名探偵の殿堂 夏休みスペシャル【 PART2】


       祝福のダイイングメッセージ 問題編 TANISHI
 
【前口上】
 
 こんにちわ、TANISHIです。再びMAQさんのご好意により、ここに拙作を公開できる運びとなりました。前作の『ゆくえさがし』は昔のボツネタを引っ張り出してきたものでしたが、今回の作品は正真正銘の新作・書き下ろしでございます。(ショート・ショートとはいえ、いったい何年ぶりだろう?)
 実は、純粋に「犯人当てクイズ」形式のものを書いたのは今回が初めてです。クイズとして成立するよう、MAQさんには色々とご意見をいただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。
 さて、本作品はクイズとしては(作者の意に反して)“大変やさしい”部類に入るのだそうです。たった2回のチャレンジで完全解答されたMAQさんが仰るのですから、間違いないでしょう。ぜひ皆さんも“完全解答”だけでなく“早期殿堂入り”を目指して、チャレンジしてくださいませ!
  
 

<登場人物>
菊地 次郎:新郎
佐倉 花代:新婦
梅田 和夫:新郎新婦の友人、被害者
椿本 陽介:新郎新婦の友人
桃井 智恵理:新郎新婦の友人
左寺 咲子:披露宴の司会者
松岡:先輩刑事
竹田:後輩刑事
 
 
 
「あれ、梅田くんはまだ戻ってきてないの?」
 智恵理はテーブルに戻るなり、陽介に尋ねた。
「そうなんだよ、和夫のヤツどこをほっつき歩いてんだか。もうすぐスピーチの順番が回ってくるっていうのに」
 菊地次郎と佐倉花代の結婚披露宴は、すでに後半に突入していた。赤いスーツに身を包んだ、女性司会者の張り切った声が響く。
「さあ、お待たせいたしました。お色直しでガラっと雰囲気を変えて、新郎新婦が再び入場いたします。皆さま、入り口の扉にご注目くださいませ」
 スポットライトを浴びながら、次郎と花代は登場した。新郎は黒の燕尾服、新婦は深紅のイヴニングドレス姿である。
「わぁー、真っ白なウェディングドレスや鮮やかな色打ち掛けもよかったけど、落ち着いた色のイヴニングもいいわよねぇ……ね、それにしても椿本くん、なんで今日は白のタキシードなんて着てきたの?  下手したら新郎の菊地くんより目立っちゃってるわよ」
 そういう智恵理は、白のワンピース姿である。首元には真珠のネックレスがぶら下がっている。
「あ、それは、このまえ桃井が白い服を着てくるって言ってたから……」
「え、なに?  聞こえない」
「いや、何でもないよ。それより俺、ちょっと和夫を探してくるよ。ったくもう……」
 照れ隠し半分で毒づきながら、陽介は円卓を離れた。そして、新郎新婦と入れ替わるようにして披露宴会場の扉から出て行った。
 キャンドルサービスも終わり、友人代表のスピーチが2人目にさしかかったとき、陽介が青い顔をして会場内に戻ってきた。そして、智恵理の耳元でこう囁いた。
「なぁ、桃井……こういう場合はどうしたらいいのかな。和夫のヤツ、死んでた……」
「な……何を言ってるの?  こんなおめでたい日に冗談はやめてよ」
 智恵理は小声で陽介をたしなめたが、彼の様子がただならぬことに気付いた。
「え……ホントなの?  だったら早く誰かに知らせなきゃ。行きましょ」
 2人して席を立ったが、陽介はまだ呆然としていた。
「さくら……ことぶき……」
「え、なに?」
 怪訝そうな顔をした智恵理の問いかけに、陽介は反応しなかった。彼の目は、宙を行く見えない何かを追いかけているようだった。
 
