つのだたかしとケンブリッジ大学セントジョンズ校聖歌隊
コーラル・スカラーの夕べ

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出演:つのだたかし、 ケンブリッジ大学セントジョンズ校聖歌隊コーラル・スカラー
主催:カフェ・クレンツヒェン、MINTON Ltd.
1997年9月19日(金) 6:30pm
ノバホール(茨城県・つくば市)

常陽リビングGAMANETによる演奏会案内

[プログラム]
<ルネサンス宗教音楽>
エレミヤの哀歌(アルフォンソ・フェラボスコ)
御母は純潔のままに(ジャン・ムートン)
おお救いのいけにえ(ラ・リュー)
アヴェ マリア(コーニッシュ)
この日こそ(バード)
<ポジティヴ・オルガン独奏>
ヴォランタリ 二短調(パーセル)
<中世ルネッサンスの世俗音楽>
良き友との気晴らし(ヘンリー8世)
四本の腕、二つの顔(トマス・ウィルクス)
夏は来たりぬ(作者不詳)
<ジョン・ダウランドの音楽>
[リュート独奏]
プレリュード
涙のパヴァーヌ
エリザベス女王のガリアード
[リュート歌曲]
さあ、もう一度、愛が呼んでいる
悲しみよとどまれ
ぼくの受けた苦しみを
言ってくれ、まことの愛よ
つれない人、ぼくの心を奪って
<ポジティヴ・オルガン独奏>
コラール前奏曲「深き淵より」(J.S.バッハ)
<英国民謡>
ロッホ・ローモンド(ヴォーン=ウィリアムズ編)
いばらの茂みを通って(ヴォーン=ウィリアムズ編)
<クロス・ハーモニー>
ドント・ウォリー・ビー・ハッピー(ボビー・マクファーリン/J.バートン編曲)
イエス・サー・ザッツ・マイ・ベイビー(D.ジョーダン編曲)
ア・ハード・デイズ・ナイト(ビートルズ/J.バートン編曲)
愛はきらめきの中に(ビージーズ/K.レディ編曲)
●久々(最近このコトバ多し;_;)のコンサート。今回は自らステージに立つなどして 馴れ親しんだ地元ノバホール。いままで何度となく足を運んでいたんだけど、 古楽の演奏会があんまりなかったのでこのページに紹介するのは初めて。 古楽やるには1,000人規模のホールはやや大きいってのと地元民の嗜好というか 需要少なめなのが原因か。でもどんな演奏会を行うか、どんなアーティストを 呼ぶかは、実はホール担当者とか○○振興財団職員の裁量によるところが 大きいのではないかと勘ぐっているんだけど、どうっすか?> 関係者各位。 昨年はガーディナー/モンテヴェルディ合唱団招致という快挙 (私は行けませんでした)をやってのけたノバホールだが、今回はなんと 一ママさんコーラスがつのだたかしと伝統あるケンブリッジ大学 セントジョンズ校聖歌隊のジョイント・コンサートを企画。その運動ぶりが 地方紙にも取り上げられるなど話題となった。
●18:50会場に到着。しかし様子が変。なぜか18:30開場と勘違いしていたんだな、 ゲストブックに18:30開演と示されているにも関わらず。フツー19:00だよな、 いくら今日、サッカーW杯2次予選UAE対日本@アブダビ が22:40(日本時間)から あるからって、なにも繰り上げなくても(笑)。というわけで、プログラムの <ルネサンス宗教音楽>は全く聴けず。私が、そしておそらくここ見てくれてる 方々も関心が高いであろう部分のコメントができなくて面目ない。 そして驚いたことにプログラムが品切れになるほど客が入っているではないか。 女声コーラス、カフェ・クレンツヒェンの集客能力にはあなどれないものがり、 結局臨時開放の2階席へ誘導される。
●男声合唱を生で聴くなんて昨年のクレマン・ジャヌカン・アンサンブル以来で 超新鮮。中ルネ世俗曲は小人数で歌われ「夏は来たりぬ」のカノンの精巧さなどは さすが。あっという間に休憩時間となってそのあとつのだたかしによる リュート独奏。つのださんが初心者向けリュート解説をマイクを使って行ったので、 こんな遠距離で音が楽しめるかなと不安になったが、演奏が始まると 聴衆もその音の小ささを実感したのか、聴き漏らすまいと予想外に静まり返った。 おかげで意外なほど演奏に集中することができたんだけど、絶対的な距離を 感じてしまうのは致し方ないか。 そしてコーラル・スカラーとの共演。波多野睦美のCDでおなじみの ダウランド・リュート歌曲を独唱/4声合唱で演奏。なお、最初の曲は 「もどっておいで、甘い愛」とも訳される例の有名な曲。ソロもいいけど 合唱版も楽しくて良さげ。リュートとのコンビネーションという点では、 波多野&つのだの絶妙かつ究極の呼吸の一致を知っている私としては やや不満の残るものがあった。
●オルガン独奏はパーセルとバッハが1曲ずつでなかなか良かったんだけと ペダルの音ってあんなにパコパコいうものだっけ? 英国民謡とポピュラー音楽の編曲、こちらはそれまでとはがらりと変わって 陽気なブリティッシュ・ガイズによるコーラスといった感じ。こういう演奏を 聴くと彼らも普通の大学生なんだなーという親近感の一方で、若いっていいよな などと感じてしまっている自分に気付く。 アンコールにはビーチ・ボーイズの「サーフィン・USA」まで飛び出して、 これはシャンティクリアか、と思わせるようなノリに。
●彼らは年末に来日する聖歌隊本体の先鋒として日本に送り込まれたのだが、この日の 演奏から本体の水準の高さが伺い知れる。ただ、彼らの本領は大人数での 演奏でより発揮されるのではないだろうか。この日もソロより4人、4人より 10人での演奏のほうが生き生きしていたように思う。 もう半年以上も歌っていない私に強烈にハモり願望を復活させる演奏会だった。
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Last Modified: 2008/Jun/10 00:11:06 JST
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