七洞岳

778m

山域:度会山地
2001.2.04


昨日は総門山に登ったあと、七洞岳の登山口で夜をあかしました。七洞岳は行程こそ短いのですが、展望や稜線の雑木林など楽しみにしていた山です。実際に登ってみて、期待に違わぬいい山でした。

天気予報は晴れのち曇りだが、朝の谷間の空は一様に薄雲がかかっていた。道端に祠のある駐車地から少し荒れた林道を進むと、思っていたよりしっかりした造りの小屋がある。七洞岳山小屋と看板があり、中を見ると土間があるだけの小さな避難小屋であった。この小屋の横から沢の流れを渡り、植林地の中へと入っていく。尾根の末端に沿って進みもう一つの沢に出会うと、道はこの2つの沢の間の小尾根へと取り付いた。
すぐに尾根の急登が始まる。檜の植林地の中を淡々と高度を稼いでいく。歩き初めてからいきなりの登りは、けっこう息があがった。ガイドブックには尾根が平坦になったところで炭焼窯跡があるとあったので、まずはそこまでと登っていったが、どうやら気づかずに通り過ぎてしまったようだ。
しばらく急登をこなしたあと、確かに尾根が一旦緩やかになる。そして、このあたりからは杉の植林に変わり、再び傾斜を登り詰めていく。最後は広い尾根を直登気味に登れば植林地は終わり、左にトラバース気味に雑木林と植林地の境を行くようになった。
道は、折り返しながらも左の方へと登っていく。このあたりは落葉樹主体で、ナラやヒメシャラなどの森であった。雰囲気もお隣の獅子ヶ岳と共通しているようだ。すっかり明るくなって気分の良い道を行くと、やがて稜線に登り着いた。
稜線の登りは常緑樹のジャングルへと変わる。冬でも豊かな緑の中を歩くようになり、楽しく疲れも感じさせない道である。そして山頂まで10分の標識があるところが展望岩であった。
この展望岩からの眺めは素晴らしい。遠く志摩の入り組んだ海が薄日に光っている。低いながらも幾重にも 折り重なる山々が一望のもとに眺めることができる。正面にはこれから歩く稜線と、その先には七洞山の山頂がある。山頂まで10分とはいえ、まだまだ遠い感じがした。
展望岩からは、まず正面に見えていた岩峰を越えていく。しかし、実際歩くところは常緑樹が密集している所なので、岩峰を越えているという実感は湧いてこない。アセビのトンネルの中を小さなコブを越えていけば、緩やかな気持ちのいい樹下の散歩道をなり、その先をひと登りで一等三角点の待つ山頂であった。
山頂からの景色も勿論申し分のないものである。南面は植林が山頂直下まで上がっているが、展望自体はほぼ360度見渡すことができる。曇っているとはいえ視界を遮るガスは無く、ベンチに座ってしばらくは朝の風景を楽しんだ。
下山は往路を忠実に辿ったが、もう一度展望岩に立ち寄ってみた。山頂よりもこちらの眺めの方が爽快であると思った。展望岩から下ると、今日最初の登山者とすれ違った。帰路は尾根の平坦地に窯跡の窪みを見つけ、山小屋まで下山すると10数人の団体さんがこれから登っていくところであった。

早朝登山のおかげで静かな山を楽しむことができました。文中にも書きましたが、この展望岩は山頂よりも気に入りました。南面にあるので暖かく、展望に爽快感がありました。そしてこの地方ではお約束の常緑樹の森も素晴らしいし、いろいろと楽しめる山でした。わずか往復2時間の歩きでしたが、なかなか充実した気分に浸ることができました。

本文中の写真

  • 展望岩から見る眼前の岩峰と山頂
  • 常緑樹のジャングルの道



  • 記録

    日 程

    2001年2月04日(日)

    天 候

    曇り

    コース

    0720 祠(駐車地) → 0725 登山口 → 0800 稜線 → 0810/20 展望岩 → 0830/40 七洞岳山頂 → 0850/55 展望岩 → 0925 登山口 → 0930 祠

    広い七洞岳山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 三重県の山
    25000図 脇出
    50000図 伊勢
    獅子ヶ岳と結んで縦走ができます。
    バス
    バスは松阪駅から、栃原駅経由藤木屋行きに乗り、野原からかなり歩くことになります。
    ただし、午後の3時ころの1本だけで、これに乗れば小屋に泊まることになるでしょう。
    日帰りで公共の交通機関を使うとすれば栃原駅から歩くことになりますが、2時間30分は覚悟したほうが良さそうです。