今倉山 二十六夜山

 今倉山 1470m 松山 1450m
 中ノ沢ノ頭 1374m 二十六夜山 1297m


山域:道志
2000.9.9


関東では中央沿線の山を少しづつ歩き続けてきたが、駅から近い山はずいぶんと登ってしまい、今回は富士急に乗り継いで少し南下してみることにした。今までほとんど足を踏み入れたことのない道志主脈のコースへのスタートという意味もこめての山行である。。

都留市の駅からのバスの接続が無く、タクシーに乗って道坂峠に向かった。平野部はきれいに晴れているが、山の中に入ると昨日の雨の影響か、残念ながらガスがかかってしまっている。道坂トンネルの手前の登山口から山道に入ると、広葉樹の中の綺麗な緩やかな道になる。最初から雰囲気がいいなと清々しく進むと、間もなく御正体山からの稜線の道に登りついた。
稜線に出ると笹の中を北上する。それほど傾斜はきつくはないが、一本調子なのですいすいと高度を上げていく。しばらく登ると樹林から出て明るい道となり、茅やアザミのある薮がうるさくなった。振り返ると御正体山が大きいはずだが、途中からすっぽりガスの中に入ってしまっており、大変残念である。
少しだけ下って再び開けたところを登ったあと、樹林帯に入るとすぐに今倉山の山頂に着く。山梨百名山の標識がある山頂は、北側が少し開けてはいるが、あまり展望はない。まだまだ日が当たってこないのでジメジメしているうえに、小バエがたくさんいて、少々鬱陶しい山頂だった。
西峰へはブナやミズナラの綺麗な林を緩やかに下って登り返せばわずかである。ただしここは全く展望もなく、あまり愛想のないピークであった。再び急坂を下ると西ヶ原といわれる鞍部を通過し、次のピークに登り返していく。最初に大きな木のある所にでて、少し下ってその次が、松山とも赤岩とも言われるピークである。このコースの中で随一の展望がある気持ちのいい場所で、ゆっくりするならここが一番かもしれない。今日は残念ながらあまり遠望を楽しむような天気ではないが、それでも道志の稜線の山を眺めることが出来る。このあたりの山は、なんとなくもっさりとした感じのピークが多いなと思った。
このコースは短いわりにはアップダウンが多く、今倉山・西峰・松山・1410・中ノ沢ノ頭・二十六夜山と越えていく。どれも大きなアップダウンは無く、ひとつひとつをアクセントと思って越えていくことができる。松山からはそれほど下らず、はっきりしないままに少し登って1410を越え、次に急坂を一旦下ってから中ノ沢ノ頭を越える。ここで右に大きく曲がったあとの、しばらく続く緩やかな下りは、美しいミズナラの林で至福の道であった。
しばらく下っていくと、いい気分は重機の音に打ち破られる。すぐ下で林道工事が進んでいるのだ。最近のアルペンガイドには林道を横断するとあるが、私は古いエアリアを持って歩いていたので、林道などあるとは思わず、突然のことで驚いた。切られた尾根を迂回する為に、よけいな急な階段道を下らされて、峠のあたりまで戻ると、すぐ先で重機が岩盤を削り取って林道を延ばしているところである。残念な光景だと言わざるを得ない。
再び自然林の道を二十六夜山へと登って行くが、今度は重機の音に追われるようで、あまり林を楽しむ余裕もない。やっと音が遠くなった頃たどり着いた二十六夜山の山頂は、南北の開けた明るい場所であった。御正体山はずいぶん霧がはれてきているが、まだ山頂部はガスの中である。北には猿焼山がすっきりした姿を見せていた。
下山は上戸沢に下っていく。急な尾根をどんどん下り、途中で都ゴルフクラブの建設で通行できなくなった尾根道を迂回して、右に山腹をジグザグに降りていく。傾斜が緩むとまず枯れ沢が現れ、やがて右の方から矢多沢が沿ってくる。涼しげな流れを時折覗きながら行くと丸木橋あり、このあたりで沢に降りて、冷たい水を楽しんだ。橋を右岸に渡ると、少し道も広くなり、まもなく車道に出る。車道を少しくだると谷が開け、正面に九鬼山を見ながら行けば戸沢の集落である。上戸沢のバス停からのバスは50分後、歩いても50分で赤坂駅まで行くことができるので、そのまま歩いて行くことにした。途中で二十六夜山を振り返ると、すっきりした青空の下の端正な山であった。

本文中の写真(順に)

  • 今倉山山頂
  • 中ノ沢ノ頭あたりのミズナラ林


    記録

    日 程

    2000年9月9日(土)

    天 候

    曇りのち晴れ

    コース

    0750 道坂トンネル → 0805 稜線 → 0855/0910 今倉山 → 0921 西峰 → 0945/55 松山(赤岩) → 1042/55 二十六夜山 → 1150 車道 → 1205 上戸沢バス停 → 1258 赤坂駅

    林道のある鞍部あたりからの二十六夜山


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド 丹沢
    エアリアマップ 高尾・陣馬
    25000図 都留
    50000図 都留
    南から西ヶ原に上がってくる踏み跡があったが、道坂トンネルの少し手前から登ってくる道と思われる。
    バス
    都留市〜道坂峠 8:10(日祝)・9:00・9:20(日祝) 所要30分
    都留市〜上戸沢 7:15(日祝休)・8:25(日祝休)・9:15 所要15分
    問合せ 富士急都留中央バス 都留営業所 0554-43-4181
    富士急行HPに時刻表があります。indexの富士五湖交通アクセスの中です。