高宕山 | ![]() |
高宕山 315.1m |
山行日 | 1996年2月3日(土) |
ルート | 石射太郎登山口→石射太郎→高宕山→大滝→石射太郎登山口 |
コースタイム | 1330石射太郎登山口→1345/1400石射太郎→1445/1450高宕観音→1500/1515高宕山→1545林道(大滝登山口)→1625石射太郎登山口 |
天候 | 晴れ |
高宕山は清和県民の森の域内にあり、その地域一帯は房総の山の中でも最も山深い雰囲気のある地域である。房総丘陵を深く谷が入り込ん渓谷美があり、またニホンザルの自生地としても知られている。2月の小春日和の素晴らしい晴天に誘われて出かけてみた。 石射太郎から高宕山へのコースは、関東ふれあいの道でもある。登山口から石射太郎への登りは約15分、植林地を登り尾根にでると鹿野山への分岐があり、そのすぐ先が石射太郎である。山頂部は岩峰を高く突き出しており、岩峰の頂上へは柵を越えて、少々薮っぽい中を少し登れば到達する。頂上から下は絶壁のはずだが、潅木が茂るため高度感はない。 |
参考図書・地図 分県ガイド 千葉県の山(1994年11月初版) 25000図 鬼泪山 坂畑 50000図 富津 大多喜 |
![]() 石射太郎の岩峰 |
その他のコース ・奧畑から八良塚分岐を経て郡界尾根を北上 ・怒田沢林道から八良塚を経て郡界尾根を北上 ・関豊からお茶立場を経て郡界尾根を北上 | |
交通機関 登山口周辺へは、木更津駅、または君津駅から、日東交通バス(三島線または周西線)「中島」乗り換え 君津市コミュニティバス(中島・豊英線)を利用する。 石射太郎へは、植畑コース「植畑上郷」下車。 奥畑へは、「奥畑」下車。 怒田沢林道へは、「宿原」下車 |
千葉の山:高宕山 晴天に誘われ千葉の高宕山に出かけました。 【日 程】 96年2月3日(土) 【目 的】 高宕山 【天 候】 晴れ (^_^) 【コース】 1330石射太郎登山口→1345/1400石射太郎→1445/1450高宕観音→ 1500/1515高宕山→1545林道(大滝登山口)→1625石射太郎登山口 【山 名】 高宕山 315m・石射太郎 【メンバー 】 単独 【山 域】 房総 【参考書】 ヤマケイ・分県登山ガイド 千葉県の山 1.登山口まで(千葉〜植畑) 千葉を12時に出発。あいかわらずの遅出ハイキングである。反省。って、反省するのは猿にもできるというコマーシャルがあったが、今日の高宕山は猿の生息地として天然記念物に指定されているのだ。ガイドブックには登山中猿に出会うことは少ないと書いてある。今日はであえるかなあ。 植畑付近で、林道への入り口がわからず少し迷ったが、無事到着。登山口には車が5台止まっていた。 2.石射太郎へ 石射太郎への登りは15分ほど。関東ふれあいの道になっている。植林地を登り、やがて尾根にでると鹿野山への分岐。鹿野山10kmとある。これは、遠そうだし、途中車道になりそう。分岐のすぐ先が石射太郎である。 石射太郎は展望台になっているが、山頂は岩峰が高く突き出ている。柵を乗り越して岩峰の頂上へ上がる。少々薮っぽいが踏み跡がちゃんとあり、問題ない。意外と土の着いた道である。頂上から下は絶壁のはずだが、潅木が繁っており、意外と高度感はなかった。ここに登っている間に登山者1名通過。 ここはかつての猿の餌付け小屋が残っているが、避難小屋にもなりそうである。こんなところで避難小屋を使う人はいないか.... 3.高宕山へ 高宕山への道はしばらくいい尾根道を進む。やがて複雑な地形をぬうように、道は斜面を巻き始めるが、なかなか雰囲気のあるいい道だ。 やがて、右側(南西側)が広く皆伐された所を通るようになる。自然林も皆伐したのかな?木材運搬用のワイヤが横切っている地点を通る。ピークを経由する道が通行止になって巻き道を通るようになっているが、わざわざピークを通過する。