[ちゃきファン] テレビドラマ

昭和16年の敗戦


金曜ドラマシアター
開戦五十年特別企画
昭和16年の敗戦
[放映] フジテレビ 1991.12.06(金) 21:00〜23:30

スタッフ

配役

久保山亮一中村雅俊 総力戦研究所 学生 南満州鉄道 社員
秋島昇平神田正輝 総力戦研究所 学生 同盟通信社 政治部記者
飯田千太郎田村高廣 総力戦研究所長 陸軍中将
久保山久子中田喜子
志垣清勝野洋 総力戦研究所 学生 海軍少佐
野崎学三浦浩一 総力戦研究所 学生 物価局 事務官
朝川誠司美木良介 総力戦研究所 学生 日本銀行 書記
平井勝片岡弘貴? 総力戦研究所 学生 陸軍大尉
森吾郎別所哲也 久子の弟 同盟通信社 政治部記者
吉川十和子 秋島の婚約者
近衛文麿仲谷昇 内閣総理大臣
東条英機高松英郎 陸軍大臣
松岡洋右戸浦六宏 外務大臣
誠直也 総力戦研究所 所員 陸軍
勝部演之 総力戦研究所 所員 海軍
内田直哉 総力戦研究所 学生
新井康弘 総力戦研究所 学生
石橋蓮司 三河屋酒店
鈴木瑞穂 ナレーション

解説/感想

日本は、太平洋戦争に突入する前の昭和16年夏に、すでに戦争に負けることを把握していた、というノンフィクションを基にしたドラマです。 開戦日にあわせて放映されました。

ストーリー
昭和16年、官庁, 軍, 民間の優秀な人材たちが、国家機関である総力戦研究所へ集められました。 当人たちは誰も、この研究所の目的を知りません。
研究所では、戦争に関する講義が行われました。 そして、模擬内閣による机上シミュレーションを開始したのです。 各学生は、それぞれ自分の本来の所属にあった大臣役などを担当することになりました。 総理大臣役は、久保山です。
現実においては、日増しにアメリカの圧力が強くなっています。 模擬内閣では、開戦派と戦争反対派が、激しく議論をたたかわせます。 戦争反対派は、主張が通じず、苦悩します。 特に久保山は、総理大臣としての決断責任もあり、苦悩します。
開戦したら日本のあらゆる資源はいつまでもつか、という最終議論のため、各学生は自分の職場から貴重なデータを持ち寄ります。 これを基に全員で徹底的に議論した結果、「開戦したら必ず負ける」という結論に達しました。
所長は、近衛総理の意を酌んで、本物の内閣の前でありのままを成果発表することを許可します。 しかし、決断力のない近衛総理は、直前になって態度を変えてしまいます。 所長は、学生たちに土下座して謝罪します。 発表当日、禁止されてはいましたが、久保田は結局、最後に「日本必敗」の結論を発表してしまいました。
やるべきことが済んだ模擬内閣は、解散しました。 その後の御前会議では、模擬内閣の成果には全く触れられず、そのまま12月8日がやってきました。

秋島昇平
新聞記者らしく、政府の機関に対して批判的な態度で臨みますが、それがかえって所長に気に入られます。 久保山たちと戦争反対派として議論しますが、軍の秘密主義に苛立ちます。 一度は、自分たちが頑張っても政府は何も変わらない、と模擬内閣を放棄しかけますが、久保山の真摯な説得に思い直し、情報局総裁役を最後まで務めます。

2時間半の放映時間の内、ほとんどは模擬内閣の議論そのもののシーンでした。 有名な男優さんたちが、せまいテーブルに揃って議論をたたかわせるのは、本当に迫力があります。

「ゆうひが丘の総理大臣」以来の、中村雅俊さんとの共演です。 中村さんは、真面目で責任感の強い温厚な人柄、神田正輝さんは、思ったことははっきり言う大胆な性格、となっていて、どちらかというと当時とは逆の役柄なので、新鮮でした。

神田正輝さん演じる秋島は、研究所では、どちらかというとすぐに大声を出して、ケンカのようになってしまいますが、婚約者や後輩といる時は、やさしい表情で聞き役にまわっていて、とても素敵でした。

1999. 2. 7


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