倉見山

 倉見山 1256.2m 相定ヶ峰 1250m
 山域:道志

記録
 山行日2012年2月18日(土)
 ルート東桂駅→長泉院→倉見山→相定ヶ峰→堂尾山展望台→寿駅
 コースタイム0747 東桂駅 → 0803 長泉院登山口 → 0858 境分岐 → 0922/34 休憩 → 0954 小鞍部(倉見/三ツ峠駅分岐) → 1020 (山頂の肩)三ツ峠駅分岐 → 1022/1052 倉見山山頂 → 1055/1105 見晴台 → 1115 相定ヶ峰 → 1205 四阿 → 1213/30 堂尾山展望台 → 1240 下山 → 1258 寿駅
 天候晴れ

富士の見える山ベストコースは、かなり以前に買ったガイドブックですが、この本をもとに歩いたことはあまりありませんでした。週末は晴れの予報ですが、直前まで雪が降りそうでしたので、雪の少なめの手軽な山を探していましたが、このガイドブックをめくっていた時に目についた倉見山が良さそうだったので、展望も期待して倉見山に決めました。ここ2回は少し長めのコースを歩いていたので、今回はちょっと気軽に出かけました。

1.登山口まで

朝自宅を出たときは、かなり激しく雪が舞っていました。駅までも道はすっかり雪に覆われており、誰も歩いていない雪の上に足跡をつけながら歩くことになりました。これでは山の中の様子が少し心配ですが、今日はむしろ関東平野の方が雪が多そうな予報であるのが少し救いでした。
電車が高尾を過ぎたあたりは、風景はすっかり雪に埋もれ、白銀の世界を走って行きます。そういった時にはこちらの方に来ないので、このあたりでこれだけ降っているのを見るのは初めてです。しかしそれも大月に近づくと少し少なめになってきました。久しぶりに乗る富士急線を東桂で降りると、登山口までの道も雪の道でしたが、数センチで、昨晩舞った雪が少し積もっているという感じでした。
駅からは国道を少し右に進み、鹿留入口の信号を左折して、登山口の方へと向かって行きます。途中発電所を右に見て過ぎ、見えてくるお寺が長泉院で、その後ろの墓地へと入って行く道に新しい登山道の標識がありました。標識の雰囲気からすると、最近地元宮下の自治会によって建てられたもののようで、登山道もしっかり整備いることが窺えるものでした。

2.倉見山へ

登山口から墓地の間を通り、その後ろの山に入っていきました。急斜面を少しつづら折りに登ると祠があり、今日の安全祈願です。その後ろは急斜面の登りになっており、足が滑ると疲れるので、軽アイゼンを付けました。雪自体は5センチくらいでせいぜい階段を隠す程度ですが、全体的に地面が見える所が無いくらいに積もっています。しかし、アイゼンを付けてみると刃先は地面に刺さり、落ち葉も連れて来てしまう程度なので、すぐに団子になってしまい、時々落としながらの歩きでした。
雑木林の急坂が過ぎ、植林地に入るあたりで道は右に巻いて行くようになります。あとは快適な道になり、新しい雪を踏みながらの登りです。先行者は無く、ただ鹿の足跡が導いてくれます。少し先で左下に細い林道が沿うようになりましたが、これもすっかり雪に埋まっており、はっきりとは解らないくらいでした。
植林と雑木林の混じる道を登り尾根に出たところで、境(三ツ峠駅)への分岐がありました。少しの間平坦になった後、再び登り始めますが、左側が開け御正体山のどっしりした山容を見ることができます。左側に貼られたネットを見ながら登ったあと、送電鉄塔の下を通りしばらく進むと道は再びなだらかになりました。このなだらかな道が終わり、前に斜面が見えて来たところで休憩としました。
この急坂を登ると、初めて倉見山が全容を表しました。コースタイム的にはかなり歩いたつもりでしたが、倉見山はまだはるか先に大きく、ちょっと意外でした。やはり雪で少し時間がかかり気味なのでしょう。尾根はここで向きを変え、右に大きく回り込んで行くようになります。このあたりは平坦な道で、快適な雪の道が続きます。ちょうど地図の1080のあたりです。少し下った鞍部に倉見・三ツ峠駅への分岐がありました。
さて、ここからいよいよ山頂への取り付きです。登っていて一番楽しく気合の入るところです。斜面を道はつづら折りについており、登りきったところはまだまだ手前の肩の部分で、一旦平坦になります。そして最後の急登は、痩せた尾根になり、今度は直登になります。時々木に掴まりながら高度を上げていくと上の方に標識が見えてきます。いよいよ山頂かと思って登っていきましたが、どうやら三ツ峠駅への下降路の分岐の標識の様です。少しがっかりしましたが、登りついて見ると先には高いところは無く、山頂部の北の肩のようでした。ここから少し下り再び登り返すと富士山を真正面に見て山頂に到着しました。
倉見山の縦長の山頂部からは、南に富士山を正面に見ることができます。西には三ツ峠、東には杓子山です。杓子山へはここから尾根が続いており、そのまま行くことができますが、まだまだ長い道のりのようです。晴れ渡った好展望の山頂で、富士山を見ながらの山頂で落ち着こうと思いましたが風が強く、あたりの雪を飛ばしながら吹き付けてくるので、あまり長居することはできませんでした。

