日踊山

385 m

山域:度会山地
2001.1.7


横山から降りて、賢島から度会に向かう途中に、鴻坂峠を越えた。そこには、日踊山という山への道標があり、それほど遠くなさそうだったのと、名前に惹かれてつい山道へと入っていった。この山の名はヒヨドリヤマと読むようである。

賢島から南勢町に抜けるには、早く行こうと思うと山側を経由した方がいいようだ。海回りの国道は海岸線を辿り、カーブが多いうえに道幅が狭く時間がかかる。ただし、その分風光明媚ではある。
度会に向かうのに、サニーロードをやり過ごしてしまったので鴻坂峠を越えることにした。植林の中の狭い道は今は県道であるが、峠の古い石碑によると、昭和7年に55200円をかけて完成させた林道ということらしい。この峠には昨日龍仙山で見た「南勢テクテク会」のオレンジ色の道標があり、日踊山と書かれていた。
峠からひと登りすると、まだ植えて間もない植林地を通る。東側は広く伐採された後なので、展望が大きく広がった。うまく同定はできてないが、昨日登った龍仙山もたぶん見えていたはずである。伐採地の中にポツポツと自然の木を残してあるのも面白い。
しばらく行くと自然林の稜線の道になる。やはり南の山は冬でも青々として新鮮である。道には木の実もたくさん落ちており、そのいくつかはしっかり根付いているようだった。常緑の森の中の歩きやすい登山道は、ピークを左右に巻ながらゆったりと登っていった。
倒木のあるあたりで右に直角に曲がると山頂である。山頂は木々に囲まれているが、大きな岩があり、これに登るとちょうど木々の梢の高さになる。岩の上からは、五ヶ所湾や度会山地の山々の展望が良く眺められる。このあたりは、標高が低いが、山また山と折り重なっているのがよく解る。また、木々を上から見る恰好になるが、いろんな種類の常緑樹は、それぞれの領分の空に向けて精一杯葉を茂らせて覇を競っているのがよく解る。全く緑に囲まれていられる山頂だった。
山頂にはいくつかの山名標識が掛けてあるが、「イセ愛山会」「イセAOKI」「一貫堂」と三重県の山にある常連の札はさすがにここにもしっかりとかかっていた。面白かったのは、伊勢山岳会10周年記念南島山脈縦走と書かれた標識で50年12月のものらしい。
登山口へは、来た道を戻る。とくに迷うところもなく、気軽に行けて、山頂も静かで展望も良いので、ちょっと立ち寄るにはいい山だと思った。何しろ全く予備知識も無く偶然登った山で、私にとっては発見であり、なかなか楽しい。こういう出会いも大切にしたいと思った。鴻坂峠に戻ると峠の反対側には牛草山への道標があった。さすがに牛草山へは距離がありそうだ。

本文中の写真

  • 山頂にある展望の岩


  • 記録

    日 程

    2001年1月7日(日)

    天 候

    曇り

    コース

    1103 鴻坂峠 → 1120/35 日踊山 → 1155 鴻坂峠

    冬の陽を求めて競う常緑樹の梢


    参考図書・地図 その他のコース
    25000図 脇出
    50000図 伊勢
    他のコースはわかりませんが、さらに南へはかすかな踏み跡程度でした。
    バス
    峠へは、伊勢市駅より、南島町方面のバスに乗り、脇出あたりで下車して県道を歩いていくことになりそうです。
    2時間に1本程度
    時刻等は三重交通でご確認下さい。