峰山

570m

山域:道志
2000.7.15


峰山という名前だけを聞いて、山の位置がわかる人は、よほどの低山通であると思う。この日は午後に家具の受け入れのために家にいないといけなかったため、短時間に歩けるところと考えて、エアリアの高尾・陣馬の地図の一角に目を付けた。このあたりはまだまだ魅力的な低山が多いのである。

藤野駅で降りるとちょうど篠原行きのバスがあった。小学校前に行くかと尋ねると、すぐ近くを通るとのこと。篠原行きは一つ手前の大久和バス停から曲がっていくらしい。大久和に着くと何のことはない。そこは牧野小学校の前の交差点で、横断歩道を渡れば小学校前だった。
小学校の前に峰山の案内図があり、角を曲がると少しの歩きで山道に入る。入り口の道標は、峰山登山口ではなく、峰山散策路となっているのが面白い。道は、植林地の中をほぼ水平に進んで行く。途中右に登る階段もあったりするが、そのまま植林を奥へ奥へと入っていく。やがて緩やかに登るようになると、広葉樹もかなり混じってくる。緩やかな登りは秋になればドングリが落ちていそうな道だ。大きく登りもせずかとい ってそれほど下りもせずという感じで、尾根を少しずつ高度を上げながら辿っていくと、やがて正面に高みが壁のように現れてくる。
やっと空を仰ぎながら登りような、急坂の道になると、自然林の森に変わった。道には、米粒のような体に針のような足の、アメンボのような華奢な蜘蛛が多く這い回っていて、よく見ないと踏みつけそうだ。急登を登り切ると、大鐘への分岐が右にわかれ、再び植林の中の緩やかな登りになり、やがて三つの石碑が並んでいるところに出る。それぞれ、風神・龍神・雨神らしい。ここからはほとんど傾斜もなくなり、すぐ先に古峯神社の祠が見え、僅かで到着した。ちょっと広い山頂はベンチがあって一休みにはいい雰囲気で、展望は木々に遮られるが、南に焼山や黍殻山が一際高く見えた。
下山は小舟に下る。最初は整備された擬木の階段である。今の時期は歩く人が少ないのか、階段に草が茂る。このあたりはよく手入れの行き届いた若い檜の植林地で、明るく雰囲気がいい。網子・菅井の分岐で尾根と別れて斜面を下るようになると、階段も終わりとなる。植林地を歩いていると小さな蝉が泣きながら力無く地面に落ちた。儚い命を想うとともに、季節の移り変わりに伴って主役の蝉が変わっていくのを感じる。再度トラバースで尾根に向かう、網子・菅井への分岐を分けると、落ち葉でふかふかした小尾根を回り込んで、再び植林地に出て、谷を水平に横切っていく。明るい道は地面に夏草が茂り、土の見えない緑の小道を歩くようになると、やがて車道に出た
舗装路にでて集落を行けば、下の道にバスを待っているらしい人影が見えた。少し急ぎぎみに下ると丁度バスが角を曲がってくるところだった。



記録

日 程

2000年7月15日(土)

天 候

曇り時々晴れ

コース

0750 牧野小学校 → 0835/55 峰山 → 0915 車道終点 → 0920 小舟

峰山山頂の古峯神社


参考図書・地図 その他のコース
エアリアマップ 高尾・陣馬
中央線の山を歩く 藤井寿夫著(新ハイキング)
25000図 青野原
50000図 上野原
大鐘から、あるは網子からの登路がある
天神峠方面からの尾根通し等、四方から登ることができる
バス
東野方面 7:00(月夜野) 8:21(東野) 9:05(東野)
篠原行き 7:30
奥牧野  6:30 10:20