菜畑山

1283.3m

山域:道志
2003.03.08


続いていた雨もあがり、土曜日は朝から青空が広がりました。それではと、あわてて準備をしてでかけましたが、昨日まで降り続いた雨は、内陸の方ではかなりの雪となっていたようでした。

相模湖インターを降りると、雪景色になっていました。空はすっかり青空なのですが、家々の屋根には10センチくらいの雪が積もり、平地でこれだけですと山歩きの難渋が想像できます。当初の予定はバスで道坂峠まで行って、今倉山から菜畑山へと歩くつもりでしたが、すっかり消極モードになって単純に菜畑山往復に変更しました。曙橋周辺で車を停めるところを探しましたが、雪が多いこともあり、とても無理そうなので、道志の湯の駐車場に停めて、道坂峠へと乗る予定にしていたバスで、曙橋へと向かいました。バスはチェーンをつけて、ずいぶんとゆっくり走っていました。
菜畑山への道は車道歩きが多いコースです。バス停から延びる道は最初のうちはきれいに除雪されていました。森の中を抜けると明るい丘の上に出て、そのあたりで除雪車が行ったりきたりしています。ここには大きな養豚所がありますが、除雪車を運転していた人に、
「そこから上は除雪していないよ。雪が30センチくらい積もっているよ」
と声を掛けられました。
養豚所が終わると全く道が雪に埋もれていました。スパッツを付けて踏み込みますと、足首は完全に埋まってしまうような、重い雪です。誰も歩いていない道を、足を上げてせっせと歩いていきます。春の日差しは強く雪面に反射し、日なたは目を開けていられないくらいの眩しさで、車の中にサングラスを忘れてきてしまったのが悔やまれました。
しばらく登って行くと、送電鉄塔のある開けた場所に出ました。加入道山から大室山にかけての山並が大きく見えます。また、山伏峠に向けて道志川の谷間がゆったりとせりあがって行く風景はいつ見ても素晴らしいと思います。また、菜畑山の方を見上げると、まだかなり上にテレビ塔が見えるので、先が長いことを知らされました。
大きくジグザグを切る林道を登って行くと、雪の重さですっかり足が疲れてきました。そしてやっと、長い道もロボット雨量計の有るところで終点となります。コースタイムはかなりオーバーしてしまいました。ここからは急坂になるため、念のためアイゼンをつけましたが、すぐに大きなダンゴになってしまうので、結局効いているのかどうかは解らないような感じでした。
山道に入って植林の登りを抜けると、明るい落葉樹の尾根道にかわります。樹間から真っ白い富士山や、今倉山、そして朝日山の斜面が見えます。最後の尾根道が急登なのは朝日山と同じで、登った時のことを思い出しました。休み休み新雪を踏み、やっと頭上に道標が見えてきて、菜畑山の山頂に登り着きました。
山頂にはあずまやと三角点がありました。そして、西には今倉山と富士山の展望、南にはかなり雪をかぶった丹沢の山々の遮るもののない展望が広がりました。しばらくあずまやの椅子に座って、明るい展望を楽しんでいました。
さて、登りに時間がかかりすぎたので、帰りのバスの時間まで40分くらいしかありません。無理かなとも思いましたが、チェーンを着けていて遅れて来そうな感じでもあったので、トライしてみました。急坂の山道はズルズル滑りながらドタドタ下り、雪の林道は早足で下りました。といっても傾斜がゆるいと、さすがにかなり足をとられます。また、暖かい天気なので、表面は雪でも、下の方はすでにシャーベットになっており、巨大な水たまりの中を歩いているような所も多くなっていました。そしてバス停に着いたのは所定時刻の15分後なので、さすがにもう無理だろうと思って、道志の湯に向かって歩くことにしました。
ところが、バス停を2つ3つ過ぎたあたりで、後ろの方からチェーンの音が近づいてきます。振り返ってみると、月夜野行きのバスが相当遅れてやってきたので、思わず手を上げて停まってもらい、道志の湯まで乗っていきました。大変有りがたいバスなのですが、客は行きも帰りも私一人でした。

帰りは、駐車場を利用させていただいたこともあり、もちろん道志の湯を楽しみました。3度目くらいかと思いますが、お湯の感じが良く、休憩所もゆったりしているので、結構お気に入りです。今日は、菜畑山を楽しんだというよりは、湿雪の新雪を歩いたということがまず印象に残る1日でした。しかしその中でも、降雪後の白い丹沢の展望と、道志川流域の眺めは収穫だったと思います。この流域はのんびりした雰囲気のいいところで、繰り返し訪ねてみたい場所なのです。

本文中の写真(順に)

  • 山頂稜線にたどり着く
  • 菜畑山山頂とあずまや
  • 山頂からの加入堂山・大室山


    記録

    日 程

    2003年03月08日(土)

    天 候

    晴れのち曇り

    コース

    1035 曙橋 → 1200/13 雨量計 → 1245/1305 菜畑山 → 1320 雨量計 → 1357 曙橋

    菜畑山頂からの富士山


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド 丹沢
    エアリアマップ 高尾・陣馬
    東京付近の山 (実業之日本社)
    25000図 大室山
    50000図 上野原
    今倉山あるいは朝日山と結んで縦走をすることができます。
    バス
    以前は、藤野駅や橋本駅(三ヶ木経由)から月夜野までバスが運行されていましたが、現在は土日はバスで月夜野に入ることができません。
    したがって、バス利用の場合、富士急線の都留市駅あるいは富士吉田駅からとなります。
    しかし、利用できるバスが非常の限定される為、道志川沿いのどこかで駐車場を確保し、村内の移動にバスを利用する方が便利かと思われます。 富士急行HPに時刻表があります。
    少しわかりにくいHPなので、右上の site map より、バス→富士急行バスを見るのが早いと思います。