02年8月中旬の世迷い言


2002/08/14

 ここ二週間ばかしの出来事を五月雨式に。

 夏コミは久々に惨敗。やはりぱっと開いたところに文字ばかり並んでいる編集に問題があったとしか思えない。
 文字と絵との比率は、前の本よりも絵の比率が上がっているはずなのだ。私は追い詰められていて、自分の文章が面白いんだかつまらないんだかさっぱり判らない状態に陥っていたが、一日間を置いて読み直してみたら、そう捨てたもんでもない、という感じだったし。
 あの会場で文章の質まで吟味した上で買う買わないの判断をしている人間がそうそういるとも思えないので、私の文章の出来が直接影響したともあまり思えないけれども。

 なんだかよく趣旨がわからない会議に出席するために、着慣れぬスーツをお仕着せのように身にまとい、かなり無理矢理早く来る(いや、本来ならばそれほど早いというわけでもないのだが、夏コミの作業以降、生活時間というか就寝時間が後にずれ込んでしまったので、相対的に早く感じるというわけだ)。
 別に私が出席する必然性がきちんと説明されているなら文句は言わない。私が商品企画を積極的に行なわなければならない立場なのであれば、必然性がなく引っ張られても不思議だとは思わない。問題は、そのどちらでもなく、結構差し迫った締め切りが今月中に控えているという点である。
 向こうにこちらの邪魔をしているという意識はないだろうが、この場合はない方がより問題だ。
 で、向こうに行ってから来月からやる仕事の話であることが明らかにされる。そういうことは行く前に説明しませんか、普通は。

 野尻抱介がSF Japanのギャラクシーエンジェルの紹介記事を書いていたのだが、これって企画のレベルからして同人誌の原稿ではない? SF Japan自体が同人誌じみているという話はあるが。

 電撃hp。今回のイリヤは休みだったのか。あの引きで休みですか。勘弁してくれ。というかイリヤが載ってないとビートのディシプリンとDr.モローのマンガと田中哲弥のエッセイしか読むところがないんですが。

 World Tank Musium特集をやったModel Grafixが見つかりません。……なんか雑誌の話題ばっかりだな。


2002/08/15

 私は三十路を過ぎるまで飛行機にも乗ったことがなかった人間なのだが、いきなり飛行機どころか海外渡航させられることになった(んだかならないんだか、決定事項なのかそういうつもりでいるだけなのかは実のところさっぱり判らんのだが)。
 当然、海外渡航のためには旅券というものが必要なので、そのための書類をかき集めるためにいろいろと歩き回る羽目に陥る。このくそ暑い中歩き回るのは、普段全く歩かない人間にとってはそれだけで体力を消耗する作業だ。特に昨日に引き続きというのが堪える。
 で、結局判ったのは、旅券発行には理由はわからないが戸籍抄本が必要であること、戸籍抄本は戸籍が存在する場所まで行かないと発行してもらえないことの二点である。まぁ、その他に必要な書類は揃ったので戸籍抄本さえ取ってくればいいだけの話なのだが。……めんどくせぇ。
 住民票の写しにはしっかり本籍が記載されているというのに、その他に戸籍抄本が必要な理由がさっぱり理解できない。というか旅券法では戸籍謄本又は戸籍抄本が必要と書いてあって、住民票は必要ないようなんですがなんで住民票が必要だと書いてあるんだゴルァ。
 それはともかくとして、住民基本台帳ネットワークとやらが稼動すればそういう不便な状態からは脱することができるようになるんじゃなかったのか? だいたい、戸籍というのは建前上は国が管理するものなんだから、わざわざ登録してある自治体まで行かないと取れないというのは前時代的というのを通り越してお話にならないという世界であると思う。たいていの人は、普段使わないものだからそのすさまじい不便さに気づいていないんだろう。
 戸籍へのリファレンスとして住民票やら運転免許証やらが存在しているのに戸籍への直接リファレンスが必要であるなどというしょうもない法律もさっさと改正しろ。改正しないなら直接リファレンスがどうしても必要な理由を説明して私を納得させてみろ。どうせ戸籍などというしちめんどくさいシステムを運用しているのは日本くらいなものだ。他でなくてできるものができないはずがないではないか。

 日本での犯罪者の逃避行は、東北、北海道、上中下越などなど、とにかく北だという気がなんとなくするが、これは北に逃げてるわけじゃなくて、心理的な僻地に逃げているんではないかと思う。
 論理的に考えれば、人も通わぬような山奥で自給自足生活を送りつつ潜伏するのでもなければ、人の移動の少ない僻地にいるよりは、人の移動が多く人の数もべらぼうに多い都会に隠れたほうが見つかりにくいような気がするのだけれど(木を隠すには森ってやつね)、人の行き来が少ないということは警戒すべき人(普通は警察だけど)の流れも少ないということで、逃亡している人間の心理としては僻地を選びたくなるものなのだろう。
 私は関東生まれの関東育ちで、関東以外の土地に住んだこともなく、一番田舎だったのはたぶん大学時代の下宿(正面に川が流れていて裏は山だった。夏の夜に電灯に集まる虫が10cmはあろうかというトビケラで、それが一晩で山のように積もったりしていた。  閑話休題。つまり何が言いたいかというと、私には田舎に住んでいる人の心理というものは良くわからない。だから、田舎で育った人が逃亡生活に入るような場合に、どのように感じてどのような選択をするかはわからないのだけど、それでもやはり逃亡生活というのは僻地で送られがちになるんではないだろうか。
 僻地で送るのならば、それはそれで、言っちゃ悪いが東北地方程度の僻地はそれこそ日本に掃いて捨てるほどある。なにせ日本では過疎化が問題になっているくらいだ。
 例えば四国の山の中とか紀伊半島の先端部とか、実は東北の方がこれらの土地よりも交通の便はいいんじゃないだろうか。紀伊半島など、地続きであるにも関わらず流刑地だったのだ。たぶん地上交通網が存在しなかったので船で行くしかなく、島と同じ感覚の土地だったのではないかと推測するが。
 また話がそれた。ええと、何の話だったっけ?
 あー、そうそう思い出した。僻地は日本中にあるのに、なぜに北の地ばかりが逃亡先に選ばれるのか、という話に持っていこうとしていたのだ。
 何でかといえば、日本の心理的な中央は、たぶん未だに京都にあるのだ。だから、現実世界で如何な僻地であろうとも、京都に近ければあまり僻地だとは認識されない。逆に、東京へ新幹線で2時間しかかからなくとも東北は僻地なのである(新幹線とはいえ、電車で一本であることに変わりはない)。逆に、お手軽に行くことのできる「僻地」として機能している部分もあるかもしれない。冷静に考えれば、手軽に辿りつけてしまう僻地では逃げる先として問題があるという結論に達するような気がするのだが。
 だから日本人は逃亡しなければならないような事態に陥ると、東北へ行きたくなる。……なんか微妙に論旨がずれてしまったような気がしないでもないが、まあいいや。

