変わっていた。
 そんな駄目人間風味たっぷりの、梅雨も明け切らぬこの一日。


2001/07/04

 医者に行く。
 よりによって10:30などというスケジュールを組んでしまい、昨日寝る前に処方されている眠剤のうちの片方が切れていることが発覚し、慌てて初期の頃の処方の薬に切り替えて眠ったものの、眠れたんだかなんだかよく判らない状態になってしまったので、非常に辛かった。
 ちょっと前までの、すっぽかした後に気付く、よりは全然マシだと思うが。

 この記事によって、Yahoo!は真面目なコミケサークル参加者のパブリックエネミーだと断定。
 元々利用していなかったが、これからは積極的に利用をしないし、周囲の人間にも利用を止めるよう、呼びかけることにする。

 またもや見かけた「チーズはどこへ消えた?」の便乗本。
「チーズはどこへ消えた?/バターはどこへ溶けた? どっちがいい本?」
 ……もういいです。好きにやってください。


2001/07/05

 今週に入ってからどうも調子が悪いと思っていたが、どうも風邪を引いたらしい。
 鼻水とか、発熱とか、頭痛とかの諸症状がばらばらに現れていたので、今まで気付かなかった。


2001/07/06

 沖縄で起きた米軍兵士による婦女暴行事件に関する報道が喧しいが、騒いでいる人々は何を求めているのか?
 現在の日本の国防が、在日米軍の軍事力を背景にしていることは火を見るよりも明らかであるし、問題となっている日米地位協定も、それを背景にして取り交わされているものであることは明白である。
 憲法を改正して、独自の軍隊を持ち、それなりに莫大な予算を使って、現在の自衛隊を完全な国防軍に昇格し、米軍の駐留を現状よりも制限されたものにするのか、それとも、憲法に従って完全に軍備を放棄し、米軍の駐留も完全に排除するのか。
 どちらにせよ、それらの策は現実的なものではない。前者は特に中国、韓国の抵抗は相当なものだろうし、東南アジア諸国の反応もかなりあるだろう。第一、そんなことができるほど日本政府の財政は健全ではない。後者は、そんなことをして日本の発言力が今まで以上に高まるなどということは有り得ないと断言できる。永世中立を謳うスイスは国民皆兵なのだ。そのことをよく考えていただきたい。
 日本の防衛が米軍を背景にしている以上、米軍基地は日本の領土のどこかしらになければならないものなのである。ゴミ処理場や火力/原子力発電所、火葬場がどこかしらにはなければならない、という問題と同様である。
 沖縄に米軍基地の75%が集中しているという現状は健全ではないが、受け入れる自治体があるとも思えない。国が日米安保条約を維持していく以上、沖縄だけに負担を押しつけることなく、別の自治体にも米軍基地を設けなければならない、という事になるのだが、今の日本政府にそれだけのリーダーシップを期待することはできない。
 とにかく、政府には沖縄以外の場所に米軍基地を移設するという方針を打ち出し、各自治体に真面目に日本の国防問題について考えてもらうのが一番良いと思うのだが、そんな頭を持った連中が今の日本(政府、自治体どちらにも)にどれだけいるのやら。
 ちなみに、私はきちんとした手当てさえ補償されるのであれば、米軍基地が近所にできたとしても反対はしない。問題が起きた場合には、その問題の本質はなんであるのかを追及し、現在の反対者たちが行なっているようなドラスティックな行動には出ない、と断言する。
 今大切なのは「自分のことを考えること」ではなく「国や地球のことを視野に見据えて考えること」なのだ。


2001/07/07

 絶滅危惧種を動物園で人工的に繁殖させて存続を計ろうという計画には、DNAパターンを記録しておく以上の意味がどれくらいあるのだろう?
 乱獲によって減った種でもない限り、その種が絶滅するのはその種の生存に適した環境が破壊されてしまったからであり、その環境を元に戻さない限り、その種が元のように繁栄することはないと思うし、人間の経済活動で破壊された環境がそう易々と元に戻せるとも思えない。それこそ、人類の経済活動が地球資源を利用しない形態に移行でもしない限りは無理だろう。
 その動物種の人口飼育下での研究観察ができるという付属的な意義は認められるけれども。

