朝から晴れて気持ちのいい天気になりました。そこで久々に中央沿線の道志の山を目指しました。上野原からのバスの時刻の関係上、四日市からの夜行バスで着いてしまうと早すぎるので、自宅から出ていくには丁度いい山なのです。
1.登山口へ
秋山村へは、上野原発8時28分のバスしかない。それに合わせて電車に乗ったつもりが、時刻表を良く見なかったために早く着きすぎて、1時間あまりを上野原の駅で、平日の通勤客を見ながら過ごした。次々と着くバスは上野原駅の狭いスペースに器用に発着するのに感心していた。
バスは定刻通り発車し、狭い山道を越え奧牧野に出る。ここからは広い秋山川に沿った道となり、のんびりした田園風景の中を進む。途中の、大地や寺下という地名に、前道志を歩いた事を思い出しながら懐かしさを覚えた。平日なのでハイカーは他に一組のみ。それも寺下峠の入り口になる下尾崎で降りていくと、最後は暖かい陽気の中のただ一人の客となっていた。
2.秋山二十六夜山
浜沢のバス停から少し先を左に折れて登っていくと、キャンプ場の管理棟がありあたりが広くなっていた。今日は暖かい陽気なので上着をザックにしまい、ここで準備を整えて出発する。しばらくは別荘地の中の舗装路を歩くことになるが、この道はかなりの急坂である。別荘地が切れると山道となり、さらにそのままの傾斜で急登が続く。このあたりは、尾根を直線的に登っていく道である。登りきると道をふさぐ様にあずまやが立っており、自然とここで休むこととなった。
再び急な長い登りとなり、どんどん高度を稼いでいく。これを登りきると、少し平坦になり、今度は緩急を少し繰り返すと、道標が巻き道を示している所にでた。ここはそのまま登っても同じ露岩にでるとのことだったので、真っ直ぐ登ると、尾根上の展望のある岩の上に立った。
今日は青空でなかなか爽快な展望が楽しめる。最も目立つのは正面の倉岳山である。そして、その向こうの方には大菩薩が見えている。左の方には三ツ峠が大きく盛り上がっており、その奧に見える白い山々は南アルプスであろう。気持ちのよい展望の楽しめる岩であった。
この露岩の先に小さなピークがあり、その先は若い植林地で、朝日山の方角を展望することができる。さすがに北面の山肌はまだ白かった。すぐに赤鞍ヶ岳方面との分岐となり、再び急坂を登っていく。これを登りきればもうほとんど登りはない。しばらくは右側が植林地となった平坦な尾根歩きとなり、ゆったりアップダウンしながら山頂の分岐に出た。ここを右に曲がれば、笹の中の雑木林を僅かな登りで秋山二十六夜山の山頂であった。
山頂は特に展望がある訳ではないが、静かな雑木林の中の広場で雰囲気もよく、ポカポカとした陽気の中で、ゆったりとくつろぐことができた。再び分岐にもどると、そこは二十六夜塔のある広場である。ここからしばらくは緩やかな稜線を下っていくが、ここも雑木林の雰囲気の良い道が続き、低山歩きの楽しさが存分に味わえるところだ。やがて道は左に曲がると、秋山川に向けての下降となる。植林も出てきて、ジグザグに下っていく、古くから踏まれていたことを思わせる堀割状の道になる。一気に下ると、小さな流れを渡り、やがて古い遊園地のある登山口に出た。尾崎の集落を下るとすぐにバス通りまで僅かであった。
3.寺下峠越え
バスの時間は14時14分。ここから歩いても、梁川駅には同じくらいの時間に着くことができる。ここは峠越えの旅人になった気分で、寺下峠を越えていくことにした。いろいろと山をあるいていても、峠を越えるためだけに歩くことはなかなか少ない。寺下峠はいままで梁川駅側を2回歩いているが、こういう形で越えることは初めてである。
下尾崎橋を渡り車道を進んで次の大曲沢橋を渡ったところに寺下峠への入り口がある。広いしっかりした植林の中の道で、大曲沢に沿って行く。沢を右岸に渡り山腹に取り付くとジグザグに登る歩きやすい峠道となる。そのままどんどん高度を上げていき、見上げる稜線が明るくなると寺下峠である。丁度西から縦走してきた人と交差した。この日出会った唯一のハイカーであった。
寺下峠の少し先には、お約束の矢平山の展望地があり、今日も青空の下で形のいい矢平山がよく見えていた。やがて道は急な斜面を下っていくようになるが、以前来た時よりも、かなり道が崩壊してしまっているようだ。これでは、斜面の上を歩く人がどんどん砂を落とすであろうから、下を歩く人は大変である。急斜面を下ると、あとは沢に沿った形で塩瀬の集落へと下っていく。登山道は民宿「やまみち」の脇に降りるものと思っていたら、その上に新しい立派な車道を作っていることろで、一段上の山腹で終点となった。あとは谷底の塩瀬橋まで集落の中を一旦下り、国道まで再び登り返す道となる。さきほどの新しい道はこのアップダウンを避けて、国道から水平に塩瀬に入る橋を建設中であり、それに接続する道路のようであった。少し遠回りかもしれないが、確かに大きなアップダウンが無い分、塩瀬側には便利になることだろう。そうであれば、今回で渡るのが3度目になる塩瀬橋が、名残惜しく感じられたのであった。
秋山二十六夜山は、登りは短いですが、期待通り雰囲気もよく、登っていて良かったなと思いました。すっかりポカポカ陽気となった、晴れた日に出かけられたからかもしれません。明るい日差しの中の山里の風景を楽しめた、気持ちのいい一日でした。
秋山二十六夜山山頂
参考図書・地図 | その他のコース |
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エアリアマップ 高尾・陣馬 東京付近の山 (実業之日本社) 25000図 大室山 50000図 上野原 |
途中の赤鞍ヶ岳の分岐から、赤鞍ヶ岳や朝日山を経て、道志村に下ることができます。 |