喘息について勉強する

知れば知るほどぜんそくとのつきあいが上手になります

最終更新日: 2004/08/08.

情報源書籍インターネット医療スタッフに聞く新聞・雑誌患者会友人

喘息の情報を得るには?

喘息のことを勉強するためには、以下のような情報源があります。

種類 利点 欠点

  書籍・パンフレット

 まとまった情報を得られる。  情報が古くなりやすい。

  インターネット

 幅広く、最新の情報を得ることができる。

 多くの情報の中から、適切な情報を選び出すのがむずかしい。

  医療スタッフに聞く

 医療の専門家の意見がきける  話しを聞ける時間が限られる。患者からは聞きにくいこともある。

  新聞・雑誌など

 最新の話題を知ることができる  限定した情報しか得られない

  患者会など

 同じ悩みを持つ人から話しをきくことができる  地域に患者会がないところも多い

  友人・知人に聞く

 話しを聞きやすい  正しい情報が得られるとは限らない

書籍・パンフレット

まずはここからはじめよう!

喘息についてもっと知りたいとき、手始めに患者さん向けに書かれた、喘息の本を1冊読むことを、すすめます。本のいいところは、必要な知識が、もれなく、きちんとまとめて書いてある点です。病院などにおいてある患者さん向けのパンフレットなども、内容は簡単ですが、最初に読むものとしては、よいでしょう。

もらさず、簡潔に
××で喘息が治った・・は×

喘息の病気のしくみから、治療、薬の種類と注意など、もらさず書いてあるのが、勉強向けの良い本です。読みやすく、ページは少なめのほうがいいでしょう。反対に「××は喘息に効く!!」とか、「○○で喘息が治った!!!」といったタイトルの本は、単なる宣伝のことが多く、かたよった情報が多いので、勉強向けとはいえません。

患者さん向けが一番

医療者向けの本は専門用語が多いため患者さんや家族には、読みにくく、さらに値段も高いので、いくら詳しくてもお勧めできません。あくまで患者向け、家族向けの本をさがしましょう。

なるべく最新の本を

現在、喘息治療や薬の進歩は、とても早いので、数年前の情報でも現状とあわなくなってくる可能性があります。せっかく買うのであれば、なるべく数年以内に、出版もしくは改訂されているものを選ぶようにしましょう。

インターネット

さらにくわしく、新しい情報を知りたい人に

患者さん向けのサイト(ホームページ)をはじめ、喘息患者のメーリングリスト、患者や関係者のためのBBS(電子掲示板)など、インターネットを使って手に入る喘息の情報はたくさんあります。

ただし、問題点もいくつかあります。検索サイトで喘息をキーワードに検索すればすぐ、わかりますが、

1、情報量が膨大で必要な情報をさがしだすことが難しい。
2、情報が正確なのかどうか、確認が難しい。
3、特に情報提供と宣伝(広告)の区別も自分で見分ける必要がある

1に関しては、しらべたいことは何なのか、調べる前にはっきり決めておくことが大切です。たとえば、「フルタイドという薬の副作用について知りたい」とか、「ピークフローメーターの使い方が知りたい」など、具体的なほど、詳しい情報がみつけやすいでしょう。

ネット上の情報は、発信前に他の人がチェックする仕組みがなく、自由に情報を発信できることが魅力です。そのため、喘息に関する知識などの重要な情報を探す場合は、「必ずしも正しい情報とは限らない」ということを忘れてはいけません。いくつかの情報を比較してみるなど、慎重に検討しましょう。主治医などに聞いてみるのもいいですね。

近頃、問題とされているアトピービジネスの手段として、インターネットが利用されている場合もあります。喘息の管理に特別高額なものは必要ありません。あらかじめ、喘息一般について知っておけば、そうした情報に惑わされることもなくなりますので、まずは、お勉強を。

用語解説アトピービジネス

医療スタッフに聞く

喘息でかかりつけの病院や診療所があれば、喘息について疑問があるときはそこで聞くのが、一番はやいでしょう。医師や看護士さん、薬剤師さんなどに、わからないこと、心配なことを聞いてみましょう。

患者さんやご家族のなかには、病院の人は忙しそうで、もしくはこわくて聞きにくい、という方がいるかもしれません。でも、心配はご無用です。医療スタッフは病気やそれにまつわる心配を少しでも減らすお手伝いをするのが仕事ですから、遠慮なく聞くのが一番。勇気をだして聞いてみましょう。

ただし、ばくぜんとした質問をしても、すっきりした答は返ってきません。必要以上に時間をとらせないためにも、質問はできる限り、具体的に。また、たくさん聞いて、いっぱいのお返事をもらっても、覚えきれないですよね。一度の受診で、一番ききたいことをひとつだけ聞くようにするといいでしょう。


たとえば、
「この薬を、ずっと飲んでいてもだいじょうぶですか?」と聞くより、
「この薬を長く飲むときは、どんな副作用に気をつけたらいいですか?」とか、「その薬には、重い副作用がありますか?」と聞いたほうが、お返事も具体的になります。本などで得た情報を確認したり、怪しいと思った情報の真偽を聞いてみるのも、よいですね。

新聞・雑誌などを読む

新聞や雑誌などの喘息特集を読むと、ぜんそくについて、最新の話題にふれることができるでしょう。たとえば、新しい喘息薬が発売されるといった新聞記事や、喘息の専門病院一覧の雑誌特集記事などです。

最近では、専門の学会での発表を前に新聞で取り上げられることも珍しくないので、場合によっては、かかりつけの病院の先生より早くあなたが喘息の最新情報を手に入れてしまうかもしれません。

この場合、記事であつかっている内容は、特定の薬についてとか、専門医がどの病院にいるか、など、限定された内容であるのが普通です。最新の内容であっても、すべての喘息の患者さんにあてはまる話なのか、他の医師や専門家にも確認されている内容か、などいくつか注意がひつようです。

患者会・講演会で話しを聞く

地域や病院によっては、患者さんやその家族からなる喘息の患者会が組織されているところがあります。患者会の活動は、会ごとに様々ですが、いづれも、ぜんそくという同じ悩みをもつ方と話しをすることができるというのが大きな魅力です。

患者会や地域、病院などの主催で喘息に関する講演会が主催されることもあります。お近くで講演がある場合は、一度話をきいてみてはいかがでしょうか?質問の時間が用意されているはずですので、そこで、わからないことを聞くこともできます。

住まいのちかくに患者会がなかったり、積極的な活動を行っていないなど、すべての喘息患者さんがこうした恩恵にあずかれるわけではありません。電話やネットを利用した患者相談などもありますので、こうしたものを利用するのも、いいでしょう。

友人・知人に聞く

最後に患者さんやご家族のもっとも身近な情報源として、「まわりの人に聞く」ことについても一言。あたりまえの話しですが、身の回りにたまたま喘息に詳しい人がいれば、幸いですが、そう都合よくいかない方がほとんどでしょう。

たとえば、自分が喘息であったり、ご家族が喘息であるという方が、喘息について、いろいろ教えてくれるかもしれません。ただし、喘息という病気は、古くて新しい病気。親切で教えていただいた情報が、あなたやご家族について、現在も、当てはまるか、どうか?これが難しい問題です。

結局、これまで書いてきたすべての情報源についていえることですが、手に入れた情報が、正しいのか?あなたの喘息にもあてはまるのか?といったことは、あなた自身が喘息についてある程度くわしくならないと正しく判断することすらできないのです。

そこで、このページの振り出しにもどるわけですが、まずは喘息全般について、とおりいっぺんの知識だけでも手に入れておくのが、喘息で迷わないための一番の近道です。

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