幕山

 幕山 626m 南郷山 610.9m

山域:箱根
2004.3.13


年初に決めた1年の計ですが、決めるときは楽しいのですが、だんだん月を追うごとに億劫になってくるものだなと感じはじめました。この日は朝が遅かったので、行くか行かないかまず悩み、好きな所に行こうか、1年の計に従おうかと、今度は変な悩み方をしていました。我ながらおかしなものです。
1年の計・・・「関東の山あるき100選」を10登る。
      「日本百名山」を3登る。
        これらを月に1つは最低登る

例によって遅い出発となった為、湯河原駅に着いたのは11:30を過ぎていました。湯河原駅では幕山公園行きの臨時バスが待っていて、これはラッキーと乗り込みましたが、幕山公園行きのバスは登山口からすると川の対岸を走っているようで、少し不安になって、手前の森下公園前で降りてしまいました。森下公園前で橋を渡って少し登ると五代神社で、結局ここにガイドブックの起点となる鍛冶屋バス停があり、そのまま乗っていけば良かったかなぁと、少し後悔しました。
五代神社の少し下の道を、川の上流へ向けて歩いて行きます。家々の間を抜けると、ミカン畑が多く出てくるようになり、沿道では1袋百円で売られていました。やがて坂を登って上の道に合流し、右の方に冬枯れの盛り上がりといった感じの幕山を見ながら観光客やタクシーの行き交う道を歩いていくと、幕山公園の駐車場や、タクシー乗り場のある浄水場の前に出ます。すぐその先が幕山公園で、梅が満開の中、大勢の観光客で賑わっており、そのただ中に登山口がありました。
登山口からは梅林の中の遊歩道へと入って行きます。たくさんの道があるので、どれが山頂をめざすのか解りませんが、とにかく登ると岩登りのゲレンデの基部に出て、そこから右方向に向かって、幕山へのハイキングコースの道標がありました。一番手前の岩は、遊歩道から登るので、ちょうど岩登りをやっているところを観光客が物珍しげに取り巻いて見あげていました。
満開の梅林の中をハイキングコースは高度を上げて行きます。陽射しは暖かく、足元にはスミレの花も咲いています。左手に幕岩見ながら、大勢の観光客に混じって登って行くと、やっと梅林の最高点。これで少し静かになるかなと思ったことでした。梅林を出ると、つづら折りの遊歩道が続きます。しかし上から降りてくる人の多いこと。やはりハイキングコースとして親しまれている山だけのことはあります。それも一目でハイカーと解るような格好をしている人ばかりではありません。半分は家族や友人と軽くハイキングという感じではないでしょうか。
なんとなく、満開の梅林を抜けたり、多くのハイカーとすれ違ったりで、ペースが乱れたまま歩いている感じがして、少しきつく感じました。途中で時折木々が切れて、真鶴半島や湯河原の町が一望できる場所があり、いい眺めが得られました。高度が上がっていくにつれて、道の折り返す間隔が短くなってきます。そして少し緩やかになってくると、冬枯れの木々に変わって、ススキの原となり、まもなく山頂につきました。
山頂は広い平地で、さすがにあれだけの人とすれ違ったので、それほど人は多くありませんでした。東に星ヶ山が見えているのが目を引きます。あとは、海の眺めと、ゆったりした箱根の山々の眺めがあります。山頂を少しうろうろしてみましたが、小さな運動場みたいな場所なので、なんとなく落ち着かず、そのまま南郷山を目指すこととしました。
幕山からは東に広く整備された遊歩道を下って行きます。結構坂道は急なので、小走りになってしまいました。下りきると道は平坦なり、植林地の縁に作られた広い道を進めば大石ヶ原の分岐で、ここから植林地に入ると僅かで林道に出ました。
林道を横切って、自鑑水の標識に従って再び山道に入ります。しばらく、篠竹の密生の間に作られた道を進むと、再び植林地となり、自鑑水へと出ました。しかし、水は無く、窪地があるだけでした。自鑑水からはなおも植林の中を登って行きますが、このあたりは暗く、今までのコースの中で一番山の中らしいところ。やがて篠竹の生える脇を下って、再び林道に降り立ちました。
林道を少し下ると、南郷山への登り口があります。この登りは見るからに急坂で、ちょっと一服して落ち着き、さて今日最後の登りを楽しもうと一歩を踏み出しました。篠竹の中の道は前半は急な階段、後半は土に階段状の踏み跡が着いていました。長い急登ですが、覚悟して登っていたのと、ほど良いステップだったので、快調に登り切ることができました。登り着いた尾根から右に下り気味に行き、少し登り返すと南郷山山頂に着きました。
三角点のある南郷山山頂は、幕山と比べるとずっと静かです。正面に見る星ヶ山と、その南面の篠竹の草原はなかなか伸びやかの風景で、展望はまた海へと広がり、気持ちのいい場所でした。今日はここが一番いいなと、この山頂でじっくりと腰を落ち着け、弁当を広げました。
山頂からはしばらく篠竹の間を下って行きます。やがて3度林道に出ると、今度は幕山方面へと戻るように少々歩き、再び標識に導かれて山道に入ります。まもなく、道はゴルフ場に沿うようになりますが、すぐ横でティーショットをしていたり、グリーンがあったりと、思わずどこからか球が飛んでくるのではと、首をすくめたくなるようなところもありました。
ゴルフ場が切れると早速舗装路になってしまいました。この舗装路はかなりの傾斜の部分もあり、長く歩いたあとでは足に応えそうな道です。道の両側にはミカン畑が多く、それらはもう収穫も終わり、来年に備えているという風情でした。舗装路をどんどん下っていくと、幕山公園への車道に出ました。そして五代神社について見れば、まさに鍛冶屋始発のバスが発車しようとする所で、順調に湯河原駅に着き、ホームに上がれば、これまたすぐに東京行きの普通電車が入ってきました。下山から息を吐く暇もなく、あっという間に電車の中の人となったという感じでした。

今日は、満開の幕山公園の梅を見られたのはまさにグッドタイミングでした。山の方は、やはり箱根特有の篠竹やカヤトの密生する、遠目に穏やかな斜面の雰囲気が美しく、こちらも充分楽しむことができました。海の見える山に登るのもこの季節ならではという感じですが、やはり、広い開放感があっていいものですね。

本文中の写真

  • スミレと梅
  • 梅とクライマー
  • 南郷山への急坂


  • 記録

    日 程

    2004年03月13日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    1205 森下公園バス停 → 1235/40 幕山登山口 → 1335/40 幕山 → 1350 大石ヶ原分岐 → 1355 自鑑水 → 1405 南郷山登り口 → 1420/40 南郷山 → 1532 五郎神社

    南郷山山頂の展望


    参考図書・地図 その他のコース
    関東の山あるき100選(昭文社)
    25000図 熱海 箱根
    50000図 熱海 小田原
    西側から登ってくる大石ヶ原方面からの道があります。
    バス
    湯河原駅から、鍛冶屋行き終点下車。
    「梅の宴」期間中は、幕山公園行きの臨時バスがあります。
    問い合わせ先などは、箱根登山鉄道を参照下さい。