 
 都内では名の知れた某ホテル。その4階には披露宴によく使われる宴会場が並んでいる。そのフロアより1つ上の5階には、結婚式用のチャペルもある。チャペルとはちょうど反対側の廊下を進み、その少し奥まったところに菊地家/佐倉家の親族控え室はあった。本日最後の披露宴だったためか、室内の小さなテーブルの上には多くの空になったお茶碗が片付けられぬままになっていた。
 梅田和夫は、その親族控え室の中でうつ伏せになって倒れていた。もう息はしていない。テーブルの下には彼のメガネが転がっていた。倒れた拍子に外れてしまったものと思われる。
 床に倒れた彼の胸の下と口の周りには、血溜まりが広がっていた。その原因は、彼の胸に突き立てられている果物ナイフにある。肺を傷付けて呼吸困難になったせいか、吐血の跡もある。このため、声に出して助けを呼ぶことができなかったのだろう。
 仮にもし、声を出すことができたのだとしても、1フロア下の宴会場まで届くはずもない。結婚式は全ての組が終了しており、殆どの人々は披露宴会場の中にいる。チャペル前のロビーに人影は殆どなく、気付いて駆けつけてくれる者がいたとも思えない。
 彼の右手は前方に伸ばされており、その人差し指は赤く血で染まっていた。床には血で何やら幾つかの文字が書かれている。声を出せないなら、言いたいことは書くしかなかったのだ。彼の人差し指は、書き終わったその最後の一文字を指差しているようにも見える。
 もはや物言わぬ彼は、誰かがやって来てそのメッセージを読んでくれることを、まるで待っているかのようだった。最初に読んでくれたのが椿本陽介だったことを知ったら、果たして彼は喜んだだろうか。
 
 
 結局、陽介と智恵理はまずホテルの結婚式場スタッフに知らせることにした。いきなり警察に連絡したのでは、騒ぎを大きくして披露宴が台無しになるんじゃないか――そう智恵理が提案したからである。
 この判断は正解だったようだ。こんな不測の事態に対してホテル側は冷静だった。もちろんすぐに警察に連絡を入れたが、披露宴会場にいるお客さまに異変を悟られないよう、細心の注意を払って対処されたのだ。
「えー続きましては、新郎新婦の大学時代からのご友人でいらっしゃいます、梅田和夫様よりお祝いのメッセージを頂戴したいと存じます。梅田様、よろしくお願い致します……梅田様? あ、大変失礼致しました。ちょっといらっしゃらないようですので、先に新婦の職場の同僚でいらっしゃいます仲良し4人組の皆さまに、お歌をご披露していただきたいと存じます」
 一瞬会場がざわついたが、すぐに元通りになった。慌てている仲良し4人組を除いては。
 梅田がいるはずのテーブルは3名分が並んで空席になっていたが、周りに気にする者はいなかった。司会者でさえ、まさか1フロア上に死体が転がっていようとは想像できなかったに違いない。
 披露宴に列席した全員が警察によって足止めを食らうことを知ったのは、花束贈呈も終わってこのおめでたい宴が無事にお開きになってからのことである。何を隠そう、凶報を一番初めに知らされたのは、スポットライトを浴びて退場した直後の新郎新婦であった。
 
 
「松岡先輩、刑事になってから初めてですよ、ダイイングメッセージなんてものに出くわしたの。やっぱりアレは犯人を指しているんでしょうかねぇ。先輩はどう思います?」
「ばーか、あんな血文字で犯人が分かるくらいなら警察はいらねえよ。なあ、竹田よ。俺たちプロは、聞き込みと証拠固めで犯人を絞り込むんだよ。さっきからダイイングメッセージって言ってるけど、おまえにはアレなんて読めた?」
「僕には さくら 寿 って読めましたけど……。指で書いたせいか字が崩れていて読みにくかったですけどね、線が太かったり細かったり掠れていたりで」
「で?  そのメッセージの意味は何だって言うんだ?」
「そりゃあ……『佐倉さんおめでとう、お幸せに』って意味かなぁ」
「ばーか、何で死ぬ間際に新婦を祝福しなきゃあならないんだよ。もうご祝儀は包んで渡してあるはずだろ?」
「いえ、でも被害者は本当はスピーチをするはずだったらしいですよ。でもそれが誰かに刺されたため叶わなくなったんで、言いたかったことを血文字に託して……ってそんなわけないですよね」
「ああ、友達だったんなら今まで『おめでとう』を言う機会は幾らでもあったろうしな。そんなことより、披露宴の招待客全員から事情聴取だ。新郎新婦とその両親、媒酌人、あの女の司会者もだ。他の班のやつらと手分けして当たってくれ」
 