 フィリップ・フォール「天使とはなにか」(せりか書房)[bk1で購入]読了。
 この本の約40%は、私には日本語としてパーズすることはできるが、文章の意味をくみ取ることができないものだった(訳注を読むと多少は理解できる文章もあったので、これは訳者にも問題があると言えよう。特に原著がフランス語であることから、日本語に訳しにくいニュアンスを持つ単語をそのままカタカナ語として使うのは大いに問題がある。ヘタに漢語にされてもやはり意味が通らないことに変わりはないが)。
 そのような事態が発生する可能性として、1. 著者が前提としている事実を私が知らない、2. 著者が使っている単語が私が日常的に理解しているのとは異なった意味で用いられている、などの可能性が考えられる。
 実は、大学の教養で興味本意で取ってみた哲学の単位でテキストとして用いられた西田幾太郎「善の研究」[bk1で購入]を読んだ時にも似たような経験をした。文章として文法的に分解することはできても、さっぱり文意を理解することができないのである。
 世の哲学者や評論家と呼ばれる人々の文章を読むとき、私は似たような経験を良くする。要するに、彼らは彼らのジャーゴンを用いて彼らの間でしか通用しない会話を行なっているのだ、と理解することにしている。
 これは卑近的にも経験することができて、自分の知らない分野での所謂「濃い」会話がさっぱり理解できない状況と同じことである。
 つまりは、分野は違えども彼らは単なるオタクであって、オタクの間でだけ通用する言葉を操って遊んでいるに過ぎない。扱うテーマが違うだけで世の中での格付けは格段に変わるものである。知的活動のレベルとしては似たようなものだと思うのだが。
 閑話休題。この本は、たとえ文意が理解できたとしても、前後の文章の論理的つながりがあまりに強引(もしくは何の結び付きもないように思える)で「なんでそうなるんじゃ!」と突っ込みたくなるところが満載である。要するに、著者の人格とキリスト教的世界観は非常に強固に結びついてしまっているものであって、その世界観を客観的に見ることも説明することもできないのだろう。これがイスラム世界の説明になると、急にスムースに理解できるようになる点からも補強できる。
 後半の論理展開の牽強付会ぶりはもう目を覆わんばかりのもので、いいからお前はもう黙れ、と言いたくなるものである。そこには、違う価値観を持つものを説得するという態度は微塵も見られない。もしこんなものがヨーロッパ社会で広く受け入れられたのだとしたら、その病根はかなり深いと考えざるを得ない。所詮は連中とは最後の一線で相容れない部分がある、ということを強く感じる(相入れないことを前提にして、共存を図る術を探るのが現代人としての生き方であることは言うまでもない)。
 まぁ、断片的には有用と思える情報を得ることができたので、まるっきり読んで無駄だった、という訳ではない。しかしながら、読むのに多大な苦痛を強いられたことは確かで、もしこの出版社の本が似たような傾向のものを集めたものであるならば、二度とここの本は買わないだろう。少なくとも、キリスト教(特に聖書)の知識を持たない人間は読んでも理解できない可能性が大きい。こんなものを日本で出版する意味があるのだろうか。


2001/07/08

 最近の逃避先はもっぱら溜まりに溜まったビデオの消化である。撮るだけ撮って全然観ていない状態が続いていたので(これは本も同じ)、一年分ほど溜まっている。とはいえ、ビデオのタイマーは8つ分しか登録できないので、一週間分が4時間程度なのである。それが一年分だから、200時間強ってところか。10日ぶっ続けで観れば消化できる計算である。くらくら。
 閑話休題。
 順調に消化を続けていたら、正月辺りにやったと思われる「新宿少年探偵団」に行き当たった。
 原作は太田忠司。
 原作ものとしてはあまりに原作と違うのが難点といえば難点だが(特に新宿在住の蘇芳さんの倣岸不遜さが欠片もなくなってしまっているのはファンとしては許し難い)、それを無視すれば、邦画としてはそれなりによくできている。
 絵が安い、主役級の役者の演技がヘロヘロ(わき役の加賀まりこは非常に良い)、映像のセンスもあんまりない(特に重量物の表現が駄目)、と映像としてのレベルはかなり下だと思うのだが、脚本がなかなか良い。
 ところで、これ、なんで「新宿少年探偵団」なんだろうか? どっちのファン層もあんまり重なっていないと思うのだけど。

