久しぶりに週末晴れの予報を聞きました。御座山は、関東山地北部の両神山や西上州エリアの最高峰にあたる山ですが、ちょっとアクセスが遠く、今まで行く機会がありませんでした。そこで、今回はせっかくの梅雨明け祝いと、最近続いている超短距離登山からの離脱の意味をこめて気合いを入れて出かけました。
遠い山なので、久しぶりの前夜出発としました。しかも、小諸や韮崎を回ると高速代がとても高いので、花園で降りて、長瀞から鬼石・万場・上野と進み、ぶどう峠を越えていく計画です。夜10時頃出発して、途中1時間程度の仮眠を挟みつつ行くと、峠のあたりでうっすらと明るさがでてきました。そのまま佐久へと下り、集落に入ると、白岩のバス停に御座山登山口の看板があり、再び山の方へと登っていきます。途中から高原野菜の農場となり、もう農家の方々が作業を初めていました。農場を登り詰めたあたりに、3台ほどの駐車スペースがあり、登山口となっていました。
まだ夜明け前の薄暗い中ですが、充分歩くことの出来る光はあるので出発とします。最初は少し広い道を進んだあと、180度折り返してトラバースのような感じで戻って行きます。このあたりはカラマツ林の中ですが、大きなシダやヤマアジサイが目立ちますした。他にもいろいろな花が多そうです。しかし、今は花を楽しむにはまだ暗いので、とりあえず先に進みます。再び道は折り返すと少し傾斜が出ましたが、その後一二度の折り返してもう稜線に出てしまいました。
今まではウォーミングアップということで、少し休憩したあと出発します。東の空からちょうど朝日が昇ってくるところでした。ここからは緩やかな稜線のアップダウンになります。道ばたにシャクジョウソウの群落を見つけました。また、たくさんのキノコが出ています。この山は最後まで本当にキノコの多い山でもありました。
少し登っていくと、道は尾根の西側のトラバースになります。このあたりは美しい落葉樹の森で、ゆったりとした道は歩くのがとても楽しくなりました。少し折り返しながら稜線に戻ると長者の森からの道が東側から登ってきています。さらに進むと今度は東側のトラバースになります。東側はカラマツの植林もあるのですが、西側より花が多いようです。すでに朝日は昇りきって白い光となっていました。
再び尾根に戻ると、ここから傾斜を増してどんどん登っていくようになります。そしてシャクナゲの木の沢山ある斜面を登るとと、明るい尾根上に出ました。見晴台といわれるところで、北には茂来山や四方原山が見えます。また、これから登る御座山は、前衛の1992ピークの向こう側に見えていました。
見晴台を発つとしばらくは、明るいシャクネゲのトンネルの尾根や暗い針葉樹やダケカンバの森への出入りを繰り返しながら1992のピークへと登っていきます。シャクナゲはすべて花を落としてしまい、新芽が勢い良く伸びているとことですが、足元には最近まで咲いていたのか、花がよく落ちています。白にピンクの筋の入った花が多く見られました。シャクナゲの季節にくると素晴らしいことでしょう。
急坂がおわるとだらだらとアップダウンするようになります。1992Pの山頂部は森に覆われて、細長く緩やかになっているようです。そして三角点と書かれた標石がありましたが、地図には表記がないので、どうなんでしょう。ピークの先の露岩の上は展望が良く、正面に大きく御座山の山頂が迫ってきました。
岩を回り込んで降りると、しばらく下って鞍部に出ます。「山口坂」あるいは「うだの沢のトーミ」と呼ばれるところで、峠道が越えていたと見え、下新井・木次原の標識がありましたが、いずれも廃道化してしまっているようです。ここはシラカバの林の気分のいいところで、最後の急坂に備えて休憩しました。
さて、いよいよ最後の登りです。モミやツガの暗く湿った森の中に入って行きます。奥秩父のような雰囲気です。急坂を一歩一歩進み、倒木を越えていくと、先ほど立っていた前衛ピークが低くなってきます。そして、傾斜が緩やかになるとあと一息。最後の登りを終えて避難小屋の前に出ました。ここは古い小屋と聞いていましたが、最近建て替えられたのか、立派な新しい小屋が建っていました。
小屋の先から山頂部に出ます。ここは爽快なミニアルプスのような岩稜になり、足元にはイワギキョウも咲いていました。高度感のある岩の上を歩いていくと祠のある山頂です。ちょっと雲や靄が多めですっきりとした大展望という訳にはいきませんが、八ヶ岳の連峰が雲の上に姿を現し、奥秩父の山々が雲間から除いています。眼下には天狗山、北には浅間山。久しぶりのいい展望のある山です。朝の柔らかい陽射しははポカポカと気分良く、岩の上に横になると昨夜の運転疲れか、しばらく眠り込んでしまいました。
やがて雲が多くなり八ヶ岳も雲の中に隠れることが多くなってしまいました。そろそろ下山です。それほどあわてる旅でも無いのでゆっくり下りました。ずいぶん気温が上がってきました。登りは肌寒かったくらいですが、下りははっきりと夏になっています。
行きに楽しんだ風景に少しづつ別れを惜しみつつ稜線からも下って行きます。最後のトラバースの道では良く見えなかった花をじっくり見ながら行きました。レンゲショウマが一つ斜面の中腹にありました。足元にはキバナノヤマオダマキ、またウバユリの花が開き始めたところでした。
帰りは再びぶどう峠を越え、さらに志賀坂・正丸と越えて鶴ヶ島インターに向かいました。小鹿野までは昼間走っても車が少なく快適な道でした。途中両神の薬師の湯に立ち寄り、荒川村で野菜を買ってという次第。あまりのんびりしすぎたので、最後は見事に渋滞に巻き込まれてしまいましたが、急がぬ道中は楽しいものだと思いました。
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ギンリョウソウ | シャクジョウソウ | ウバユリ | キバナノヤマオダマキ |
1992Pから見上げる御座山山頂部
参考図書・地図 | その他のコース |
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東京付近の山(実業之日本社) 西上州・妙義(エアリア) 奥日光・足尾・西上州(アルペンガイド) 25000図 信濃中島 50000図 十石峠 |
北相木村側からは、他に山口登山口から山頂の南の鞍部への道があります。 また、長者の森から、白岩登山口からの道に合流します。 南相木村側からは、栗生登山口からの道があります 下新井からうだの沢を経る道と、木次原からの林道経由の道は廃道となっています。 |