稲含山

１ヶ月ぶりに山に向かいました。先月以来山に行く計画が全く無い訳ではありませんでしたが、事情で流れたり、朝起きられず面倒になったりという日が続いていました。今日も目が覚めたのは７時くらいでしたが、せっかくの秋晴れの素晴らしい日ですので、出遅れた時はコースタイムの短い西上州かなと、急いで出発しました。

上信越道の富岡インターから、登山口まではそれほど遠くない。甘楽の町並みはなんとはなしに郷愁を感じさせる山里の風情がある。町を通り過ぎ、那須に向けて山裾を分け入って行くにしたがって、久しぶりに山に向かう楽しい気分が高まってきた。今日は秋晴れで、色づく木々も美しいのである。
那須で県道を右折し、集落の中に入る。斜面に立つ家々の間を抜け高度を上げて　いき、しばらくして森の中に入る。すっかり山道だなと思っていると、再び明るく開けた場所に出て、山里に戻る。背後にはこれから向かう稲含山が大きく盛り上がっていた。
最初の駐車場を過ぎると未舗装の道になる。ここに駐車して登っていくこともできるが、今日は失礼して車でどんどん進む。未舗装の道を折り返していくと、神ノ池のいこいの広場にでる。ここに車を停めて登ることもできる。上に停めるのとは、１０分ほど歩きが長くなるだけだ。さらに進むと回り込むように一の鳥居の下にでる。そしてその先が林道の峠で、駐車スペースがある。ここからは展望が広く開けており、正面に荒船山や浅間山がよく見えていた。
ここから山頂までは２つのルートがある。一つはさらに左折して登山口の鳥居峠まで車で上がり、尾根通しに進むルートで、もうひとつは一の鳥居から秋畑稲含神社を経て登るルートである。今日は一の鳥居からの道を選び、少し来た道を戻ることにした。
一の鳥居周辺の車道はカラマツの紅葉が美しく青空に映えている。車道から山道に入るとすぐに一の鳥居がある。ここが尾根ルートとの分岐点にもなっている。少し下り気味にそのまま直進し、秋畑稲含神社を目指す。雑木林の山腹を行く道で、最後の紅葉が残り、冬枯れの一歩手前である。明るく気持ち良い道を進むと岩の下に祠が祀られ水がわき出している。神の水だ。
すぐ先の二の鳥居をくぐると、斜面は急になりジグザグに登り始める。やがて尾根の肩に建物が見え始める。秋畑稲含神社である。登り着いてみれば、尾根の突端の狭いスペースではあるが立派な建物である。さすがに経年のためか荒れ気味ではある。ここでは毎年神楽が奉納されるらしい。
神社を過ぎて岩の出た山腹の急斜面を登る。所々に階段や鎖が設けてある。ゆっくりトラバース気味に一登りすれば、やがて尾根道に合流した。こちらの方が道が立派で、人通りも多い。僅かな登りで稲含神社に到着。こちらは山頂の肩の部分にあり、明るい広場にしっかりした作りの社殿が建っていた。こちらは下仁田側の稲含神社ということらしい。そして折り返して尾根を辿れば三角点のある山頂に着いた。
山頂はそれほど広くはないが、展望は素晴らしい。比較的標高があるので、西上州の岩山たちは眼下に見える。ここでも荒船山と浅間山が一際目を惹く。そして八ヶ岳連峰とその前衛になる西上州の山々、その右には北アルプスの白い峰々が輝く。近くには赤久縄山が大きい。あまり見たことの無い角度からの眺めなので、頭の中をフル回転して、地図をいろんな方向から見た様子を想像しながら同定してみた。今度このあたりに来るときは、広域な地図を持ってこようと思った。
賑わう山頂で弁当を広げたあと、下りは尾根道をとる。こちらの道は快適で歩きやすく、雑木林が美しい。途中から緩やかな階段が続くようになり、やがて植林に入るとすぐに大きな鳥居に出る。ここが尾根道の登山口にあたり、林道の峠からの車道が登ってきている。さらに一の鳥居に向けて進む。若干登ったあと、鉄塔の横を過ぎれば先ほど登り始めた一の鳥居である。車を置いた車道まではあと僅かだ。