シューベルト交響曲第9番ハ長調D.944


シューベルトの交響曲第9番にはかなりはまってしまった。いろんな意味でこれがクラシック音楽だ!という様な感じの曲で、ハ長調でもあるところがまた非常にわかりやすくていい。という様な形容はともかく最高のメロディーの曲である。心地よいリズム感と泣けるアンダンテなどベートーヴェンの第7番にも似たところがある。
実はこの曲を聴いたのはもう年のころも30歳に近いころのことなのだが、だんだん年をとってくると、オーケストラではなくSQだなあ、ベートーヴェンの後期なんかいいね、などと思っていたらまたオーケストラのこの曲に引き戻されてしまったのである。それ以前はオーケストラでも近現代やベートーヴェンなど迫力を伴う様なイメージの曲を良く聴いていたので、シューベルトやシューマンはちょっとご無沙汰であったのだ。ある時通勤の電車の中でウォークマンで普段聴かない曲をと思ってこの曲を2〜3日聴くと、しっかりこの曲が離れなくなってしまったのである。
まず、4楽章の単純なメロディーとのりのいいテンポが耳から離れなくなってしまった。いつも頭の中で鳴っている状態になってしまったのである。そして、1楽章の前奏のアンダンテからアレグロに移り変わるところの絶妙さ!と、そのあとの豊かな高揚感。しっかり麻薬の如く頭に住み着いてしまい、結果たくさんのこの曲のCDを買うはめとなったのだ。
この曲の演奏で最も好きなCDは、ワルター=コロンビア響のもの。名人芸的な揺れがなんともいいがたく心地よい。その他、気に入っているのはバルビローリ=ハレ管。意外とドイツ的な剛な演奏だった。そしてセル=クリーブランド管の透明感。ブリュッヘン=18世紀オーケストラの躍動感。それにしても結構たくさんCDを買ったものだ....

上段 ワルター=コロンビア響
下段 ブリュッヘン=18世紀o

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