そこはワイヤの巻き上げ機を組んであって。木材を尾根を越えて運ぶ為に、最近組まれたものらしい。あたりは切り払ってあるが、大木・巨木のみのこして、巻き上げ機を固定するささえにしたり、木に切り口をいれて、ワイヤの位置を固定する為に使ったりしている。ちょっと痛々しい光景である。眼下は裸になった複雑な地形がはっきり見える。かなり広い範囲をやったものだなあと思う。大きな木は強い。ワイヤをそれにグルグル巻き付けて相当な重量を固定し、また木材運搬時にかかる加重に充分耐えているのだろう。この道で2〜3人のパーティーとすれ違う。 やがて、高宕観音の入り口の狛犬と仁王像を通過、階段をひとしきり登り、高宕観音に到着。岩の下に立てられた観音堂の中にはいってみる。床がミシミシ音をたてるが抜けはしなかった。観音様はちゃんといらっしゃった。また裏側に岩を削って回りを一周できるような通路を作っているのもおもしろい。ただちょっと落書きが多い。 岩をくりぬいた道をくぐると高宕山へ向かう。すぐだと思っていたら、なかなか着かず、急登・ハシゴ・岩にかけたロープ等もあり、けっこう息があがる。そこで登り着いた山頂はやはり岩の上で360度の展望であった。 この時間なのに意外と展望よく、三浦半島はすくなくともはっきりみえる。東京湾を行き交う船。三浦半島の真上には富士山が遠く霞む。富士より南につながる山々もかすかに見える。箱根・伊豆とずうっと稜線がかすんで見える。それはかなり南の方まで連なっている。 高宕山に登ってみると、相当奥まった位置にあることがわかる。どちらをみても房総の山々が複雑に絡み合って広がっているのだ。標高は低いがその尾根や谷は入り組んで、高宕山や清和県民の森の山々まで緩やかな起伏をみせている。個々の山より、その集合の大海の中で、ひとつの波のピークにいるようだ。とくにこの感じは南を向いた時に感じられる。 4.下山 山頂から分岐点までおりる。ここは各登山口からの道の集まる交差点になっている。本来は八良塚経由で下りたい(もっとも八良塚のほうが高宕山より標高が高い)が、3時半になろうとしているし、下山が5時近くなるのはまずいので、最も早い大滝コースで下山する。途中登ってくる人に会う。高宕山への、今日最後の人だろう。尾根を何本か越えると道は階段の急下降となる。 階段といっても露岩に切り込みをいれたものや、木を組んだものがある。この周辺の山は岩が露出しているところが多く、表土の層がかなりうすい。従って潅木帯は急斜面でもなんとか耐えているが、杉の植林などは、木が育つと表土だけでは耐えきれずひっくり返ってまっ逆さまに谷に落ちている。急斜面は根こそぎ谷に向かって倒れた木が多い。そこは岩が露出してしまう。それでも、土の残っているところに植林している。 分岐から20分ほどで林道に降りる。降りた所は大滝の上で滝を見おろす。さすがに房総でも北面にあるこの滝は半分くらい凍っていた。 5.林道〜帰宅 林道を40分ほど歩く。林道といっても未舗装の深い谷間の道で通る車もなく、歩くにはいい道である。両側は切り立っており、時折ガラガラビシビシと音がして小石が落ちてくる。20mくらい先で音をたてて落ちて来たのには驚いた。トンネルを3本通るが内面を加工していない長いのは、足元も見えずちょっと気味が悪い。 自然の中をのんびり歩き、だんだん道が登りになったころ最後のトンネルをくぐり石射太郎登山口に着いた。もう他に車は無かった。 車で植畑の集落の方へ走っているとすぐに、道に猿が3匹現れた。やっぱり猿はいたんだ! 高宕山は猿の生息地として有名なうえ、清和県民の森の西端にもあたり、自然も多く残っている、いいコースでした。また、伝承の山(石射太郎・高宕観音)でもあります。県民の森の核心部ではないので、特に目立つような施設はないようでした。展望は最高です。いつか今回行けなかった八良塚経由で再び行ってみたいと思います。 |