 そういえば、昨日、ウルトラマン35周年記念ということなので、ウルトラマンコスモス(区切りによっては非常に拙いと極一部の巷で評判)を観てみた。
 戦闘機のデザインは、どう見てもマットアロー1号、2号である。なぜそこまでやってマットジャイロを出さないか。
 はー、今度のウルトラマンは怪獣愛護ですか。力の受け流しを基本とする合気道的なアクションはちょっと新鮮。掌底の時にはやはり足を力強く踏み出すアクションが欲しい。
 リアリティに関しては、最近の仮面ライダーシリーズの方が頑張っているようだが、小さなお友達にはあまり評判が良くないそうで、番組作りの姿勢としてはどちらが正しいのかはよく判らない。
 シナリオはともかくとしても、特撮の技術というか、画作りのセンスというものがあまり感じられないので、とりあえずは見送りか。
 そういえば、番組中に流れていた、映画版のCMがなかなか良かった。ああいう家庭って本当にありそう。

 22:00を過ぎたら、スイッチが切れたように眠くなる。
 晩飯を食いはぐれたが、そんなことはどうでもいいくらい眠い。よって寝る。


2001/07/09

 新しいアリナミン7のCMは、背景の実写映像の人物は影絵でなければならないと思う私は(タロウ以前の)ウルトラ原理主義者ですか?

 森博嗣「スカイ・クロラ」(中央公論新社)[bk1で購入]読了。
 表面的には戦闘機小説。複合企業体の戦争部門が他の企業との戦争を行なっている、という設定である。ACE COMBAT3的世界とでも言えば良いのか。
 どういう訳か、この世界ではジェットエンジンが実用化されておらず(ロケットエンジンはあるようだ)、レシプロ機(しかも主人公の乗機は星型ではなく、直列なのだ)が活躍している。たぶん、空中戦シーンを魅力的に描くためだと思われる(ジェット戦闘機の空戦は、ミサイルが主体なので、細かく描写してもあまり面白くならないと思う)。一応、先尾翼機(震電のような)ではあるようだが。
 私の中の戦闘機小説は、神林長平の「戦闘妖精・雪風」[bk1で購入]が空前であり絶後である。「スカイ・クロラ」の本格的な空戦シーンは2つしかないが、現役の工学者である上に、模型マニア(ラジコン飛行機もやるようだ)である著者の描写は簡潔にして的確である。
 上で「表面的には」と書いた。では深く突っ込むとどういう小説なのかといえば、第二話に現れる「キルドレ」という単語の謎を巡る物語である。後半は、その単語を中心にして話が回る。多少、突っ込みが足りないと感じてしまうのはSF小説としてこの話を見た場合の感想かも知れない。少なくとも、私にはそう感じられた、というだけのことである。
 他人に勧められるかどうかという評価に関しては、メカが好きな人になら文句なくお勧め。SF者にもお勧め、としておく。


2001/07/10

 我々はいつまで敗戦国でいなければならないのか。
 もう一度戦争をやって勝つまでか? ふざけてんじゃねぇぞ。

 包括的核実験禁止条約からアメリカが離脱との報道。
 ブッシュ政権は地球環境破壊政権ですか? それとも、米国の経済は私が思っているよりもずっと深刻な状況に陥っていますか?(それこそ、餓死者が何千、何万も出るような)

 時雨沢恵一「キノの旅IV」(電撃文庫)[bk1で購入]読了。
 安定して面白いので安心して読める連作短編集。
 でも今回一番面白かったのはあとがきである。どうか、書店で先にあとがきを読む主義の人も、これは最後にしておいた方が良い。


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