遠笠山

 

 遠笠山 1,197.2m
 山域:伊豆

記録
 山行日1999年6月19日(土)
 ルート遠笠山登山口→遠笠山(往復)
 コースタイム1345 天城高原ゴルフ場 → 1400 遠笠山登山口 → 1430/50 遠笠山 → 1515 登山口
 天候

全く散々な日であった。原因はそもそも前日に深酒をしてしまったことにあるのだが、結局ひどい二日酔いで、目指した天城山の縦走は途中で同行者に先に行ってもらい、私は万二郎岳でリタイア。おまけに雨模様で、さらに途中でカメラのレンズキャップを岩場に落としてしまう。そして、引き返したゴルフ場のバス停からは、2時間半先までバスは無い。不運を嘆きつつも、待っていても仕方無く、二日酔いも回復してきたので、天城高原に方に向けてのんびり歩いてみることにした。

車道を戻るように歩いていくと、最初のバス停が遠笠山登山口である。まったく予定になく、知らない山だったが、周囲を見るとそう高い山もなさそうなので、軽い高原散歩のつもりで入ってみた。未舗装のきれいな歩きやすい林道が続き、50mおきに距離程の標識がある。途中で真っ白な雲海の上に富士山が頭を雲の中に隠して黒々と見えていた。今はちょうど、低い雲と高い雲の間にいるようだ。
林道に入って1.6kmあたりまでくると、頂上も近く、笹の中に潅木の生えた気分のいい景色になってくる。そして、電波塔が立ち並ぶ頂上が近づいてくると、目の前に立派な山々が大きく見えてきた。こんな山もあったのか思ってよく見ると、裾野にゴルフ場があり、天城山が大きく眼前に横たわっているのだった。万二郎岳から万三郎岳まで、カメラのフレームに入りきらないくらいの至近距離で全貌が見渡せる。まったく地形図そのままである。ポコッと飛び出した万二郎岳の山頂から緩やかな馬の背の様な真ん中のピークそして顕著な万三郎岳の山頂。立派な山容を眺められたのはここに来た収穫だった。
遠笠山の山頂は、電波塔が林立しており、結局どこなのかよく解からなかったが、テレビ静岡の電波塔の横が一番高そうなのでよしとする。山頂の脇にキイチゴの群落があってちょうど食べ頃だったので、思わず時間をくってしまった。遠笠山は、車道から来ればたいして標高差もなく、高原の散歩で終わってしまうが、電波塔がたくさんあるところを見ると、麓から見れば大きな山に見える、まさに天城火山郡の前衛という位置ではないだろうか。


参考図書・地図
ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
25000図 天城山
50000図 伊東

遠笠山山頂からの万三郎岳
その他のコース
特に無いようです
交通機関
一般の路線バスとしての運行は廃止となり、東急ゴルフリゾートのシャトルバス利用となります。これにより遠笠山登山口のバス停が無くなった可能性があります。
伊東駅〜天城高原ゴルフコースの時刻は以下サイト内をご確認下さい。
東急ゴルフリゾート


Nifty FYAMA 投稿文

天城山は二日酔いで敗退

今週は最初から雨ということは解っていたので、雨でも楽しめそうと思い、天城山を計画しました。見るべき物は樹林であり、展望ははかばかしくない山だと聞いていたからです。もちろん晴れた日に越したことはないのですが。しかし、前日飲み過ぎたため、途中で挫折してしまいました。
内容は極めて不本意なものなのですが、反面教師として参考にして下さい。山行にあたって、二日酔いというのは論外で、予定があるなら飲むな。飲んだら行くなということです。

