御坂黒岳

 1792.7m

山域:御坂山塊
2004.5.22


御坂黒岳は、御坂山塊の最高峰であり、このあたりの山々の御多聞にもれず、展望の山としても知られているところです。しかし、自分としては気持ちだけ少し遠く、交通の便もそれほどいい訳ではなく、また車利用でも周回コースが取りづらいので、今 ひとつ足が向いていなかったのですが、新しいエアリアを見ると三ツ峠登山口から周回コースができていることが解りました。ということで、宮指路さんと誘い合わせて早速でかけてみることにしました。

三ツ峠入口に車を置いての出発です。林道を進んだあと、山道に入ると杉林になり、さらに林道を横切って進むとつづら折りの往時を忍ばせる峠道となりました。歩きやすい道は、やがて綺麗な雑木林になり、新緑がとても気持ち良いところでした。樹下には、ツクバネソウやニリンソウが咲き誇っています。黒岳は富士山が近いので展望の山だというイメージばかり持っていましたが、思いの外、花や自然の美しいところでした。道は斜面を緩やかに巻くようになり、御坂茶屋(営業はしていません)のある御坂峠へと登りつきました。ここはベンチがあり、10人ほどのパーティーが休憩していました。明るい場所で、富士山が大きく見えるはずですが、雲が多く残念ながら見ることができませんでした。
稜線を黒岳山頂に向けて出発しました。御坂天神の祠の前を通り、ブナやミズナラの稜線を小さく昇り降りしながら進んでいきます。新緑のとても瑞々しい稜線が続きで、楽しくなります。この稜線にはなんとヤマシャクヤクが咲いていました。記憶にある限り初めて見ます。実際、登山道脇で見られる所はもうあまり無いのではないでしょうか。以前ヤマシャクヤクのあると言われる道をその季節に訪ねて空振りに終わったので、今回は思わず感動してしまいました。僅か一輪だけでした。他にはシロバナ(ムラサキ?)エンレイソウも見ることができました。
やがて道が岩混じりになると黒岳山頂に到着。広く明るい山頂ですが、それほど展望良くはありません。山頂の一角にはボケが朱色の花を咲かせており、いいアクセントでした。
山頂から南に少し降りたところに展望台があります。露岩の上の開けたところで、眼前に河口湖と富士山、そして右には十二ヶ岳方面への御坂の山々が見えていますが、残念ながら雲が多く、また大変霞んでいて、スッキリした感じではありませんでした。
下山は展望台からそのまま南に下ります。道は所々急になり、ロープを捕まりながら下るところも有りました。かなり下ってから登り返し、1554のピークを過ぎると、再び展望の良い場所に出ます。正面に烏帽子岩への尾根が伸びています。やがて広瀬との分岐点に到着、左手に尾根を下ったあと、つづら折りに、板取沢へと下って行きます。最初は水量も少ない沢ですが、やがて豊富に水を湛えるようになり涼しげでした。階段や木橋等も整備された道を下り、トンネルの入口を越え、再び三ツ峠入口へと戻りました。

残念ながら展望はスッキリしませんでしたが、美しい樹林と花で手応えのある大満足の山でした。特にヤマシャクヤクには驚きました。毎年このあたりで花を咲かせてくれることを願ってやみません。

本文中の写真

  • 御坂峠にある、御坂茶屋
  • 新緑の黒岳稜線
  • 板取沢の清流


  • 記録

    日 程

    2004年05月22日(土)

    天 候

    曇り

    コース

    0815 三ツ峠入口登山口 → 0935/45 御坂峠 → 1030/40 黒岳 → 1045/1110 展望台 → 1145/55 見晴の岩稜 → 1240 登山口

    ヤマシャクヤク


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 富士山
    関東の山あるき100選(2002版)(昭文社)
    25000図 河口湖東部
    50000図 都留
    御坂山塊の縦走路中にあります。黒岳周辺への登道は、
    南面は、大石〜新道峠、広瀬〜展望台〜山頂、三ツ峠入口〜御坂峠
    北面は、釈迦ヶ岳方面から縦走、藤の木〜御坂峠
    等、いろいろと考えられます。
    バス
    甲府駅〜河口湖駅を結ぶバスが利用できます。
     三ツ峠入口下車
     このバスは途中、甲府駅・石和温泉駅入口・河口湖駅・富士山駅を経由します。
    時刻表等:富士急バス