 
 聞き込みの結果、すぐに分かったことが二つある。一つは、梅田和夫の死亡推定時刻が極端に絞りこめたことである。梅田和夫が披露宴会場のテーブル席を立ってから椿本陽介に発見されるまで、15分ほどしか経っていなかったのだ。
 もう一つは、その時間帯での各人の“動き”である。まず結婚式場のスタッフは忙しくて手を離せない状態だったらしい。彼らからは、同僚の誰一人として“見なくなった”人はいなかったという証言が得られている。また、媒酌人はもちろん新郎新婦のご両親、そして多くの列席者がその時間帯は会場内にとどまっていたことが確認された。
 15分というその時間内に、少しでも披露宴会場から外に出たという人物は、和夫を除けば5人に絞られた。「しばしご歓談を」と言い残して休憩に出て行った司会者の左寺咲子。お色直しで新郎より一足早く席を立った新婦の花代。遅れること十数分、これもお色直しで出て行った新郎の次郎。(そしてこの後、和夫が席を立った。)和夫がいなくなった後、トイレに席を立ったという智恵理。智恵理が戻ってから、和夫を探しに行ったという陽介。
 果たして偶然なのかどうか、司会者の左寺を除いたその4人は皆、被害者である和夫とは大学時代の友達同士であった。
 
