02年9月上旬の世迷い言


2002/09/01

 Jaguar対応のASMが出る。
 ひゃっほう。すばらしい。これでやっとJaguarをいじり倒す気持ちが沸いてくるというものだよ。
 ASMについて何も説明していなかった。
 ASMとは、Mac OS Xのアクティブアプリケーションとアクティブウインドウの関係を、OS 9以前の状態に戻してくれるツールである(本当はアプリケーションメニューを復活させるツールなのかもしれないが、私にとってはOS 9までの使い勝手を取り戻してくれるツールなのだ)。
 具体的にはどうなるかというと、OS Xでは複数ウインドウを持つアプリケーションのどれか一つのウインドウをクリックすると、そのウインドウだけが前面に出てきて、他のウインドウは相変わらず背後に隠れたままになる。
 簡単に実験してみたければ、Finderで複数のウインドウを開いてから、プレビューなりTextEditなりで複数のウインドウを開いてFinderの大部分のウインドウを隠し、見えているFinderのウインドウをクリックしてみれば良い。クリックされたウインドウのみが前面に来て、メニューはFinderのものに切り替わるが、他のウインドウは隠れたままになる。一番悲しい気分に浸れるのは、全てのFinderのウインドウを別のアプリケーションのウインドウの背後に隠して、デスクトップをクリックしたときだろう。メニューはFinderのものになるが、ウインドウは全て他のウインドウの背後にあって操作はできない。要するに、ウインドウは全て独立に管理されていて、自分自身の階層を持っているのだ。
 OS 9までは、ウインドウの重なりにはウインドウ同士のそれとは違う一つ上の階層、アプリケーションの階層というものが存在していた。つまり、あるアプリケーションに属するウインドウがクリックされたならば、そのアプリケーションの管理している全てのウインドウ群が前面に出てきていた。
 ある意味では協調的マルチタスクの名残と言えないこともない。あるプロセスをアクティブにするということは、そのプロセスに属する全ての要素をアクティブにすることにつながる。
 しかしながら、少なくとも私にはOS 9までの操作が身体に染み付いてしまっているし、OS Xでウインドウごとに重なり具合を管理をするようになって、それに最適化されたUIを示したアプリケーションがあるわけでもない。iChatも複数ウインドウを管理するが、iChatを使っているときにはやはりiChatのウインドウは全部アクティブになっている方が使い勝手が良いように思える。
 OS X上でそういう使い方をしたければ、Dock上のアプリケーションアイコンをクリックすればいいのだが、それはなんかすごく迂遠な感じを受けるのだ。まるでWindowsを使っているような迂遠な感じ。それに、その手のUIなら、ずっと蓄積を続けてきた結果であるWindows XPの方が多少なりとも洗練されている印象を受ける。やはり私にとっては、アプリケーションを象徴するのはそのアプリケーションが画面に表示しているウインドウなのだ。
 というわけで、ASMがないOS Xは私にとっては相変わらず使いにくいOSであるということを再確認させてくれた点で、JaguarとASMのリリースのタイムラグはある意味貴重であった。

 WindowsのMS-IMEに限らず、連続して入力した場合と一度returnを押して確定してから入力した場合で第一変換候補が違うことがあるという事例に何度か遭遇するのだが、これは要するに文脈を見て判断するという機能が上手く働いていない事例なのだろうか。
 非常に鬱陶しいので、こんなのが出るくらいなら文脈変換など切ってしまった方がなんぼかマシなんではないか。


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