ZAPPING TALK BATTLE


 
第3回 RPGはドコへ行く/VS Mrs.クリン
 
今回のお客様 Mrs.クリンさん のProfile
 
ファミコン時代からRPGひとすじに歩んでらっしゃった、スクェアらぶらぶの主婦ゲーマー。フェイバリットゲームは「FF6」「ドラクエ3」で、現在は「ゼノギアス」の2巡目をやり倒しつつ「パライヴ」待ちだそうです。
 
sect 01


「自分探し」の物語
 
 どうもどうも、お招きにあずかりまして……って、でも私ってばゲームは好きだ
  けど、きちんと批評するとかムツカシイ話はできませんよ〜。いいんですか?
 まあ、その辺はあまり気にされなくとも。一応テーマは設けますが、あまりそれに
  こだわらずゲームにまつわるヨモヤマ話を楽しんでってくださいな。
 わっかりましたあ!ところでMAQさんも「ゼノギアス」やってるんでしょ?いまど
  の辺?
 いや、まだ始めたばっかしなんです。具体的にいうと、フェイが海賊の仲間になっ
  て教母様を助けに行くとこ。
 そんじゃまだ全然先が見えない段階だねー。
 ですね。訳の分かんない人が次々と出てきては去っていくって感じで。メンバーも
  固定しないし、主人公同様に運命の波に翻弄されてるって感じですね。
 主人公の設定とかストーリィの骨格は、最近のスクェアの趣味丸だしの陳腐なお話
  だけど、展開、早いもんね。わけのわかんないままクイクイ進んじゃう。
 ドラマチックというより押し流されてくって感じですよ。主人公のフェイが記憶喪
  失だから、いっそうそんな風に感じるのかも知れないけど……そういえば、近年の
  スクェアって記憶喪失の主人公が多いと思いません?
 ああ、いわれてみればそうかもね。「FF7」のクラウドはもちろんだし、6のティ
  ナもそうよね。
 でしょ?どれも世界を救うとかそーゆー使命感よりもまず、「自分探し」が冒険の
  第一の動機になっているっつーか。
 悪くいえばエゴイストばかりよね。世界の運命なんかどうでもいいんだ、みたいな
  こと言うし。
 スクェアだけじゃないですよね。こないだやった「ブレス・オブ・ファイア2」も
  「MOON」も、結局自分探しのお話だった。
 そっかあ、なんなんだかな〜。まあ、世界を救う!みたいな「大きな話」にリアリ
  ティがなくなってきたのは確かだけど。
 だからって「自分探し」というのもね、もう陳腐化してる気がします。……じゃ、
  次はなんだって聞かれるとわかんないんですけど。
 私的にはねー、もっともっと個人的な動機で闘うヒーロー物語があってもいいと思
  うな。恋人を守るとか、家族を守るとか。
 そうですね、そういう方向で徹底した定番的な物語って意外とないような気がする
  し。 うん、いいかも知れない。べつに世界を救うようなすんげえおっきい話である
  必要はないんですよね。
 でしょ?自分の村を守るとかさ、そういうレベルでもキャラとかストーリィとかよー
  く練れば面白くなりそうじゃん。少なくともグジグジ悩みまくる主人公よりは、「妻
  を守る」ために闘う主人公の方が、私はすんなり感情移入できそうな気がする。
 「FF6」のカイエンを連想するなあ。たしかにあのエピソードは泣かせますもんね。
  さすが主婦ゲーマーチックな発想ですね。
 やっぱセコイかしらん?
 いえいえ、そんなことないですよ。ちょっと違うかも知れないけど、「マリーのアト
  リエ」に近い発想というか…… 。世界を救うなんて大きな話よりも、とりあえず自分
  の大切なものを守る、あるいは個人的な夢を達成する方が、自分自身にとっては重大
  問題なんだという。身の丈サイズのRPG、みたいな。
 売れそうもないな〜。「マリー」は売れたらしいけどね。
 