 
「で、その5人とガイシャとの関係については何か分かったのか?」
「ええ、松岡先輩が鑑識とか他の班とダベって……もとい、情報交換されている間に聞き込んできましたよ。まず新郎の菊地次郎ですが、被害者の梅田和夫とは大学時代に同じクラブに所属していて、ウェイトリフティング部の同期だそうです」
「ほう、同期ねぇ」
「あ、ちなみに5人とも同期です。部活は一緒だったり違ったりしていますが」
「おい竹田、もう少し整理して言ってくれよ。その5人ってのは司会者も入れての5人か?  それともガイシャを含めての5人か?」
「あ、スミマセン。被害者の梅田を含め、菊地、佐倉、桃井、椿本の5人が、同じ大学の同期です。司会者の左寺につきましては、被害者と接点はなさそうです。あれ、松岡先輩、知りません?  ローマ字で“SADERA”って名前でテレビのリポーターとかFMのDJとかもやってて、“さっちゃん”の愛称で親しまれています。そこそこ人気もあって、売れっ子なんですよ。今日も披露宴の直前ギリギリに間に合ったんだとか」
「さあ、司会者っていったら浜村淳くらいしか知らないよ。それより同期5人の関係についてもっと詳しく教えてくれ」
「あ、はい。ええっと、新郎の菊地はウェイトリフティング部と奇術サークルを掛け持ちしていました。ちょっと妙な取り合わせですが。で、新婦の佐倉花代は奇術サークルに所属していて、菊地と深い仲になったと。椿本陽介も奇術サークルの所属でした。あと、桃井智恵理はウェイトリフティング部のマネージャーをしていたということです。そしてさっき報告したとおり、梅田はウェイトリフティング部に所属していました。みんな菊地を通じて知り合ったという形ですが、大学時代は“仲良し5人組”と呼ばれるほど、よくつるんでいたそうです。その関係は、大学卒業後も続いていたということです」
「なるほど、披露宴には他にも大学時代の友人知人は来ていたようだが、関係が深かったのはコイツらだったってことか。で、コイツらの評判とか何か面白い話は聞けたか?」
「ええ。まず被害者の梅田ですが、どうやら新婦の佐倉に岡惚れしていたみたいです。でも佐倉にしてみれば、梅田はただの友達としか感じてなかったようですが。公然と付き合って結婚までこぎつけた菊地のことを、梅田はかなり嫉妬していたのではないでしょうか」
「そうだな、“仲良し5人組”っていっても心の奥底では何思っているか分からねえもんだからな」
「一方、桃井智恵理は梅田のことを好いていたらしいです。何でもメガネを外したときの梅田は素敵だとか、女友達には言ってたらしいです。梅田は近視と乱視がきつかったそうですから、メガネを取ったときは目を細めるしぐさがきっとシブイんでしょう」
「逆にメガネをかけてるときは目が小っちゃく見えてパッとしないんだろうな。で、桃井の想いは梅田に伝わっていたのか?」
「いえ、佐倉に惚れている梅田がそのことに気付いていたかどうかは怪しいそうです。桃井は洋菓子店に勤めているのですが、なんでもバレンタインデーに梅田に愛のメッセージ入りのチョコを渡したことがあるそうです。しかし梅田は甘いものが苦手らしく、近所の子供にあげてしまったらしいんですよ」
「こりゃあ、桃井にとっては面白くないことだな。恨むとすれば梅田の方か佐倉の方か……」
「次に椿本ですが、大学時代は奇術サークル以外に邦画研究会にも所属していて、特に『男はつらいよ』シリーズが大好きなんだそうです。で、その映画に出ている女優に似ているっていう理由から、椿本は桃井のことが好きになったらしいんです。これがまた一方的な恋のようでして。どうやら椿本が白のタキシードを着ているのは、桃井とお揃いにしたかったからだそうですよ。式場のスタッフに新郎と間違えられて往生したらしいですけど」
「披露宴に白い服を着てくるなんて非常識なヤツらだな。ま、それはともかく桃井は梅田のことが好きで、椿本のことを振り向いてくれない……となると、椿本も梅田のことを疎ましく感じていただろうな。桃井と椿本に動機あり、か……。まあ、この程度の動機なら佐倉や菊地にだって無いとは言えんな。嫉妬に狂った梅田が、ストーカーまがいのしつこいアプローチを続けていたかもしれんからな」
「そうなると、一体どこが“仲良し5人組”だよって感じですよね」
「まったく。うまくいかないもんだな人間関係ってのは。うまくいってたのは菊地と佐倉のご両人だけか」
「ええ、そのようですね。2人のアツアツぶりは周りの知るところです。新居のマンションは、全室フローリングでリビングは床暖房つき、ラグとソファはイタリア製、トイレはウォシュレットつきなんだそうですが、佐倉は友人たちに『このマンション、きれい好きの彼が選んだの。素敵でしょ』って、よく自慢していたそうです」
「それって、マンションの自慢か?  彼氏の自慢か?」
「さあ。とにかく、よくのろけていたそうです。カッコイイとかクールだとか。菊地のかっこ悪い場面を今まで見たことないらしいですよ。ウェイトリフティングでも軽々と持ち上げるところしか見なかったそうです」
「それって持てないような重いバーベルは避けてたってことだろ?  よっぽど人前でカッコつけたいとか恥かきたくないとか思ってるヤツなんだな、菊地って。ウェイトリフティング部ってのも見た目の筋肉つけるためかもな。鏡の前でナルシストぶってたりして」
「そういやあ奇術サークルにも相通ずるものがありますよね。人前で失敗しないように鏡の前で練習するっていう」
「まあ、そんなカッコつけたりすんのも結婚前までだよ」
「なーるほど、既婚者の意見は重いですねー」
「うるさいよ。他に何か情報は?」
「えー、本日新郎が着ていた黒の燕尾服は、貸衣装ではなく自前だそうです。ステージマジック用の衣装を自分で持ってきたのだとか」
「おまえ、下らない情報も仕入れてきているなぁ。他には?」
「あ、何人かから聞いたんですけれども、梅田はスピーチで爆弾発言するって言ってたそうですよ。何でも、このことを椿本陽介は知っていたようです」
「それは爆弾発言の内容まで知っていたってことか?  それとも、何か爆弾発言をするってことだけを知ってたに過ぎないのか?」
「椿本によれば後者のほうだそうです。梅田はいったい何を言うつもりだったんでしょうね。やはり『この新郎は実はとんでもないヤツでして―』とか、『花代さん!  大好きでしたー』とかですかねぇ」
「いや、他にもあるかも知れんぞ。言われて困るのは新郎新婦だけとは限るまい。まあ、そんなことはどうでもいいか。犯人逮捕は時間の問題だし」
「え?  松岡先輩はもう犯人分かっちゃったんですか? ひょっとしてダイイングメッセージを解いちゃったとか……」
「ばーか、違うよ。こんな場所での殺人なんてあまり計画的だとは思えない。きっと犯行はバタバタしたものだったと思う。となれば、指紋なり毛髪なり犯人を特定する物証はごろごろ出てくる筈だってことさ」
 松岡の言うとおり、現場には数々の物証が残されていた。これにより、後に警察はたやすく犯人に辿り着くことになる。数々の経験から松岡はそう予想できたのだった。若手の竹田にとって、この時点で何らかの予想を行うことは困難であったに違いない。
「だから、ダイイングメッセージの謎を解くなんてのは、俺たちの仕事じゃないってことだよ。まあ、頭の体操にはもってこいかもしれんけどな。鑑識の結果が出るまで時間もあることだし、少し考えてみるとするか」
「そうこなくっちゃ。どうぞ、これを見てください。例のダイイングメッセージを写したポラロイド写真です」
「お、手回しがいいな。さて、これを見て竹田は、どういうことに気付く?」
「そうですね、まず“さくら”ってのは佐倉のことを指しているんでしょうね……って、こんな単純に考えちゃっていいのかな?  ひょっとして、“さくら”の方じゃなくて“寿”の方が犯人の名前を指してたりして」
「ばーか、そんなわけないだろ! 他に気付いたことは?」
「えーっと、気付くというか、気になるのはやっぱり“寿”って文字ですよね。殺人事件にはどうもそぐわない文字です」
「ああ、そうだな。それに何故わざわざ“寿”っていう漢字を使ったんだろうか。ひらがなの方が書きやすいはずなのに」
「そうですよね……ん?  いえ、ひらがなの“ことぶき”の方が画数は多いですよ……14画ですね。漢字だと7画で済むからじゃないですか」
「うーん、同じような意味の他の言葉じゃあダメだったんだろうか。どうも漢字を使っていることが解せないよなぁ」
「それにしても、なんで我々にはメッセージの意味が分からないんでしょうか。伝わらなければ意味がないのに」
「そうだな、どこかヒネリを効かせてあるとでもいうのだろうか。暗号か、隠語か、はたまた言葉遊びか……」
「あ、そうだ。言葉遊びで思い出したんですけど、こういうのご存知ですか?」
 
