鋸山
329.5m
山域:房総
1995.10.08
このところ休日が連続して雨である。そうなるとなんとかどこかに行きたいと思ってガイドブックをめくってみた。3冊ほど見たところで鋸山に目をつけた。鋸山の展望台はロープウェイで行ったことはあるが、三角点の置かれた山頂はさらに東の稜線上にあり、踏み跡程度の道がついているらしい。少々の薮歩きと三角点を見定めることを目的として雨中車を走らせた。
館山道の、回りの車の水しぶきでよく前が見えないほどの雨の中で、山へ行こうとしている自分を不思議に思った。浜金谷から見上げる鋸山は中腹から上が雲の中である。保田の奥に車を停め、鋸山ダムを経て採石場を目指して車道を歩くが、湖の回りでは鳥の鳴き声が響渡っており雨中であろうとも自然の営みは変わらずいいもんだと思った。採石場を過ぎると間もなく薮に覆われた入り口がみつかった。
小沢沿いに歩きやすい方を求め右岸・左岸と折り返しながら奥へと踏み入って行く。踏み跡とテープがところどころ残されており安心ではあるが、道は草や倒木に覆われており解りにくい。2〜3度道を失いながらも奥に進むと急斜面になり、岩が階段状のステップになっている所を登っていく。登りきると左へ回り込みまた折り返す。ここは道がはっきりしているので稜線にでたかと思ったものの、そうではなく広い真っ暗な碁盤の目に整然と植えられた植林地に入ってしまった。踏み跡がなく右往左往するが、正面に見える高みを目指して林を横断すると再び赤テープを発見し無事稜線の縦走路に出られた。
縦走路は比較的はっきりした道で、狭いものの今までの暗い樹林からの変化は開放的に感じられる。前の台風によるものなのか、岩の尾根上に生えていた大木が、何本もねこそぎ倒れているの出会う。急登になり、広い樹林のピークに登りつくが、ここはまだ山頂ではなく左に降りている踏み跡にそって行き、しばらく樹林の中を進んで再度急登になると明るい頂上に飛び出した。
頂上は、誰かがとりつけたらしい山名板がかかっており、一等三角点が鎮座している。展望は霧の中なのでよく解らないがあまり良くなさそうだ。幸い雨は小雨になっているのでゴアを脱いで座り込む。迷わないようにルートを探しつつ気を遣いながら、たどり着いた頂上は雨でもまた格別なのであった。
下山はさらに西へと道を辿っていく。しばらくすると右に金谷に降りる道が別れ、東電の巡視路の矢印入りの看板が出てくる。順次出てくるので逆に辿りながら歩いていく。突然ブオオオオーと霧笛が響きわたる。浜金谷のフェリーのものだろう。やがてアンテナの脇を通り、さらに下ると日本寺の大仏と展望台を結ぶ階段の途中に飛び出した。出口には「立入禁止」の看板と東電巡視路の矢印看板がかかっていた。
鋸山の展望台の一角に登ってみるが、霧一色の中ではさすがにだれもいず、なにも見えない。そのうちロープウエイが着いたのか人がたくさん登ってきた。バス観光の団体みたいだった。
再び雨も激しくなり寒くなったので、保田の方に降り、車を停めた場所まで歩いて行く。雨の中を歩くのも気持ちがいいものである。
この約1年後やはり同じコースを歩いてみた。採石場から稜線に上り詰めた箇所が意外に明るかったのでまわりを見渡してみるとなんと反対方向から舗装された林道が上がって来ていてちょっとがっかりした。また日本寺に降りたら広大な駐車場と広い舗装道路ができていてしみじみ雨の中の狭い車道をあるいた昨年とは全くイメージが変わってしまった。日に日に房総の山の雰囲気は変わりつつあるが一つ一つ山の情緒が消えていくのは寂しいものである。
記録
日 程
95年10月8日(日)
天 候
雨
コース
1135保田の奥→1155登山口→1318/1235鋸山三角点→1352パラポラアンテナ→1400鋸山展望台→1415/1430大仏→1510駐車地点
鋸山の三角点