 
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sect 02


荒廃した未来と、現代と
 
 それにしても、RPGに「自分探し」の物語が増えているというのは、なんだかい
  まの世相を反映しているような気がします。
 そういえば、ゲームじゃないけど「エヴァンゲリオン」なんかもテーマは通底して
  るのかもね。
 世界観もそこに関係してきますよね。特にスクェアの最近の作品に共通して使われ
  ている、荒廃した未来世界ってやつ。あの世界に漂う「出口なし」の閉塞感みたい
  なもんが、主人公をして「自分探し」に向かわせるという。
 荒廃した未来か……「ブレードランナー」みたい。こういうのってアクが強いから、
  いささか食傷気味って感じもあるかも。
 まだ発売されてないけれど、「パラサイト・イヴ」の世界観もその流れの一つなん
  じゃないかな?
 「パライヴ」は現代でしょ?
 そうだけど、「荒廃した現代」って「荒廃した未来」とほとんど同じだと思うんで
  す。荒廃した世界ってのが基本にあって、それをリアルに振れば「パライヴ」。ファ
  ンタジィないしはSFに振れば「FF7」って感じ。
 「パライヴ」は、雑誌とかに紹介された画面の写真から受ける感じは「バイオハザ
  ード」っぽかった。
 リアルだけど、やっぱモロ荒廃してるような。
 そうかな〜。なんだか考え過ぎのような気がするけど。まあ、なんにしろ今さらバ
  リバリに中世風の世界ってのも流行らないのかも知れないなあ。
 そうですねえ。「FF8」の開発も始まったらしいけど、どんな世界になるんでしょ
  うね。
 う〜ん、見当もつかないな〜。そんな風にいわれると、PSに移った「ドラクエ」も
  不安になってくるなあ。あれは変えてほしくないよね。少なくともあのテイストは残
  してほしい。
 どうでしょうねえ。こればっかりは出来てみないとわからないけど、FFのマネはし
  ないでしょ。「ドラクエ」の看板にかけても。……まあ、中世ものなら「キングスフ
  ィールド」だってあるじゃないですか。新作の情報はまだ何も入ってこないけど、あ
  のシリーズはたぶん絶対変わらないんじゃないかな。
 「キングス」か〜。1はやったけど、私はちょっと合わないみたい。
 あ、ダメですか?僕は好きですよ。あの徹底したストイックさがたまんない。
 そうね、なんかあれってストーリィとかドラマとかがほとんどないじゃない。いや、
  あるんだろうけど、それってほんと添え物でしかないよね。キャラクターだってなん
  だかほんとに無個性だし。
 まあ確かにそうですね。「キングス」はあの長い長い3Dダンジョンの探索とバトル
  そのものがメインのゲーム。ストーリィやキャラクターを楽しむというのとは全然違
  いますね。パソゲーに近いテイストというか。
 あの陰鬱なダンジョンを歩き回っていると、なんかこう閉所恐怖的な気分になってく
  るのよ〜。
 う〜ん。3は外が舞台だからずいぶん開放的ですよ。
 らしいけどね。まあ、私はいいや。
 
 
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sect 03


専業主婦ライフはゲーム天国?
 
 ところで、クリンさんみたいな主婦ゲーマーって多いんでしょうかね。
 けっこういると思いますよ。専業主婦で子供がいなければ、時間的にいちばん融通
  がきくショーバイですからね。ハマるともう、とめどないって感じじゃないかな〜!
 ははあ、なるほど。 じゃ、たとえば昼間っからプレイしてたりするわけですか?
 他の人は知らないけど、私は夜より昼の方が多いなあ。夜はね、いちおう食事作っ
  たりするし……。昼間は1人だからいくらやっても文句いわれないから。べつに夜
  やってたからって文句いうようなヒトじゃないけどね、一応遠慮してるわけ。夫婦の
  時間ってもんも必要だと思うし。そのかわり朝、ダンナを送りだしてからテキトーに
  掃除と洗濯済ませて、あとはもうひたすらゲーム!ってことよくあるなあ。ヒドイ時
  はいちんち中やりたおして、ダンナ帰ってきたら夕食の用意もなんもなし!なんて事
  もね〜。
 ご主人、怒らないんですか?
 ウチの人はそういうとこすごく鷹揚なヒト。食べるものがなければ、自分でラーメン
  かなんか作って食べたりしてる。
 ……なんというか、できた方ですねー。ま、最近は質量ともにボリュームたっぷりの
  大作RPGが多いですからね。フツーに仕事もって働いてる人間にはプレイする時間
  をひねくりだすのも悩みのタネだけど、クリンさんの場合はそういう心配がないわけ
  ですね。そうなってくると、ゲーム会社も主婦ゲーマーをきちんとマーケットとして
  意識する必要がありそう。
 そうよね〜。いつまでも「アンジェリーク」 ばっかじゃねえ。
 V6の育成ゲームが出たそうですが?
 V6にはあんまし興味ないし、あの古くさい少女マンガ風のキャラクターは勘弁だわ。
  でも、SMAPだったら買い!(笑)
 んじゃ、SMAPの実写取り込みで恋愛シミュレーションとか……。
 買う!ぜったい買う!(笑)
 コナミさんとジャニーズさんは検討しといてください(笑)
 マジでお願いしたいですね!
 ちなみにこれから出るソフトでは、どんなものに期待してます?
 ありきたりだけど、やっぱ「パラサイト・イヴ」ね〜。「ゼノギアス」でいろいろ新
  しい試みに挑戦したスクェアが、今度はどんな“新しさ”を見せてくれるのか?楽し
  みっす〜!
 先の話ですが「ドラクエ」は?
 これはまだだいぶ時間がかかりそうだけど、ともかくPSという新たなプラットフォー
  ムを得てあの「ドラクエ」がどう変わるのか、注目ですネ。FFがPSに移って世界観
  が一変したように、「ドラクエ」もまた変わってしまうのか……気になりまくりっ!
 ま、子供ができたら、これまでみたくハマりまくりというわけにはいかんでしょうけど。
 そしたら、親子でゲームしちゃおーっと!
 
 
(talk in February-March 1998)
 
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