 竹田は手帳に何やら多くの文字を書き込んだ。そしてそのメモを松岡に見せた。そこには、以下のような言葉が連なっていた。
コトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキゴキブリコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキコトブキ
「何だこれは?」
「これも頭の体操ですよ。学生時代に流行ったんですけど、これを見て何かおかしなところに気付きませんか?」
「おかしいも何も、こんなに多くの“コトブキ”を書き連ねること自体がおかしいよ」
「それ以外にですって。昔、“ウォーリーを探せ”ってのが流行ったのを憶えてます?  まあ、あれの文字版ってところですね。これら多くの“コトブキ”の中に仲間外れがいることに気付きました?」
「ん?  待て待て……ああ、あったあった。一つだけ“ゴキブリ”が紛れ込んでいるな。確かにちょっと見ただけでは気付かないもんだ」
「そうでしょう。こういうの、先輩の時代には流行りませんでしたか?」
「ああ、思い出したよ。“コトブキ”ってのはなかったけど、当時は別のパターンがポピュラーだったな……ん? ……」
「松岡先輩、どうかされましたか?」
「おい、血文字の写ったポラロイド写真、もう一度見せてみろ」
「あ、はい、どうぞ。何か分かりましたか?」
「なるほど、そういうことだったのか……」
 
 
《読者への挑戦》
 
さて、わたくしTANISHIは、読者の皆さまに挑戦いたします。
 
1.梅田和夫を殺害した犯人は誰か?          
2.梅田和夫を殺害した犯人の動機は何か?       
3.梅田和夫が残したダイイングメッセージの意味は何か?
 
以上の3点についてお答えください。
実は、3.を解明すると、自動的に1.と2.も導き出されます。
もし余力がございましたら、
4.なぜダイイングメッセージに漢字を使う必要があったのか?
についてもお答えください。
論理的考察や状況分析、想像力などを総動員して、真相を推理願います。
 
【解答の仕方】
 
●正解を得たと確信された方は、メールにてMAQにお答えをお送りください。
●例によって、解答に掲示板を使うことはご遠慮下さい。
●みごと正解された方には……別に賞品は出ませんが、JUNK LAND内「名探偵の殿堂」にその名を刻し、永くその栄誉を讚えたいと思います。
●解決編は隠しページとしてアップします。「正解者」および「ギブアップ宣言者」にのみ、メールにてそのURLをお伝えします。
●「ギブアップ宣言」は、掲示板/BOARDもしくはメールにて「ギブアップ宣言」とお書き下さい。MAQがチェック次第、解決篇のURLをお教えします。
 
回答の宛先はこちら>yanai@cc.rim.or.jp
 
ではでは。名探偵「志願」の皆さまの健闘をお祈りします。
 




 
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