 コミケ三日目の開場前の東456で、妙な歓声が上がっていてあれは一体なんだろうと思ったのだが、こういうことだったのか。スタッフの方々には頭が下がります。
 10:00を待たずに会場内をうろつく連中をなんとかできないものかねぇ(私は10:00に拍手をしてからサークルスペースを出て、歩いて買い物に出かける、ってこれもあんまり褒められた話でもないけど)。

 「薬局 ペニシリン 値段」で検索をかけてきた人がいますが、ペニシリンは結構劇薬なので処方箋なしには売ってもらえないと思います。つーか大概の抗生物質はそうだ。抗生物質がどれくらい劇薬なのかはこの辺参照。


2002/08/16

 別にアイコラを作っているわけでも流通しているものを楽しんでいるわけでもないが(平たく言えばアイコラと私は全く無関係だが)、こういう低次元の議論しかできないのに他人の権利を制限しようと考えるのは止めておいたほうが身のためというものだろう。
 特にアイコラとおそらくエロパロを代表とする同人マンガを同列に扱うなどという行為は、現実の人間を絵と同列の飯の種としてしか見ていないという過剰な縮小か、絵とその作者をその人の肖像そのものとして看做すという過剰な拡大のどちらかを無意識(か意識的にかは知らないが)に行なっているように思える。こういう思考回路が児ポ法の改悪を推進する側にあるのではないか。

 正式にはなんと呼ぶのか良くわからないのだが、最近の仕事で仕方なくiPAQを使っていると、WindowsCEにPalmを表面的になぞっただけの改悪がなされていて、そのあまりの無神経さにあきれ果てる。どう考えても昔のWindowsCE機のほうが使いやすかった。
 もしかして、MSの技術者はPalm OSがシングルタスクだということを知らないのだろうか?


2002/08/19

 相変わらずMSに翻弄されているWindowsCEプログラミング。
 うぅぅ。今度はiPAQで動くものがシグマリで動かないよぅ。
 ぱっと見、GetOpenFileName()がちゃんと選んだファイルのフルパスを返してきてないように見えるのだが、果たして。他人の私物のシグマリなので勝手にいろいろやるのもまずいし。
 環境毎に動作が違うのは開発段階にあるものならともかく、製品なんだから勘弁してくれ。
 あと、eMbedded Visual C++ 3.0で作ったプロジェクトを4.0で読んだらSH系列向けにしかコンパイルできなくなるなどというロクでもない仕様変更も勘弁して。プロジェクトを最初から作り直す心の余裕なんかないよ。


2002/08/20

 引き続きWindowsCE苦行プログラミング。
 eMVC++4にプロジェクトを移動させて、eMVC++4上でターゲットを追加することができることが判明。こういう、どんな名前を持っているか予想しにくい上にあるのかどうかも判っていない機能は、オンラインヘルプではなかなか発見できない。やはり一覧性というかざっと全体を見渡せるという点では紙メディアのほうに一日の長があるように思える(オンラインヘルプの一覧性が紙メディアに比べて著しく低い、ということかもしれない)。既に名前などはよく判っている機能の詳細を調べるなどの用途はオンラインヘルプのほうがよほど役に立つけれども。
 で、結論。eMVC++4はCE.netに特化していて、CE.netが載っている機械でないと動かないバイナリを吐く(らしい。なんでらしいかといえば、ARM向けの設定が三種類あって、そのうちの二つはリンカだかコンパイラだかがエラーを吐いてexeができないからである)。
 世の中にはまだCE.netが載った機械は製品としては出ていないので、エミュレータで動かすしかない。というか今の作業では実機で動かしてパフォーマンスの評価をすることの方が重要なのでこれは使えない。
 しかし、eMVC++3が実機を認識してくれないのは相変わらず。eMVC++4はActiveSyncまでは認識していたので、あるいは、と思わせたのだが、どうもCE.netが動いて機械もしくはActiveSyncはeMVC++4が期待する反応を返さないらしく、それ以上は進まない。
 ってよーく見るとMSのサイトにCE.net用だって書いてあるし。つったって専用とは書いてないから、知らない人間は騙されて(?)も不思議はないのだけど。
 しかし、CE P/PCは、使えば使うほど「邪悪なPalm OS」と呼ぶにふさわしい酷い仕様が明らかになっていってなかなか笑わせてもらえる。


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