3.下山

下山は寿駅へと向かいました。山頂から急坂を下り、再び登り返すとベンチがある展望台に出ました。ここは山頂よりも遮る物のない展望が広がりました。ここまで登ってきて引き返している足跡がありました。早朝に写真を撮りに来られたのでしょうか?ここからの道は南面になり、地面が出ているところも多そうなのでアイゼンを外しました。
展望台から再び急坂を下り登り返しているところで、三人のパーティーとすれ違いました。今日すれ違う初めての人です。登り返したピークは杓子山と寿駅との分岐点で相定ヶ峰との看板がありました。名前があるピークを踏むと少し得をした気分です。ここで杓子山への銃走路と別れ、堂尾山展望台を目指して下っていきます。雪道の下りは快適ですが、滑りやすく、一度油断して尻餅をついてしまいました。
道は柔らかく、歩きやすく、快調に下ります。南斜面は暖かく、雪も無く柔らかく、また、植林と雑木林の混じる道は間伐してあり、富士山を見ながらの展望の道でした。途中何度か足を止めて写真を撮りながらの下りでした。
四阿のある展望台に出ると、ここも富士山を正面に出ることができますが、ここは高圧電線が横切っており、残念です。ここは向原への分岐になっています。さらに進むと送電鉄塔を過ぎ、堂尾山の展望台に出ます。関東富士見百景との看板があり、小さな石の祠がありました。ここも富士山が正面に大きいのですが、また、杓子山のいい展望台でもあります。風もなく暖かく、最後の展望を楽しみました。
あとは再び歩きやすい道を下って、工場の屋根が見えてくると、最後に短い鉄の階段があり、登山口に降り立ちます。ここからは、小さな工場の前を通り、中央高速の下をくぐると国道に出ました。国道を渡るとセブンイレブンの後ろが寿駅でした。振り返ると、倉見山が雪化粧して三角形の頭を出しているのが見えました。

寿駅からはたまたま来合わせたトーマス号に乗り、大月駅経由で帰宅しました。帰りは中央特快が利用できるので、随分早く感じます。今日は一日雪の風景と青空と、好展望に恵まれ大変満足できる一日でした。標高差、コースタイムともにハードではあ りませんが、雪のある時はこの程度が適当なのかなとも思いました。帰りに三ツ峠から河口湖への長い尾根を見て、なんとなく興味をそそられた次第。登り4時間のようです。

本文中の写真

  • 御正体山(東桂駅よりの登りより)
  • 初めて見えた倉見山山頂部(登山道より樹間越しに)
  • 倉見山山頂
  • 三ツ峠(堂尾山付近お鉄塔より)
  • 杓子山(堂尾山展望台より)


  • 参考図書・地図
    富士の見える山ベストコース(山と渓谷社2003年)
    25000図 河口湖東部 富士吉田
    50000図 都留 山中湖

    倉見山からの下山中に見る富士
    その他のコース
    登山道中にはたくさんの道標があり、取りあえずこれだけの道は有りそうですが、一般コース意外はルートが解りづらい等、注意が必要です。
    東桂駅 
      寺下(長泉院)から 本文のコース(一般コース)
    三ツ峠駅
      境から 845m三角点付近
      倉見から 1008m付近
      厄神社から 山頂(一般コース)
    寿駅
      堂尾山から 本文のコース(一般コース)
      向原から 堂尾山、或は、四阿のある展望台
      向原から 向原峠、相定ヶ峰経由
    交通機関
    いずれも駅から歩く範囲内であり、特に利用せずとも大丈夫そうです。
    長泉院登山口の前に「馬場」というバス停(砂原行き)がありますが、平日のみで、かつ本数は極めて少ない状態です。