「川の道」を3mも下に見下ろす高さなのに手摺も何もなく、自転車を引きながらそろそろと端のほうへ歩く。
笹同士の結束が緩んでいてもおかしくないので、おっかなびっくりスロープのうえから顔を出すと、大きな前輪と直線状のハンドルとが「T字顔」でこちらを見上げていた。しかしその後輪はあるべき位置から遥か下方にあり、全長は3m以上ありそうに見えた。ペダルのある前席と後席の間には、もっとぞんざいな予備のサドルが設けてあるが、なるべくなら跨らずに済ましたい…手足を拘束される前提だから。
松戸では殆ど見ない警察用のタンデム自転車「パトチャリ」であり、さらに所属を確認しようとしたところで、砦のほうから大声が降ってきた。