杓子山 鹿留山

 鹿留山 1632.1m 杓子山 1597.6m 高座山1304.4m

山域:道志
2000.9.30


前回今倉山に登って道志の山を始めたので、今回はさらに道志の方をということで、アクセスの良い杓子山を目指した。このあたりは富士山の絶好の展望台ということで期待していたが、晴れのち雨の天気予報の結果は、ホンの朝のうちだけが晴れということで、残念なことに展望がかなわなかった。しかしその分鹿留山の静かなたたずまいが印象に残る山行となった。

内野でバスを降りて、まだ晴れ渡っている道を、山の方へと向かっていく。養鶏場の横を過ぎると、やがてテニスコート跡から舗装は切れて、荒れた林道となった。しばらく進むと道幅の同じY字路になり、ガイドブックを参考に右に折れると、突然新三ツ木橋という広い橋と僅かな区間の舗装路が現れ、その先で狭い林道にぶつかって再び舗装は途切れる。これを左折し、植林の中の林道というよりは荒れてちょっと広い登山道という感じになった道を登っていく。やがてそれも途切れて、かすかな仕事道にもならないくらいの踏み跡が、植林の中を上がっていくだけとなってしまった。
さて、立ノ塚峠へは林道が通じているはずなので、どっかで間違えたようだ。しかし、尾根筋にでれば道は開けるものと、そのまま登って行く。道はだんだん藪に閉ざされ、最後は茨をかき分ける様になったが、もうそれほどの距離はなく、なんとか稜線まで登り着く。稜線には一条の踏み跡があり、かなり藪っぽく、現在地もはっきりしないので、まずはこれを高い方を目指して登っていくと、右から尾根が合流し、立派な道にT字路でぶつかった。そこには加瀬山という表示があり、立ノ塚峠と二十曲峠の中間にたどり着いたようだ。どうも立ノ塚峠の一つ南のピークから西に派生する小尾根を登ってきたらしい。ともかく、やっと現在地がわかり、ホッと一息である。
ここから北に向かう縦走路は一旦高度を下げて、やがて広く明るい道に変わる。そして右に楢尾山への尾根が別れると、しばらくして立ノ塚峠に降りる。ここには、やはりはっきりした未舗装の林道が登って来ていた。
峠から、ゆったりした道をしばらく行くと、一旦傾斜が急になって肩のような平坦地に出る。タキ沢ノ頭といわれるあたりと思われる。ここから岩混じりの急登が始まり、どんどん高度を上げていく。何度も断続的に急登が出てくるので、なかなか苦しいところだ。そして最高点の子ノ神に登り着き、右に美しい樹林の中を5分程で、鹿留山の山頂である。山頂のぽっかりと開いた広場には、一本の大木が立っていた。この山頂に一人でいると、この古い木となぜか対話が出来そうな気分になる。おちついた、静かな、いい雰囲気の山頂であった。
あたりはどんどん薄暗くなり、天気は下り坂の様子なので先を急ぐ。杓子山への稜線は3〜4回のアップダウンを経て行き、途中で振り返ると鹿留山はすでにガスの中に埋まっていた。稜線の木々は少し赤や黄色がかってきており、そろそろ紅葉の時期を迎えつつあるようだ。杓子山の山頂は開けていて、いかにも展望の良さそうなところだが、きょうは残念ながら展望は無かった。
さて、富士吉田で貰った時刻表を見ると、コースタイムを頑張って詰めれば14時03分のバスに間に合うかもしれない。それを逃すと次は15時24分で、天気も悪いことでもあり、ここはさっさと下ることにする。杓子山から少し降りるとなんとなくパラパラと雨が落ちてきた。そして大権道峠までくると、本格的に雨になった。再び緩やかにピークを越え鉄塔を通過し高座山を目指して回り込んでいく。このあたりはゆったりしたいい縦走路である。高座山の山頂も開けた気分の良さそうな場所だが、ここも雨に沈んでいた。
ここから、正面にカヤトの原の続く稜線を越えて行く道と、左に下っていく、どちらも広い道が見える。左の方が内野に近いのではないかと思い、土の斜面を左手に下ってみた。しかしここは正規の道では無いようで、ドロドロになった急斜面を、這うようになんとか降りていくこととなった。林道に降りて左に進んでいくと、小さな尾根を越えて下っていく。やがて、林道が右に曲がって行くところで、高座山下山コースという小さな看板が森の中の道を指し示していた。そのまま植林の中の小道をどんどん下っていくと、もう一度「下山コース 杉並学園」という看板がある。だんだん集落が近づいている雰囲気ではあるが、どのあたりに降りるのか皆目見当が付かないまま行く。
やがて森からでると突然車道に飛び出した。とりあえず街に通じていそうな左手に進むと、八幡神社があった。ここで右に折れると遙か先に交通量の多そうな車道が見える。早足でどんどん歩き、最後は小走りになって着いたところは承天寺でどうやらバス通りのようだ。バス停の方に向けて歩こうとすると、バスが角を曲がってきた。たしか行きのときは自由乗降区間だったことを思い出し、思いっきり手を挙げると、バスが目の前で停まってくれたのである。行きも返りもいい加減なコース選定だったが、終わりよければすべて良しであった。

本文中の写真(順に)

  • 鹿留山山頂
  • 杓子山山頂


    記録

    日 程

    2000年9月30日(土)

    天 候

    晴れのち雨

    コース

    0855 内野 → 1005/15 加瀬山 → 1035/40 立ノ塚峠 → 1147/1200 鹿留山 → 1230/43 杓子山 → 1300 大権道峠 → 1330 高座山 → 1400 車道(八幡神社) → 1410 内野(承天寺)

    鹿留山山頂の大樹


    参考図書・地図 その他のコース
    アルペンガイド 丹沢
    エアリアマップ 富士・富士五湖
    25000図 富士吉田・御正体山
    50000図 山中湖
    本文は道間違いの為一般道から外れています。通常は
    1.忍野役場前から、鳥居地峠・高座山を経て杓子山
    2.下吉田、明見より、鳥居地峠・高座山を経て杓子山
    3.下吉田、不動湯より、大権道峠を経て杓子山
    4.内野より立ノ塚峠、鹿留山を経て杓子山
    5.石割山方面からの縦走
    などが考えられます。杓子山から庫見山方面へは道が細いようです。
    バス
    富士吉田〜内野 7:20・7:45・8:30・9:05(夏期土日祝)・10:00 所要23分
    内野〜富士吉田 11:45・12:23・13:05(土日祝)・14:03・15:24・1540
    問合せ 富士急行 吉田営業所 0555-22-7131
    富士急行HPに時刻表があります。indexの富士五湖交通アクセスの中です。