【日 程】99年6月19日(土)
【目 的】百名山
【天 候】雨時々曇り
【コース】1030 ゴルフ場 → 1140/1200 万二郎岳 → 1315/1345 ゴルフ場 →
     1400 遠笠山登山口 → 1430/50 遠笠山 → 1515 登山口
【山 名】万二郎岳 1294m 遠笠山 1196m
【メンバー 】2人 途中から単独
【山 域】伊豆 天城山脈
【参考書】東京付近の山(実業之日本社)
前日は思わず飲み過ぎてしまい、キャンセルしようかとも思いましたが、せっかく計画したので、ふらふらしながら家をでました。単独だったらもちろん出かけていないでしょう。伊東まで電車で行く間も、トイレの近くに座って何度か出たり入ったりしてなんとかたどり着き、バスは気合いを入れて乗ったのでなんとか乗り切りました。天城高原ゴルフ場のバス停に着いた時にはもうかなりの雨が降っていました。準備を整え、少し戻って登山口から山に入ります。入り口には地元中伊豆町で作った丁寧な登山ガイドのパンフレットが置いてありました。
分岐までは若干登ったのち、少し下り気味で着きました。雨で冷える森の中ですが、空気が澄んで木々も洗われて光っていました。道は残念ながら雨で水が流れており、また周囲の林床にも踏み荒らしが広がっていました。分岐からも緩やかな道が続いていきます。ときどき現れるヒメシャラの大木は雨に洗われてその美しい樹皮を輝かせていました。いつも登っている山々とはかなり植生が違っています。林床の植物も豊富です。
さて、あと山頂まで1000mを越えると少し登りが急になりました。登りが急になると、普通は息が切れて疲れるのですが、今日は二日酔いがひどいため登りが急になると気分が悪くなってきます。そのためペースダウンをしつつそれでも飲んだ水を時々戻しながらの登りです。汚い話ですが、固形物はもうありません。同行者はもうとっくに先行しっているので、だいぶ離れているでしょう。それほどの急登とはおもいませんが、ゆっくり進みます。どのくらいゆっくりかというと、汗も出ず涼しいペースです。気分悪く下ばかり見て歩いているのと、レインコートのフードで視界が悪いので、時々木に頭をぶつけました。最後はつづら折りの折り返しの道になり、立派な看板でそれとわかる小さな万二郎岳の山頂に同行者は待っていました。
山頂から少しくだると岩場のところで、万三郎岳に向かう山並みが見えましたが、結構雲に覆われていました。鞍部のあたりも綺麗なヒメシャラの木が数本濡れて光っており、ギョッとするくらい艶かしい幹でした。さて、登りにかかろうとしましたが、全く調子が戻らないので、私はリタイアすることにしました。もともと単独がベースの2人なので、別れることには問題はありませんが、私は残念です。でも予定は天城峠までなので、このペースでは不安があります。私は万二郎岳に引き返し途中で岩場から万三郎岳まで雲が切れて綺麗に見えていたので、写真を取りましたがレンズのキャップを岩場から落としてしまいました。踏んだり蹴ったりです。山頂で少し休んでゆっくり下りました。やはり美しい森だと思いました。分岐まで着いてゴルフ場に戻るまでは、ちょっとゴルフ場から流れてくる排水が気になりました。
ゴルフ場でバスの時刻を見るとバスが2時間30分先までありません。学校休日の土曜日であれば30分後にあるのですが、今日は学校がある土曜日です。ゴルフ場の前にいても仕方がないので、天城高原の方に向けて歩いていくことにしました。だんだん二日酔いも回復はしてきましたが、のんびり歩いていきます。途中に遠笠山登山口というのがあって、林道を歩けば簡単に着きそうなので寄ってみることにしました。未舗装のきれいな林道は歩きやすく、50mおきに標識があります。途中で富士山が真っ白な雲海の上に頭を雲の中に隠して黒々と見えていました。ちょうど、低い雲と高い雲の間にいるのです。1600mくらいのところまでくると、頂上も近くなり、笹の中に潅木の生えた気分のいい景色になってきます。そして、電波塔が立ち並ぶ頂上が近づいてくると、目の前に立派な山々が大きく見えてきました。こんな山あったのか....と良く見たら、裾野にゴルフ場があり、天城山が大きく眼前に横たわっているのでした。
万二郎岳から万三郎岳まで、カメラのフレームに入りきらないくらいの至近距離で綺麗に見えています。当たり前ですが、登山口でもらった地図に印刷してある地形図そのままに見えます。ポコッと飛び出した万二郎岳の山頂から緩やかな馬の背の様な真ん中のピークそして顕著な万三郎岳の山頂。天城山がなかなか立派な山だということが解ったのは収穫でした。さすが百名山です。ところで遠笠山ですが、電波塔が林立しており、どこが山頂なのかよく解りませんでした。テレビ静岡の電波塔の横が一番高そうなので、ここでよしとしましたが、山頂の脇にキイチゴの群落があってちょうど食べ頃だったので、思わず時間をくってしまいました。
もと来た道を戻って登山口でバスを30分程待ちました。ゴルフ場に向けて折り返してくるはずのバスが2台走っていったので、なんでだろうと思ったら、最初に貸切という表示のバスがやってきて停まり、伊東駅まで直通だということで乗りました。たぶん休日にはハイカー向けに増発しているのでしょうが、さすがに、雨の日で乗客は私一人、まさに貸切状態で、タクシーのごとくホントに直通で伊東駅まで走り、所定のバス料金でした。



ということで、極めて不本意な山でしたが、同行者は無事天城峠まで縦走を終えて帰ったとの連絡をもらい一安心です。天城山は遠笠山からみた姿も立派でしたが、何と言っても樹林の美しさは素晴らしいものがありました。
あと、年をとる毎に酒が後ろに残るようになってきており、これは飲んでる時には飲み過ぎてしまう悪い傾向です。今後は山に登る前の日に酒を飲むのは慎もうと思いました。 お粗末でした。